Last Update: 2012/05/30

林田力:ゼロゼロ物件詐欺/グリーンウッド新宿店事件

グリーンウッド新宿店の宅建業法違反

ゼロゼロ物件詐欺

TPPと住まいの貧困


グリーンウッド新宿店の宅建業法違反


グリーンウッド新宿店が宅地建物取引業法違反で業務停止処分


グリーンウッド新宿店の名称で営業している賃貸仲介不動産業者グリーンウッド(吉野敏和代表、東京都知事(9)第40352号)は東京都から2010年6月に宅地建物取引業法違反で業務停止処分を受けた(東京都都市整備局「宅地建物取引業者に対する行政処分について」2010年6月8日)。処分内容は宅地建物取引業務の全部停止である。

東京都の報道発表資料によると、グリーンウッドは2008年3月26日付で埼玉県新座市内の賃貸マンションの1室の賃貸借契約の媒介業務を行った。この業務においてグリーンウッドは以下の宅地建物取引業法違反を犯した。

第一に重要事項説明書(宅建業法第35条書面)に、登記記録に記録された事項についての記載がない。

第二に重要事項説明書に、契約の解除についての記載がない。

第三に重要事項説明書に、損害賠償額の予定又は違約金に関する事項についての記載がない。

第四に重要事項説明書に、管理の委託先についての記載がない。これら第一から第四までは宅建業法第35条第1項(重要事項説明書の不記載)に違反する。

第五に契約締結時に、退室立会費の授受があったにもかかわらず、賃貸借契約書(宅建業法第37条書面)に、その額についての記載がない。これは宅建業法第37条第2項第3号(賃貸借契約書の不記載)に違反する。以上より、宅建業法第65条第2項(業務の停止)に基づき、業務停止処分とした。このような違法業者への処分が迅速に行われ、周知されることで救われる消費者は大勢存在する。「グリーンウッド被害者の会ができないことが不思議」との声もある。

グリーンウッド新宿店は東京都渋谷区代々木二丁目のビルの13階の一室(ニューステイトメナービル1328号)にある。「かなり入り辛い部屋」「事務所が狭い」「13階の外から見えない完全密室で契約は怖すぎる」との声がある。敷金や礼金・仲介手数料ゼロのゼロゼロ物件を謳っているが、契約金を徴収する。

ウェブには「礼金0敷金0仲介手数料1万円・ 無職・アルバイト・フリーター・派遣OK 保証人無し 相談 東京・神奈川・千葉・埼玉のお部屋探しはグリーンウッド新宿店」と表示されており、無職やフリーターをターゲットとしている。行政処分時点での資本金は0円である。

ウェブの会社概要ページは2011年2月時点ではクリックしても閲覧できないようになっていた。その後、2011年10月5日時点で「会社概要」をクリックすると、何故か「賃貸のホームメイト」のページに飛ぶようになった。自社ページの「会社概要」から他社のページにリンクされることは変である。このような手法は信用のない会社が信用を見せかけるために行うことがある。

グリーンウッド新宿店のウェブサイトは2012年5月時点でアトラス東京(株式会社アトラス、東京都知事(1)第93815号、2012年4月16日設立)にリダイレクトされる。グリーンウッド新宿店とアトラス東京の住所は同じである。同じゼロゼロ物件で社会的な批判を浴びたスマイルサービスもハウスポートと名前を変えている。


宅建業法違反のグリーンウッド新宿店に批判


宅建業法違反で業務停止処分を受けた賃貸仲介不動産業者・グリーンウッド(吉野敏和代表、東京都知事(9)第40352号)への行政処分は市民団体「住まいの貧困に取り組むネットワーク」からの粘り強い申し入れが出発点である。業者への苦情が山積みになって行政がやっと動き出した。

「住まいの貧困に取り組むネットワーク」は石原慎太郎・東京都知事、東京都都市整備局住宅政策推進部不動産業課長、東京都生活文化スポーツ局消費生活部調査担当課長宛てに申し入れし、都庁記者クラブで記者会見も行った。申し入れ書には以下のように記載され、グリーンウッドに様々な問題があると指摘している。

