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林田力 東急不動産だまし売り裁判 もめタネ研2月定例会 201025

 

 

東急リバブル東急不動産だまし売り裁判... 1

要旨... 2

東急不動産だまし売り裁判報告... 4

デベロッパーとの闘いのポイント... 4

東急不動産だまし売り裁判の特徴... 6

東急不動産だまし売り裁判レジュメ... 6

東急不動産だまし売り被害... 6

東急リバブル東急不動産の不誠実な対応... 7

東急不動産の虚偽証拠... 7

東急不動産の不誠実な応訴態度... 8

東急不動産物件の欠陥施工など... 9

東急コミュニティーの杜撰な管理... 9

東急リバブル・東急不動産の不動産購入トラブル... 10

 

 

東急リバブル東急不動産だまし売り裁判

東急不動産(販売代理:東急リバブル)の新築マンション・アルス東陽町(総戸数27戸)の301号室を購入(20036月契約)した。マンションは9月に竣工したが、入居は10月下旬である。敷地に面する道路が狭いために、東急リバブルが入居者の引越しの順序を勝手に定めたために、引渡し後すぐに入居することはできなかった。

2004年初め頃から隣地の解体が始まり建替えられて、日照・通風が最悪となり騒音にも苦しむようになった。加えて洲崎川緑道公園への眺望もなくなり、セールスポイントとして宣伝していたものと全く異なる状況となった。

後に隣地所有者が東急不動産に対して、建替え予定のあることを購入予定者に伝えるよう要望し、東急不動産が了承していたことが判明した。このため、消費者契約法違反(不利益事実の不告知)で、売買契約の取り消しと購入代金2,870万円の返還を求めて、20052月に東急不動産を提訴した。20068月東京地裁で全面勝訴、控訴審で3,000万円支払いを骨子とする訴訟上の和解が成立した。消費者契約法により不動産売買契約が取り消された先例となった。

訴訟上の和解成立後も、登記理由(「訴訟上の」の和解か単なる和解か)や登記手続きを巡って東急不動産との紛争は続いた。和解調書では登記原因を「訴訟上の和解」とすると明記していたが、和解調書履行時になって東急不動産は登記原因を「和解」とすると主張し、原告側が拒否すると3,000万円の支払いを拒否した。監督官庁である東京都都市整備局の指導により、ようやく支払いに応じた。東急リバブル・東急不動産は最初から最後まで嫌がらせ、不誠実な対応、お粗末な対応など、一流会社とは思えない態度だった。

不利益事実不告知だけでなく、竣工図隠しや系列管理会社東急コミュニティーによる杜撰な管理(点検回数の削減、駐車場料金を一般会計に算入)などの問題も発生した。管理規約違反である事務所使用の住戸があることも判明したが、東急コミュニティーは管理規約を是正するどころか、反対に事務所使用を容認する規約改正を理事会に提案した。しかし、共同住宅の場合のみ、廊下・階段等の共用部分面積を容積率算入対象から除外可能であり、事務所使用を認めるとアルス東陽町は建築基準法違反となる。これらの問題から管理組合は管理会社を変更した。

他にも欠陥施工や一級建築士資格のない無資格者(アトラス設計・渡辺朋幸)による構造設計なども判明した。施工瑕疵については、管理会社変更後、東急不動産の費用で修繕させた。東急不動産・東急リバブルの不動産トラブル事例は他にも多数存在する。

 

要旨

●だまし売り被害

アルス東陽町のセールスポイント「緑道(注:洲崎川緑動公園)に隣接するため、眺望・採光が良好!」「全戸角住戸!2面以上の開口・採光を確保!」「奥まっていて静か」

ところが、隣地建て替えによって「日中でも、深夜のように一面が真っ暗になってしまった」(訴状)。緑道公園も望めなくなった。通風が悪化したことから冬には結露が大発生し、窓のサッシが水溜りになり、溢れて流れ出てくるほどになった。

 

