都民参加への模索連絡会シンポと現実政治

林田力

都民参加への模索連絡会(とも連)「シンポジウム 地域から民主主義をつくる − 市民派首長による市民自治の試み −保坂展人世田谷区長・阿部裕行多摩市長を囲んで」が2014年5月24日、東京都渋谷区の千駄ヶ谷区民会館で開催された。私は都民参加への模索連絡会世話人としてシンポジウム開催に携わった。以下はシンポジウムの私的総括である。

シンポジウムで垣間見えたものは、市民派首長の問題意識や関心領域である。市民派首長と名付けて勝手に親近感を抱いていたが、日々現実政治に取り組んでいる首長とは意識の差があった。その差は当選した市民派首長と東京都知事選挙を制することができなかった都民参加への模索連絡会との差とも言え、それを認識することは都民参加への模索連絡会にとって有意義である。

阿部市長の言葉の端々には税金の無駄遣いの削減など行政改革を進めたことの自負があった。これはシンポジウムだけの話ではなく、阿部市長のウェブサイト「多摩の未来をつなぐ会」でも実績ページで「財政の健全化」と「職員人件費の削減」を掲げている。この姿勢と実績があるからこそ、阿部市長は無党派層さらには自民党からも支持されている。

保坂区長は都営住宅の現状についての問題提起に対して、空き家活用で答えた。既存制度の維持を要求するのではなく、住まいの提供という目的志向でできるところから解決策を考えている。「福祉の原点は住宅制度」との保坂区長発言も、施設の維持拡大に傾きがちな福祉政策を反省させるものである。

脱原発についてもイデオロギー的なものではなく、電力自由化・自然エネルギー推進の話が中心であった。保坂区長は電力入札によるコスト削減や家庭向けの電力自由化の制度設計などを話した。阿部市長は公共施設の屋上を使った太陽光発電を多摩市が推進することで、マンションへの太陽光発電設置に悩む住民を後押ししたいと語る。

これらは所謂市民運動の問題意識や関心領域とは乖離している。所謂市民運動家にパッションを持って行政改革を語る人がどれだけいるだろうか。市民派首長の現実政治への取り組みと対照的なものが、イデオロギーや運動の手段として政治に取り組む姿勢である。「イデオロギーに殉じる」「革命に殉じる」と言えば聞こえは良いが、現実政治は、もっと地に足がついたものである。

2014年東京都知事選挙に際して1.13東京連絡会(現:都民参加への模索連絡会)に消極的空気があったことは否めない。そこには現実政治への取り組みという姿勢が希薄に見えたことが一因ではないか。自分達のイデオロギーや運動のために選挙運動をしているだけで、現実政治を変えるつもりがないのではないかという白けた感覚である。

これは宇都宮健児候補と細川護煕候補の対立とは別次元の論点である。宇都宮陣営に対する批判として語られることが多かったことは事実である。以下の総括文は一例である。「宇都宮氏は、前回の2倍の得票を目指し、勝てなかったとしても運動を進める意義があるとして、前回より幅広い支持を得る構図とする戦略を持たぬまま出馬した」(東京をプロデュース「2012年都知事選〜2014年都知事選の結果を受けての東プロ総括」9頁)

一方で脱原発以外の争点を否定する細川陣営の脱原発至上主義が現実政治への取り組みとはとても言えない。脱原発をブレークスルーにして社会を変えるという空想に至っては脱原発小児病と表現できる。細川勝手連の統一戦線論は左翼イデオロギー臭が濃厚であった。細川陣営の方がイデオロギーや運動のための選挙であったと批判できる。

1.13東京連絡会世話人会も総括文書で宇都宮支持の価値判断を下している。「宇都宮候補は安倍政権と石原・猪瀬都政の転換を図る位置にあった。細川候補は反原発で宇都宮候補と政策を一致させられる可能性があったかもしれないが、安倍政権と対峙し石原・猪瀬都政を転換する政策を示し得たかは、不確かである」(7頁)

ただ、これは宇都宮候補か細川候補かの対立軸の中の議論に過ぎない。白けた感覚を有している人に対して、宇都宮候補の方が優れていることを説得できても、それは細川候補よりまし、全立候補者の中でましということにとどまる。積極的に応援する理由にはならない。このような感覚を抱えていた都民参加への模索連絡会にとって、市民派首長に現実政治への取り組み姿勢を語らせるシンポジウムは、その方向性の一つを提示するものとなった。

その上で現実政治の取り組みに問題意識がある人々に宇都宮氏の運動の評価を期待したい。宇都宮氏は最初からイデオロギーを超えた結集を志向している。宇都宮氏は運動を強調しているが、その運動はグレーゾーン金利撤廃など現実政治を変える取り組みであった。旧来の自己満足型の運動と同一視できない。細川陣営との対決も旧来型の運動論との対決と位置づけることができる。東プロ総括のように映った側面がないとは言わないが、それを否定する要素がある。都民参加への模索連絡会の志向する現実政治への取り組みと宇都宮氏流の運動論は大きく重なると考える。

地域から民主主義をつくる


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