「シンエイ物件を多く仲介している代々木のグリーンウッドについても、事前に内見をさせないなど多くの不当行為が確認されている。」(「(株)シンエイ並びに(株)シンエイエステートに対する指導・是正と賃貸トラブルの対応窓口一元化を求める申し入れ」2009年12月18日)

「住まいの貧困に取り組むネットワーク」ではグリーンウッドの無反省を批判する。「シンエイエステートとグリーンウッド、そしてシンエイがやってきたこと、つまり、借家人の権利を踏みにじり、違法な利益を上げてきた行為について、いまだ、彼らはなんら当事者への謝罪、賠償をしていない」(住まいの貧困に取り組むネットワーク ブログ「シンエイエステートとグリーンウッドに対して東京都が行政処分」2010年6月8日)

業務停止処分期間中はウェブサイト上での物件紹介も禁止される。ところがグリーンウッドは自社ウェブに以下の表示をしたという。

「只今 ホームページ調整中です。物件リストを6月19日には掲載いたしますので、今しばらくお待ち下さい」。これに対して同ネットワークは「ふざけた記載」と怒りを顕わにする(住まいの貧困に取り組むネットワーク ブログ「シンエイエステートとグリーンウッドに対して東京都が行政処分」2010年6月8日)。

グリーンウッドを日本語に訳すと緑林になる。緑林は漢籍では盗賊や山賊または盗賊や山賊の潜伏場所・根城の意味になる。古代中国の前漢と後漢の間、王莽の新王朝の時代に無頼の徒が緑林山を拠点にして強盗を働いていたことが由来である。宅建業法違反で業務停止処分を受けたグリーンウッドに相応しい名前である。貧困ビジネスのゼロゼロ物件業者のイメージはヤクザと変わらないため、この種の悪徳業者は市場から退出してほしいものである。


宅地建物取引業者に対する行政処分について


平成22年6月8日

東京都都市整備局住宅政策推進部不動産業課

被処分者 商号 グリーンウッド(資本金0円)

代表者 代表 吉野敏和(よしのとしかず)

主たる事務所 東京都渋谷区代々木二丁目23番1号

免許年月日 平成21年2月13日(当初免許年月日 昭和56年2月13日)

免許証番号 東京都知事(9)第40352号

聴聞年月日 平成22年5月10日

処分通知発送年月日 平成22年6月7日(処分確定日 処分通知到達の日)

処分内容 宅地建物取引業務の全部停止10日間

適用法条項 宅地建物取引業法第65条第2項(業務の停止)

同法第35条第1項(重要事項説明書の不記載)

同法第37条第2項第3号(賃貸借契約書の不記載)

事実関係 被処分者は、平成20年3月26日付で、貸主Aと借主Bとの間で締結された、埼玉県新座市内の賃貸マンションの1室の賃貸借契約の媒介業務を行った。

この業務において、被処分者は次のとおり宅地建物取引業法(以下「法」という。)違反があった。



1 重要事項説明書(法第35条書面)に、登記記録に記録された事項についての記載がない。

2 重要事項説明書に、契約の解除についての記載がない。

3 重要事項説明書に、損害賠償額の予定又は違約金に関する事項についての記載がない。

4 重要事項説明書に、管理の委託先についての記載がない。

5 契約締結時に、退室立会費の授受があったにもかかわらず、賃貸借契約書(法第37条書面)にその額についての記載がない。

これらのことは、1から4については法第35条第1項に違反し、法第65条第2項第2号に該当し、5については法第37条第2項第3号に違反し、法第65条第2項第2号に該当する。


東京都告示第七百二十号(東京都広報2010年4月28日)


宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)の規定による行政処分について、同法第六十九条第一項及び同条第二項において準用する同法第十六条の十五第五項の規定により、公開の聴聞を次のとおり行う。