●東急リバブル東急不動産の不誠実な対応

担当者の頻繁な交代、居留守、たらい回し

担当者が提示した電話番号は虚偽だった(後に東急不動産提出証拠から判明):こちらから電話をかけても通じない筈である

担当者は一人しかいないと虚偽説明:その担当者は実はマンション建設に無関係な人物

→売ったら売りっぱなしで、購入者に泣き寝入りを迫る

 

●東急不動産の虚偽証拠

カタログから都合の悪いページを除外(31頁)

国土交通省に提出した報告書を改ざん(33頁)

販売時に原告に渡したものとは異なる図面集(36頁)

 

●東急不動産の不誠実な応訴態度

東急不動産代理人(3人のうちの1人)の個人的な都合(母親の危篤)で原告本人尋問の延期を要求(53頁)。延期させてしたことは証拠収集(65頁)

東急不動産代理人による、反対尋問に名を借りたプライバシー(年収、管理組合役員就任、家族構成)の暴露攻撃(61頁)

和解協議に応じておきながら一方的に破棄することによる時間稼ぎ(82頁)

期日の一週間前に送付すべき準備書面等を当日の朝に送付(85頁)

準備書面の誤字脱字(85頁)、証拠説明書の説明誤り(30頁)

証拠:原本を提出しない(29頁)、枝番を振らない(32頁)

訴訟上の和解履行時に和解調書を無視した条件を要求し、断られると3000万円支払い拒否(94頁)

 

●欠陥施工など

竣工図書と実物が齟齬:竣工図書は「網入型板ガラス(Dタイプ:2F洋室)×1、網入透明ガラス×6」と記述する。これによれば、網入型板ガラスは2階だけなので1枚、網入透明ガラスは3階〜8階までの各居室で6枚となる。しかし、実際は2階と3階が網入型板ガラスで、4階以上が網入透明ガラスである。これは東急不動産が隣地建て替えを知って、後から3階も型ガラスに変えたことの証拠になった。

排水通気管の口径が細く、排水時に通気不足で騒音になる(102頁)。

屋上ファンのダンパー開閉ハンドル箱内に水が溜まる。箱の底板に水抜き用の穴がないことが原因

エントランス天井排水管周りの漏水

エントランスのタイル・シール目地が固まっていないことによるタイルの染み

アスベスト含有:バルコニー、キッチン、ユニットバス

構造設計者が一級建築士資格を持たない無資格者であった(100頁)。

 

●東急コミュニティーの杜撰な管理

竣工図隠し、修繕積立金不足、管理委託契約違反、管理組合文書流出(105頁)

規約違反(事務所使用)を是正しないどころか、規約改正(事務所使用容認)を提案。しかし、事務所使用を認めるとアルス東陽町は共用廊下等を容積率に算入しなければならず、建築基準法違反となる。

→独立系管理会社にリプレースし、管理委託費を年間120万円節約・欠陥の是正(106頁)

 

●東急リバブル・東急不動産の不動産購入トラブル

東急不動産が分譲した「東急ドエル・アルス南砂サルーテ」(東京都江東区)が引渡し後、僅か4ヶ月で隣地の再開発により日照が零時間となった。購入時には「再開発計画などまったくない」「ここ5、6年で何か建つことはない」と説明。

売主の東急不動産らが重要事項(隣地建て替え)を説明せずに販売したとして、アルス横浜台町(だいまち)購入者が買戻し及び損害賠償を求めて東京地裁に提訴。分譲価格5220万円〜5720万円の住戸が売却査定では3100万程度にしかならなかった。

東急リバブル迷惑隣人説明義務違反:東急リバブルが兵庫県宝塚市の戸建て仲介に際して、隣人が大の子ども嫌いでトラブルを引き起こすことを説明しなかった。購入者が売主と東急リバブルを提訴し、大阪高裁平成16122日判決は456万円(物件価格の2割に相当)の損害賠償の支払いを命じた。