平成二十二年四月二十八日

東京都知事 石原慎太郎

一.日時 平成二十二年五月十日 午後一時

二.東京都都市整備局住宅政策推進部聴聞室

三.被聴聞者

(一)商号 株式会社グリーンウッド

(二)代表者氏名 吉野敏和

(三)主たる事務所の所在地 渋谷区代々木二丁目二十三番地一号

(四)免許証番号 東京都知事(9)第四〇三五二号

(五)免許年月日 平成二十一年二月十三日


東京都知事による宅地建物取引業者への監督処分情報


処分等年月日:2010年6月8日

登録番号:東京都知事(9)第40352号

事業者名:グリーンウッド

住所:東京都渋谷区

処分等の種類:業務停止10日

違反行為の概要:

1重要事項説明書に、登記記録に記録された事項等についての記載がない。

2退室立会費の授受があったにもかかわらず、契約書にその額についての記載がない。


ゼロゼロ物件詐欺


林田力がゼロゼロ物件詐欺を聞き取り


『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』著者の林田力は2012年1月にゼロゼロ物件詐欺の実態聞き取りを実施した。敷金0礼金0と安さをセールスポイントとするゼロゼロ物件であるが、高額な料金請求や追い出し屋など社会問題になっている。それを裏付けるヒアリングになった。

ヒアリングは東京都渋谷区代々木のゼロゼロ物件仲介業者に部屋探しの相談をした人物である。このゼロゼロ物件業者は宅建業法違反で業務停止処分を受けている。王道的な不動産業者選びならば業務停止処分歴があるだけで、候補から外される業者である。それ故に貴重な聞き取り結果になった。

ヒアリングではゼロゼロ物件詐欺の実態が浮き彫りになった。広告では初期費用15万円と謳っている物件がある。この時点で消費者の立場ではゼロゼロ物件ではなく、ゼロゼロ物件詐欺である。敷金礼金がゼロ円でも他の名目で費用を徴収されるならばリスクが指摘されるゼロゼロ物件を借りるメリットがない。

しかし、それで問題は終わらなかった。驚くべきことにゼロゼロ物件業者は相手が無職と知ると初期費用を25万円に釣り上げた。ゼロゼロ物件が敷金や礼金を徴収する普通の物件よりも逆に割高になるという指摘の一例になる。このゼロゼロ物件業者は「無職 アルバイト 派遣の方も礼金0でOK」と無職をターゲット層の一つとして広告宣伝しているが、無職の困窮に付け込み、搾取する貧困ビジネス的性格を示している。

また、このゼロゼロ物件業者は宅建業法違反に加えて「内見をさせない」という問題が市民団体から指摘されている。聞き取りでも一時間半程度ゼロゼロ物件業者の店舗で話し、具体的な物件が出たにも関わらず、内見の話にはならなかったとする。市民団体の指摘は業務停止処分前であるが、停止処分明けでも企業体質は変わっていないことを示している。

このゼロゼロ物件業者は代々木に店舗があるが、立川などの多摩地区や埼玉、神奈川の物件ばかりである。これは業者のウェブサイトで確認できるが、聞き取りでも同じ結果が確認された。店舗のある地域の物件を扱っている地域密着型を業者選びの指標にしたいとの意見が出された。聞き取り結果は2012年1月20日発行のメールマガジン「真相JAPAN」第54号に掲載されている。


ゼロゼロ物件などの貧困ビジネスの怖さ


門倉貴史『日本人が知らない「怖いビジネス」』(角川書店、2012年1月10日発売)は世界中の悪質なビジネスを紹介した新書である。韓国の闇市場で流通する中国産「人肉カプセル」やナイジェリアで摘発された恐怖の「赤ちゃん工場」、イタリアの環境を破壊する「エコ・マフィア」など身の毛もよだつ怖いビジネスが並ぶ。

日本人にとっても他人事ではない。中でもゼロゼロ物件の欺瞞には恐怖を覚えた。ゼロゼロ物件は「敷金・礼金なし」で貧困層を誘い込み、僅か数日の家賃滞納で法外な違約金を請求する。追い出し屋の悪質な嫌がらせで心に傷を負った賃借人もいる。一見すると敷金や礼金がないために消費者に有利に見える分だけ悪質である。しかも他の貧困ビジネスと比べて、貧困層以外の幅広い層に応用可能なために有害性が高い。