東急不動産が分譲したマンション(東急ドエルアルス某)で、ひび割れが多発し、耐震壁のひび割れは隣の住戸まで貫通していた。損害賠償を求めて、施工会社を提訴。

東急柏ビレジの戸建てでは1992年の入居以来、家族全員が眩暈を起こすほどの揺れと軋み。根太の大きなひび割れと床板の釘打ち手抜きが発覚。

東急リバブルの仲介で購入した千葉県の戸建てが欠陥住宅であった。欠陥内容は土台の腐食、雨漏り、羽蟻の大発生、白アリの被害、掃除のできない窓ガラス(ペアガラス内部の汚れ)などである。

神奈川県で東急電鉄(東急リバブル、東急ホームズ)から建築条件付き土地を購入したが、重要事項説明に誤りがあった。重要事項説明書では「防火指定なし」としていたが、実は敷地内に「準防火地域」が含まれることが判明、窓などの住宅の改築が必要になった。東急リバブルは市に用途地域を確認した際に地番を明示しての確認を行わなかったため、準防火指定について具体的な明示が得られなかったと主張。

東急リバブルのアルス東陽町仲介で2度も虚偽広告:間取り図、用途地域、駐車場料金など。

 

東急不動産だまし売り裁判報告

『東急不動産だまし売り裁判』について報告させていただきます。資料は2種類あります。まず、林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』と書かれているA4横の資料です。これは200911月の景観ネット首都圏交流会で使用したもので、短時間で発表するために1枚に凝縮されています。まず、この資料を使って概要を説明します。続いて両面印刷されたプリントで、今回の研究用に作ったレジュメです。これがメインになります。

それではA4横の資料から説明します。

東急不動産だまし売り裁判とは売主の東急不動産と販売代理の東急リバブルが不利益な事実を隠して新築マンションのアルス東陽町301号室をだまし売りした裁判事件です。不利益な事実とはマンションの隣の土地がマンション建設後に工務店の作業所兼住居に建て替えられるという事実です。建て替えによって、301号室は日照・通風・眺望がなくなります。また、工務店であるために騒音も発生します。隣の土地といっても写真にあるように道路を挟んでのものではなく、同じ敷地内にあります。1メートルもあるかないかという手を伸ばしたら届く距離に壁ができることになります。

引渡し後に真相を知った購入者は、不利益事実不告知を定めた消費者契約法第4条第2項に基づき、売買契約を取り消し、売買代金2870万円の返還を求めて、20052月に東急不動産を提訴しました。東京地裁は2006830日に判決を出し、東急不動産に売買代金全額の支払いが命じられ、購入者の全面勝訴となりました。控訴審で3000万円の支払いを骨子とする一審判決に沿った内容で訴訟上の和解が成立しました。訴訟上の和解は200612月に成立し、控訴審では1度も口頭弁論が開かれませんでした。東京地裁判決は消費者契約法により不動産売買契約が取り消された先例として、『不動産取引判例百選』にも紹介されています。

 

デベロッパーとの闘いのポイント

デベロッパーとの闘いのポイントを挙げます。

最初にマンション建設反対運動との共通性です。このだまし売りは近隣住民との約束違反が出発点になっています。実は隣の土地の所有者はアルス東陽町建設時に東急不動産に、アルス東陽町建設後に隣地を建て替えること、作業所であるために騒音が発生することを説明しました。そして後でトラブルにならないようにマンション購入検討者に建て替えを説明するように求め、東急不動産は了承しました。

しかし、販売時には建て替えを説明せず、だまし売りしました。約束が反故になる、地域との取り決めがマンション購入者に引き継がれないというケースはマンション建設紛争でもよくあります。この事件も同じ問題です。

続いて近隣対策屋(地上げブローカー)の暗躍があります。これもマンション建設反対運動と同じです。アルス東陽町は地上げブローカーが地上げをして東急不動産に転売したものです。地上げをしたことについては証人尋問で明らかになっています(57頁)。東急不動産は渋谷区桜丘町でも地上げ屋から雑居ビルを購入しています。渋谷の雑居ビルではテナントの日焼けサロン経営者に立ち退きを迫り脅したとして、暴力団員や不動産会社役員が暴力行為法違反の疑いで逮捕されています。

アルス東陽町の敷地は真四角ではなく、写真にあるように角部分が工務店の敷地です。また、反対側の角にも民家があります。等価交換などを求めたのですが、結局、地上げに失敗しました。1月の景観ネット首都圏交流会で西浅草3丁目計画の話がありました。ここでも敷地の幾つかを買収できなかったという話が出ました。トラブルになるマンションというのは、どこかで無理をしているのではないかと思います。

アルス東陽町では地上げの担当者が東急不動産転売後も近隣対策の窓口になりました。この近隣対策屋が私の裁判でも暗躍しました。近隣対策屋が裁判で提出した陳述書では、マンション購入の契約日や引渡し日まで書かれていました(31頁)。これらは近隣対策屋が知る筈がない事実です。

また、この近隣対策屋が原告の弁護士に独自に接触し、さらには私の勤務先にまで圧力をかけにきました。これに対して、原告は近隣対策屋を相手にせず、東急不動産に内容証明郵便で抗議しました。これによって近隣対策屋の嫌がらせはなくなりました。但し、サイゾーの記事にありますように嫌がらせ紛いの不動産勧誘電話のように、より陰湿になりました。

裁判では東急不動産の虚偽を徹底的に追及しました。きちんと調査すると姑息な操作をしていることが分かりました。この点はレジュメで詳しく説明します。

また、東急グループの嫌がらせも酷かったです。裁判中であるのに東急リバブルから(住み替えを勧めるダイレクトメールが送付されました。また、原告本人尋問では家族や年収の暴露攻撃を受けました。これはレジュメでも説明します。管理会社の東急コミュニティーに竣工図を求めたところ、「存在しない」と虚偽の回答をされました。

これらに対しては原告陳述書で詳細に反論し、インターネット上で公表しました。これをきっかけの一つとして、東急への批判が増大し、炎上と報道されました(「ウェブ炎上、<発言>する消費者の脅威」週刊ダイヤモンド20071117日号39頁)。東急リバブルではなく、東急トラブルではないかと思えるくらい、東急の不動産購入トラブルがあることはレジュメで述べます。

 

東急不動産だまし売り裁判の特徴

この資料の最後に書籍『東急不動産だまし売り裁判』を書きました。『東急不動産だまし売り裁判』は非公開の弁論準備手続きを含め、裁判のやり取りを生々しく再現したことが特徴です。二子玉川再開発差し止めの裁判では口頭弁論のダイナミズムを見せようと原告の弁護士は努力されていますが、多くの裁判では口頭弁論よりも外からは見えにくい弁論準備手続で方向性が決まるという面があります。好ましいこととは思っていませんが、それが現実になっています。その弁論準備手続のやり取りを描き出した点で大きな意義があると考えます。

 

東急不動産だまし売り裁判レジュメ

それではレジュメに移ります。

レジュメでは最初に「だまし売り被害」と題して、「だまし売り」によって具体的に受けた被害を説明します。次に「東急リバブル東急不動産の不誠実な対応」として、裁判に至るまでの東急リバブル及び東急不動産の不誠実な対応を説明します。続いて「東急不動産の虚偽証拠」として、裁判で東急不動産が提出した証拠の虚偽を明らかにします。「東急不動産の不誠実な応訴態度」では、裁判でもなされた東急不動産の不誠実な対応について述べます。

次からは裁判とは少し離れます。「欠陥施工など」では裁判の主要争点にはなりませんでしたが、東急不動産のマンションで次々と明らかになった施工上の問題を説明します。「東急コミュニティーの杜撰な管理」ではマンション管理の問題を取り上げます。