これらの悪質なビジネスの背後には貧困や格差がある。貧困に付け込み、貧困者を一層苦しめるビジネスである。金儲け優先のグローバリズムの歪みが貧困ビジネスを拡大させている。モラルを失った業者の貧困ビジネスは日本経済・世界経済の末期症状を示している。

著者は『貧困ビジネス』(幻冬舎新書、2009年)という新書も出しており、著者の問題意識は一貫している。これは急増する貧困層を食い物にして儲ける貧困ビジネスを取り上げた。ゼロゼロ物件、リセット屋、偽装請負、人身売買、臓器売買など様々な貧困ビジネスを紹介する。

貧困ビジネスの有害性はゼロゼロ物件が象徴する。ゼロゼロ物件業者の高額な違約金請求という暴利行為や追い出し屋という暴力行為が許されないことは当然である。しかし、ゼロゼロ物件業者は自社の違法を棚に上げて、「家賃を払わない賃借人が悪い」と家賃滞納者に責任転嫁する(林田力「空知英秋『銀魂』に見るゼロゼロ物件業者への対抗価値」PJニュース2011年11月4日)。

ゼロゼロ物件のような貧困ビジネスは貧困や格差の産物であるが、それ自身も貧困や格差、社会モラルの崩壊に寄与している。「Occupy Wall Street」など世界的な反格差の抗議運動が盛り上がっている。ウォール街の資本家などの最上部に目を向けるだけでなく、ゼロゼロ物件などの身近な貧困ビジネスを撲滅することも大切である。

本書は紹介が中心で、貧困ビジネスを撲滅する政策や被害者の救済策についての記述は薄い。ゼロゼロ物件業者への提訴や宅建業法違反の告発など貧困ビジネスに対する消費者の権利回復の闘いが全国各地で起きている。それらの運動の紹介も今後は期待する。


ゼロゼロ物件業者の注意点


ゼロゼロ物件被害が後を絶たない。ゼロゼロ物件では追い出し屋や高圧的な家賃取り立て、契約外での様々な名目での料金請求など問題があるケースが多く、社会問題になっている。ゼロゼロ物件の退去時に30万円くらいを請求されたとの指摘もある。ゼロゼロ物件業者は工作員を使って「このようなことがよくできるな」と誰もが軽蔑するような悪魔の所業も躊躇なく行ってきた。ゼロゼロ物件業者には、しつこく付きまとい、ストーカー化する悪質なものもいる。被害者は「本当に気持ち悪い、迷惑な人」と語る。

ゼロゼロ物件そのものが賃借人を搾取する貧困ビジネスと否定的な見解が優勢であり、避けることが望ましい。ゼロゼロ物件業者への提訴も相次いでいるが、ゼロゼロ物件詐欺被害者の大半は、慰謝料・生活費増加分・財物価値減少分などの請求について、疑問や不満を抱いている。ゼロゼロ物件と契約することは泥沼に足を入れるようなものである。それ故にゼロゼロ物件の契約は避けることが安全策になる。

しかし、ゼロゼロ物件被害が根絶しない背景には格差や貧困の拡大によって、ゼロゼロ物件でないと契約できない貧困層が増えていることである。ゼロゼロ物件から選ばざるを得ないという格差社会の現実は厳然として存在する。「ゼロゼロ物件と契約するな」は正論であるが、それだけでは被害はなくならない。ゼロゼロ物件という泥沼に足を踏み込むとしても、汚れはできる限り少ない方がいい。そこで相対的に信頼できるゼロゼロ物件業者の選び方を紹介する。

第一に行政処分歴のある不動産業者を避けることである。過去に宅地建物取引業法(宅建業法)違反で業務停止処分を受けた不動産業者は避ける。これは不動産業者選びの基本中の基本である。東京都都市整備局住宅政策推進部不動産業課は不動産相談ページで「相手の業者が宅地建物取引業免許を取得しているかどうか、業者の経歴や実績も確認しましょう。」と行政処分歴の調査を推奨している。普通の不動産業者選びでも行政処分歴は判断材料になるが、ゼロゼロ物件のような本質的にリスクの高い物件を契約する場合は特に重要である。

行政処分歴のようなネガティブ情報はインターネットでも公開されている。不動産業者名や免許番号で検索すれば悪名高い宅建業法違反事例を容易に見つけることができる(東京都都市整備局「宅地建物取引業者に対する行政処分について」2010年6月8日など)。免許番号は「東京都知事(1)第12345号」という書式である。

残念なことにトラブルや悪質な販売行為、法令違反等を起こしても行政処分を受けていない悪徳不動産業者も多いが、少なくとも行政処分歴のある不動産業者を排除する意味はある。業務停止処分を受けたなど過去に問題になったゼロゼロ物件業者とは契約しないことがポイントになる。

第二にゼロゼロ物件を主力とする業者ではなく、ゼロゼロ物件以外の物件を扱う業者を選ぶことである。ゼロゼロ物件被害が生じている悪質な業者は、ゼロゼロ物件を売り文句として客を引き寄せている。それ故に扱っている物件の中に、たまたまゼロゼロ物件があったという業者の方が安全である。

第三に地域密着型の業者を選択することである。「地元に精通した不動産屋を探せ」(今井学『絶対に失敗しない中古住宅の売り方・買い方』ぱる出版、2005年、29頁)。

地域密着型とは不動産業者の事務所(オフィス)のある地域の物件を中心に扱っている業者のことである。これは通常の不動産業者である。反対に事務所から離れた地域の物件ばかりを扱う業者は要注意である。たとえば代々木に事務所がありながら、立川など都下の物件ばかりを扱う業者などには注意する。物件の問題点や注意事項が説明されない危険がある。とりわけ事務所から離れた地域のゼロゼロ物件ばかりを扱う業者はリスクが高くなる。

事務所と離れた場所の物件ばかりを扱う不動産屋では希望立地とは異なる物件を押し付けられる危険もある。また、事務所と物件が離れていると、内見も不便である。中には内見させずに契約を迫る業者も存在する。その種の不動産業界のゴキブリのような忌むべき業者は論外である。絶対に契約をしてはならない。

第四に雑居ビルに入居している不動産屋を選ぶ際は、1階に入居する不動産業者を選択する。ビル上階に入居する不動産屋は要注意である。不動産屋としては1階への入居が望ましく、現実に大抵の業者は1階で営業している。

不動産屋の壁はガラスになっていて、物件広告が貼られていることが多い。この広告は有効な集客手段である。それができないビル上階の不動産屋は、その分だけ同業者からも魅力に欠け、物件集めに不利である。これは消費者から見て好物件が少ないことになる。

消費者にとっては1階の店舗の方が入りやすい。地上げ屋や追い出し屋、ブローカーなど不動産業界に闇の部分があることは事実である。ビル上階の密室よりもガラス張りの1階の店舗の方が安心できる。

不動産屋がビル上階にあると内見に行くことも不便である。中には内見を渋って契約を迫る業者もいるが、その種の業者とは契約してはならない。どうしてもビル上階の不動産屋と契約しようとする場合、せめて不動産屋の名前や免許番号、代表者名を検索し、その不動産屋が過去に宅建業法違反で業務停止処分を受けていないか確認してからにしよう。


ゼロゼロ物件詐欺に海外からも厳しい目


ゼロゼロ物件詐欺や追い出し屋という貧困ビジネスによって、不動産業界のコンプライアンスが問われている。近江商人は「売り手よし、買い手よし、世間よし」の「三方よし」の理念を掲げて成功した。不利益事実を隠して新築マンションをだまし売りした東急リバブル東急不動産や賃借人を搾取する貧困ビジネスのゼロゼロ物件業者は近江商人の対極に位置する。