最後に「東急リバブル・東急不動産の不動産購入トラブル」では『東急不動産だまし売り裁判』以外でも起きている東急絡みの不動産購入トラブルを紹介します。レジュメに書かれたページは『東急不動産だまし売り裁判』のものになります。

 

東急不動産だまし売り被害

それでは最初に「だまし売り被害」です。アルス東陽町は環境面の良さをセールスポイントとしていました。

パンフレットやチラシには「緑道に隣接するため、眺望・採光が良好!」「全戸角住戸!2面以上の開口・採光を確保!」と謳っていました。緑道とは洲崎川緑動公園という桜並木の公園です。パンフレットも緑色を背景色とし、樹木の絵を掲載するなど、都市型マンションではなく、自然環境をアピールしていました。

また、販売担当者は「奥まっていて静か」と説明しました。アルス東陽町の数ブロック先には永代通りや大門通りという大通りがあるのですが、そのいずれとも直接は接しておらず、静かであることを意味しています。

ところが、隣地建て替えによって、日中でも深夜のように一面が真っ暗になってしまいました。これは訴状にある表現です。緑道公園も望めなくなった。通風が悪化したことから冬には結露が大発生し、窓のサッシが水溜りになり、溢れて流れ出てくるほどになった。また、工務店になったために騒音も発生し、大通りから離れているというメリットは相殺されました。

腹立たしさを通り越して情けなく思ったことは東急不動産が、これらの被害について有効な反論をしなかったことです。東急不動産は日照や眺望をセールスポイントとしていなかったと主張しました。日照や眺望がセールスポイントでなかったならば、何がセールスポイントであるのかが問題になりますが、それについては何も答えません。「東急不動産のマンションには何のセールスポイントもない屑物件です」と主張していることに等しいことになります。東急不動産が自社の物件に何の誇りも持っていないことが分かりました。

立証の点ではセールスポイントが明記されたパンフレットやチラシを証拠として提出しました。また、絶対の自身があったために東急リバブルの販売担当者を敵性証人として申請しましたが、東急不動産が原告の主張否定していないということで裁判官により不要と判断されました(47頁)。

 

東急リバブル東急不動産の不誠実な対応

次に「東急リバブル東急不動産の不誠実な対応」です。

ここでは裁判に至るまでの東急リバブルと東急不動産の不誠実な対応を説明します。

東急リバブルも東急不動産も担当者の頻繁な交代、居留守、たらい回しにより、とにかく逃げ回ることしか考えていませんでした。都合が悪くなると担当者が交代します。そして前任の担当者との約束は反故にします。東急リバブルも東急不動産も社会人としての基本がなっていない会社でした。

特に東急不動産の担当者と名乗ってきた人物は最低でした。そのダイヤルインと書かれた電話番号にかけても一度も通じることがありませんでした。何故ならば、その番号は虚偽だったからです。後に裁判で東急不動産が提出した証拠に、その担当者の電話番号が書かれており、それが消費者に提示した番号とは別物であったために虚偽であることが判明しました。虚偽の電話番号を提示することで、直接連絡が取れないようにしました。

その担当者とは全く連絡が取れないために、アルス東陽町について関係している人を出すように求めましたが、「担当者は一人しかいない」と虚偽説明しました。担当者として課長が2人も存在することが後で判明します。

しかも、東急不動産が担当者と指定した人物はアルス東陽町の建設に全く関係していない人物であることも判明しました。何も知らない人物を表向きの担当とすることで、全て「知らない」と答えることになり、都合の悪いことをごまかそうとするものです。

結論として東急リバブルや東急不動産の姿勢は売ったら売りっぱなしで、購入者に諦めさせ泣き寝入りさせるものでした。

 