ゼロゼロ物件は非正規労働者・移住労働者・在日・部落・寄せ場・野宿者など様々な差別と貧困の構造的問題である。在日外国人労働者がゼロゼロ物件業者のターゲットになっていることもあり、海外のメディアからも日本の不動産業界に厳しい目が向けられている。これまで悪徳不動産業者を放置してきたことが業界イメージを下げてきた。宅建業法違反で営業停止処分を受けながらも、処分明けから平然と営業を続けるような悪質なゼロゼロ物件業者を追放できるか、不動産業界の姿勢が問題である。

不動産業界はイノベーションに最適な場所ではない。消費者意識や社会の変化が激しい現代において、不動産業界が今後も存続するためには、宅建業法違反で業務停止処分を受けたような悪質なゼロゼロ物件業者の排除など革新性を高めることが不可欠である。


部屋探しは、とにかく内見


堀北真希が出演する大手賃貸不動産業者のコマーシャルは「とにかく内見」をキーワードにする。部屋探しで重要なポイントは内見である。内見をさせずに契約を迫る違法なゼロゼロ物件業者とは対照的である。賃貸借契約書に記載なく費用を徴収して宅建業法違反で業務停止処分を受けたゼロゼロ物件業者には事前に内見をさせないという問題も報告された。内見を積極的に勧めるかは信頼できる不動産業者であるかの判断基準にもなる。内見を渋るような業者とは契約しないことが賢明である。


ゼロゼロ物件はダメ。ゼッタイ。


ゼロゼロ物件はダメ。ゼッタイ。敷金・礼金・仲介手数料0円などを謳って割安感をアピールするゼロゼロ物件であるが、トラブルが続発し、社会問題になっている。どうしてもゼロゼロ物件と契約しようとする際は、過去に宅建業法違反で業務停止処分を受けた業者でないか調査・確認してからにしよう。ゼロゼロ物件では様々な費用を徴収されて普通の物件より割高になるケースが多い。不動産業者が無断で住居に侵入して家財を処分するなど悪質な追い出し屋被害も続発している。

多摩地区のアパートで家賃滞納者の家財道具を留守中に全て勝てに外に出し、ゴミ置き場にロープを張り「粗大ゴミ」と張り紙をしていたケースがある。自転車の鍵ロープを切断して持ち帰って処分し、賃貸契約の更新をしない居住者に対しては適当な額を上乗せした契約書を送り付けて月割りで振り込ませていたという。振り込まない居住者には上記の「粗大ゴミ」を強行する。


TPPと住まいの貧困


TPPは住まいの貧困を悪化させる


林田力は東急不動産だまし売り裁判原告として住まいの貧困問題に関心がある。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP; Trans-Pacific Partnership; Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement)に様々な問題があることは多くの論者によって既に指摘されているが、ここでは住まいの貧困問題をテーマに悪影響を論じる。結論を先に申し上げればTPPは住まいの貧困を悪化させる。

第一にTPPは公営住宅供給を抑制する。これは住まいの貧困問題の根本的な解決を阻害する。派遣切りなどによってネットカフェ難民となる人がいる。賃貸住宅に住もうとしても保証人や初期費用(敷金・礼金)の壁がある。日本では非正規労働の増大とともに「貯蓄なし世帯」が増え「貧困率」が高くなっている。一人親家庭の子供の貧困率はOECD加盟国中最低・最悪である。そのために貧困層の搾取を目的としたゼロゼロ物件などの貧困ビジネスしか選択できない人々も多い。

これは廉価な公営住宅が不十分であることに起因する。「民間にできることは民間で」の構造改革により本格的な格差社会が到来し、貧困ビジネスが成長し、住まいの貧困問題が顕在化した。それは民間にもできる住宅供給を民間に丸投げし、公営住宅供給を怠ってきたことも大きな要因である。