東急不動産の虚偽証拠

続いて「東急不動産の虚偽証拠」です。

裁判で東急不動産は証拠を提出しましたが、それらは虚偽の細工がなされたものでした。ここでは3点指摘します。

1に窓ガラスのカタログから都合の悪いページを除外した証拠を提出しました(31頁)。アルス東陽町301号室では、建て替えられた隣の土地に面している部屋の窓は型ガラスでした。型ガラスは曇りガラスの方が分かりやすいと思いますが、光は通したいが、視界は遮りたいという場合に使用されるガラスです。

東急不動産は型ガラスであることを根拠に、最初から「眺望、採光、景観等企図していない」というトンデモ主張を行いました。その証拠として型ガラスのメーカーのカタログを証拠としたのですが、このカタログには型ガラスの「主な用途」に「展望台のエレベーターのかごの窓」や「ベランダ」を挙げていました。採光・眺望と飛散防止・耐久性を兼ね備えたものが型ガラスです。東急不動産は自らに都合の悪い箇所を除外して証拠にしましたが、原告は直接メーカーからカタログを入手して、反論しました。

2に東急不動産は国土交通省に提出した報告書を改ざんして提出しました(33頁)。実際の報告書の文言を改変し、存在しない文言を追加しました。

3に販売時に原告に渡したものとは異なる図面集を提出しました(36頁)。それによって日照や眺望をセールスポイントとしていないと主張しましたが、原告に配布した図面集は別物でした。東急不動産が証拠として提出したパンフレットは201号室と204号室が逆になっている、建築確認日が着工後の平成15812日になるなど、ありえない間違えがありました。裁判用に作成したものであることをうかがわせるものでした。

これらの虚偽は実物と丹念に見比べることで相違点を発見しました。

 

東急不動産の不誠実な応訴態度

続いて「東急不動産の不誠実な応訴態度」です。東急不動産は裁判でも不誠実でした。

東急不動産代理人(3人のうちの1人)の個人的な都合で原告本人尋問の延期を要求しました(53頁)。延期させてしたことは新たな証拠収集でした(65頁)。母親の危篤という理由でしたが、それ自体疑わしいと思っています。

原告本人尋問では東急不動産代理人が反対尋問に名を借りた原告のプライバシーの暴露攻撃をしました(61頁)。東急リバブルや東急コミュニティーが保持する個人情報である年収、管理組合役員就任、家族構成を暴露しました。

また、東急不動産は和解協議に応じておきながら一方的に破棄することによる時間稼ぎもしました(82頁)。

さらに期日の一週間前に送付すべき準備書面等を当日の朝に送付することもしました(85頁)。これは『東急不動産だまし売り裁判』では最後の方に書かれていますが、一週間前に送付したのは最初の時だけです。一週間前に出して、次の弁論準備手続で証拠の改ざんなどが指摘されたために、ギリギリに出すという姑息な手を使ったものと考えています。

東急不動産には裁判手続を軽んじているような振る舞いもありました。準備書面の誤字脱字(85頁)や証拠説明書の説明誤り(30頁)、証拠の原本を提出しない(29頁)、証拠に枝番を振らない(32頁)などです。

極め付けは訴訟上の和解履行時に和解調書を無視した条件を要求し、断られると3000万円の支払いを拒否したことです(94頁)。

 

東急不動産物件の欠陥施工など

次に「欠陥施工など」です。

最初に竣工図書と実物に齟齬がありました。竣工図書では「網入型板ガラス(Dタイプ:2F洋室)×1、網入透明ガラス×6」と記述します(株式会社SHOW建築設計事務所「建具表-22003131日)。これによれば、網入型板ガラスは2階だけなので1枚、網入透明ガラスは3階〜8階までの各居室で6枚となります。しかし、実際は2階と3階が網入型板ガラスで、4階以上が網入透明ガラスでした。これは東急不動産が3階建てへの隣地建て替えを知って、後から3階も型ガラスに変えたことの証拠になりました。

他にも図面上窓の大きさが同じであるのに、実測すると区々であるなどの齟齬がありました。

排水通気管の口径が細く、排水時に通気不足で騒音になるという問題がありました。これは『東急不動産だまし売り裁判』で詳しく書いています(102頁)。この問題は入居当初から苦情が出ていましたが、アフターサービスで無視され続けていた問題です。