非関税撤廃を掲げるTPPによって民間の賃貸不動産業と競合する公営住宅供給は一層抑制される。住まいの貧困問題の解決のためには構造改革路線の民間主導の住宅供給政策を反省し、公営住宅を増やさなければならない。それにTPPは逆行する。これはTPPが中曽根民活、規制改革、構造改革の総仕上げとも言うべき反動的性格を有する所以である。

第二にTPPは消費者本位の不動産規制の妨げになる。非関税障壁撤廃の名目で遺伝子組み替え食品や残留農薬の表示規制撤廃など消費者の安全安心を守る規制が緩和される危険が指摘されている。

不動産市場でも情報提供は消費者にとって有益である。ゼロゼロ物件業者など過去に宅建業法違反となった事実は不動産業者選びに役立つ。悪徳不動産業者にとっては競争上の障壁となるとしても、消費者の利益のために行政処分歴の公開などは積極的に行われるべきである。

さらに投資家保護を目的とする「ISDS (Investor State Dispute Settlement)条項」の問題がある。日本に参入した米国の投資企業が、日本政府の政策によって被害を受けた場合に日本政府を訴えることができるというものである。

残念ながら不動産問題は後追いで規制が生まれることが多い。住環境を破壊する高層マンションが建設された後で高さ規制が設定される。法の網の目を突く地下室マンションが建設された後で地下室マンションが規制される。東京都世田谷区の二子玉川ライズも高層ビル竣工後に風害が大問題になっており、事前アセスが形式だけの無意味なものであると露呈した。

後追い規制よりも問題が発生する前に規制することが望ましいことは言うまでもない。しかし、日本の現状を踏まえるならば後追いでも問題に対して迅速に対処することが先ず求められる。ところが、後追い規制によってビジネスが規制された外資企業が損害を被ったとしてISDS条項で政府を訴えることを可能にする。これは政府に規制を躊躇させる理由を与えることになる。(林田力「TPPは住まいの貧困を悪化させる」オリーブニュース2012年1月13日)


ゼロゼロ物件詐欺とTPPの親和性


貧困ビジネスの最右翼であるゼロゼロ物件詐欺とTPPには親和性がある。ゼロゼロ物件は敷金・礼金0円・保証人なしなどをセールスポイントとしながら、退室立会費など様々な名目で料金や違約金を徴収して賃借人を搾取する貧困ビジネスである。敷金・礼金ありの通常の物件よりも実は割高ということもある。ゼロゼロ物件では追い出し屋による人権侵害行為も横行した。

ゼロゼロ物件被害の報道やゼロゼロ物件業者の行政処分などによって、ゼロゼロ物件の危険性は知れ渡ったことは歓迎できる。一方でゼロゼロ物件被害が広がった背景として、ゼロゼロ物件の見かけの「消費者利益」に注意する必要がある。敷金や礼金は消費者を無視した日本の不動産業界の閉鎖性・前近代性を象徴する慣行である。それ故に敷金や礼金なしを謳うゼロゼロ物件には見かけ上は消費者ニーズに即する面があった。これが見かけの「消費者利益」に過ぎず、消費者を害するものでしかなかったことは言うまでもない。

この見かけの「消費者利益」はTPPにも登場する。「安い輸入食品を購入できる」という議論である。これは特に消費者対生産者という枠組みからTPPへの賛成意見として一定の支持がある。この種の「消費者利益」に対してはゼロゼロ物件を引き合いに出すことが対抗策になる。TPP推進派は「第三の開国」などと近代的イメージを振りまくが、卑しい貧困ビジネスとして評価の定まったゼロゼロ物件と重ね合わせることで、その近代性の虚飾を削ぎ落すことになる。

現実問題として敷金には賃借人の信用という意味がある。ゼロゼロ物件で高額な違約金や追い出し屋が登場する背景には敷金ゼロのために賃料の担保がないという側面もある。これまでは退去時に敷金が返還されないという不合理があったが、賃借人の運動によって返還率が高まっている。消費者運動としては敷金ゼロではなく、敷金の返還を求めることが正しい方向性になる。同様に日本の食料品の流通に問題があるとしても、TPPという見せかけの「消費者利益」に欺かれてはならない。



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