屋上ファンのダンパー開閉ハンドル箱内に水が溜まるという問題もありました。箱の底板に水抜き用の穴がないことが原因です。

エントランス天井排水管周りの漏水とエントランスのタイル・シール目地が固まっていないことによるタイルの染みは、竣工時からの問題ですが、東急不動産のアフターサービスの点検では無視され、管理会社を独立系管理会社に変えてから対応した問題です。

アスベストがバルコニーやキッチン、ユニットバスで含有されていることも分かりました。具体的にはルーフバルコニーの押出成型セメント板、バルコニー隔壁のフレキシブルボード、キッチン上台のセメントボード、ユニットバスのセメントボード・接着剤です。

耐震強度偽装事件の余波で構造設計者が一級建築士資格を持たない無資格者であったことも分かりました(100頁)。

 

東急コミュニティーの杜撰な管理

次に「東急コミュニティーの杜撰な管理」です。

竣工図隠しは、住民が東急コミュニティーに竣工図の閲覧を求めたところ、存在しないとの虚偽の回答をされた問題です。実際は東急コミュニティーの事務所に保管していました。事務所に保管すること自体が管理委託契約違反です。

修繕積立金不足は、東急コミュニティーが実際は一般関係に算入されている駐車場・駐輪場料金を修繕積み立て会計に算入して長期修繕計画を立てたために、実際は築10年目に最初の大規模修繕で1000万円強の赤字になるという問題です。これが管理会社変更の出発点になりました。

様々な管理委託契約違反もありました。宅配ボックスの定期点検回数は年4回ですが、実際は年1回しか実施していませんでした。ホームセキュリティー業務として各専有部分の侵入警戒を実施することと定めていますが、実際は一戸の専有部分しか侵入警戒を実施していませんでした。

管理組合文書流出は管理組合の文書が東急コミュニティーによって別の管理組合に渡されたという問題です(105頁)。

アルス東陽町では管理規約で事務所使用を禁止していましたが、事務所として使用している住戸がありました。ところが、東急コミュニティーは規約違反(事務所使用)を是正しないどころか、反対に事務所使用を認める規約改正を理事会に提案しました。

この事務所使用を認める規約改正という提案が実に無責任なものでした。アルス東陽町では共同住宅の共用廊下等の部分に係る容積率の不算入措置を受けています。事務所使用されるならば、「共同住宅の共用廊下等の部分」の面積(内廊下等)が容積対象面積となってしまいます。その結果、現行法定容積率を上回り、建築基準法違反となり得ます。

 

議事録素案を作成しないなど東急コミュニティーの細かな問題は枚挙に暇がなく、「杜撰な管理」だけで1つのテーマになるほどです。これらの問題があったために管理組合では独立系管理会社にリプレースしました。管理委託費を年間120万円も節約できました。また、管理会社変更によって東急コミュニティーが駐輪場料金を正しく徴収していないなど新たな問題も判明しました。さらに東急コミュニティーの点検では指摘されなかった共用部の欠陥も指摘され、是正されました(106頁)。

価格は安くてサービスは良くなるという良いこと尽くめの管理会社変更です。だまし売りや欠陥住宅は既に行われた契約を覆す戦いになります。好ましいとは思っていませんが、既成事実を無批判に尊重する日本では大変な戦いになることは事実です。それ故に契約を取り消しして売買代金を取り戻した『東急不動産だまし売り裁判』の意義は大きいと考えます。

これに対して、管理会社との契約は継続していくものであり、切り替えることは相対的に容易です。デベロッパー指定の管理会社の言いなりにならず、積極的にリプレースしていくべきと思います。

 

東急リバブル・東急不動産の不動産購入トラブル

最後の「東急リバブル・東急不動産の不動産購入トラブル」です。

ここでは『東急不動産だまし売り裁判』から離れて、他の購入トラブルを紹介します。『東急不動産だまし売り裁判』が特殊事例ではなく、氷山の一角に過ぎないことがお分かりいただけたと思います。

最初に「東急ドエル・アルス南砂サルーテ」の日照0時間マンションです。東急不動産が分譲した東京都江東区のマンションが引渡し後、僅か4ヶ月で隣地の再開発により日照が零時間となったために、購入者と東急不動産の間で説明責任をめぐってトラブルになりました。

購入者の多くが、購入前に日照のことを気にして、再開発計画のことを確認しています。しかし、「再開発計画などまったくない」「ここ5、6年で何か建つことはない」などと言い切られたといいます。その後の交渉で東急側は「再開発計画のことは知らなかった」と主張。再開発事業の事業主への事実確認すらしていなかったと説明しました。

 

次にアルス横浜台町(だいまち)の裁判です。これは東急不動産だまし売り裁判に非常に似ている事件です。売主の東急不動産・伊藤忠商事が重要事項(隣地建て替え)を説明せずに販売したとして、アルス横浜台町(19974月竣工)の購入者が、買戻し及び損害賠償を求めて東京地裁に提訴しました。

事前に隣地マンションのオーナーは東急不動産に対し、建替え計画をアルス横浜台町の購入者に重要説明事項に記載・説明の上で販売すること、南側にどのような大きなマンションが建てられてもアルス購入者から苦情が出ないように予め周知・警告することを求めました。東急不動産は了解し、書面で協約しました。

しかし、東急不動産は購入者に説明しませんでした。入居1年で隣地は9階建てに変貌しました。アルス横浜台町の建物から僅か1.7mの手が届きそうな位置にあり、アルス横浜台町の1階から4階までの南側は完全に覆われました。分譲価格5220万円〜5720万円の住戸の住戸が売却査定では3100万程度にしかなりませんでした。

 

東急不動産が分譲したマンション「東急ドエルアルス某」で、ひび割れが多発するという問題もあります。耐震壁のひび割れは隣の住戸まで貫通していました。損害賠償を求めて、施工会社を提訴したとのことです。

東急不動産が1997年に分譲。販売代理:東急リバブル、施工:木内建設、6階建て36戸

 

東急柏ビレジの戸建てでは1992年の入居以来、家族全員が眩暈を起こすほどの揺れと軋みが起きました。調査によって根太の大きなひび割れと床板の釘打ち手抜きが発覚しました。ドアの開閉不良、居間の南側窓の開閉・施錠困難なども確認されています。

東急リバブルの仲介で購入した千葉県の戸建ても欠陥住宅でした。欠陥内容は土台の腐食、雨漏り、羽蟻の大発生、白アリの被害、掃除のできない窓ガラス(ペアガラス内部の汚れ)などです。

 

東急リバブル迷惑隣人説明義務違反というケースもあります。東急リバブルが兵庫県宝塚市の戸建て仲介に際して、隣人が大の子ども嫌いでトラブルを引き起こすことを説明しなかった問題です。購入者が売主と東急リバブルを提訴し、大阪高裁平成16122日判決は456万円(物件価格の2割に相当)の損害賠償の支払いを命じました。

 

神奈川県では東急電鉄(東急リバブル、東急ホームズ)から建築条件付き土地を購入したが、重要事項説明に誤りがあったケースがあります。重要事項説明書では「防火指定なし」としていましたが、実は敷地内に「準防火地域」が含まれることが判明しました。その結果、窓などの住宅の改築が必要になりました。

 

最後に東急リバブルはアルス東陽町の仲介で2度も虚偽広告を出しています。

間取りについては1LDK+DENを広告では2LDKと表示し、広く見せようとしました。

用途地域については第一種住宅地域と商業地域からなるにも関わらず、広告では第一種住宅地域とのみ表示しました。

駐車場料金については月額30000〜32000円であるにもかかわらず、広告では月額僅か600円としました。