東京都知事選挙出馬不意打ち論

林田力

2014年東京都知事選挙では出馬表明フライング論が出たが、論者の主張を吟味すると、むしろ「不意打ち論」と称した方が相応しいように考える。フライングという命名によって損している。フライング批判に対しては「フライングは存在しない」と応答することになる。出馬希望者が候補者調整という役回りを負わなければならない筋合いはない。

もし問題の本質がフライングであるとしたら、出馬表明を後にすれば問題ないことになる。現実に年明けに出馬表明すれば団結できたとの見解もある。しかし、それは根底にある、より幅広い支持が得られる候補者という問題意識を隠してしまう。こちらの方が今後の候補者擁立で検討されるべき重たい問題である。

他候補擁立で動いていた人々にとって、出馬表明しないと思っていた人が出馬表明したために、出馬表明を不意打ちと受け止め、わだかまりを抱いたということは理解できる。

宇都宮健児氏の出馬表明は他候補の出馬を妨げるものではない。それにもかかわらず、出馬表明を裏切りのように受け止める声が出る理由は、他候補擁立グループが「あなたが出馬表明すれば、宇都宮氏も支持する」という形で説得していたためである。それが騙りではなく、根拠のあるものならば出馬表明が不意打ちになったと言うことはできる。

管見は出馬表明を支持する立場である。批判者が自覚的にフライングという表現を使用するならば、それを尊重すべきであり、「フライングではなく、不意打ちではないか」と言ったところで仕方がないが、不意打ちの方が理解しやすい。

フライングは絶対的客観的なルールである。もしフライングがあったならば、万人にとってフライングになる。実際は早くから出馬を期待していた人々、出馬表明を歓迎した人々、出馬表明が遅すぎたと主張する人々がいる。故にフライングであることを納得させることは無理である。不意打ちならば、ある人々にとっては不意打ちであったと認めることは可能である。

私は候補者擁立で動いていた人から2013年12月25日が他候補擁立の締め切りと聞いていたために、28日の出馬表明は予定調和であった。東部勝手連有志は26日に宇都宮健児氏出馬を期待する表明をしている。速やかに出馬表明することが選挙戦を進める上で必要との問題意識があった。

一方で事後的に情報を整理すると、他候補擁立のグループは25日に説得相手に初めて会っている。事前に十分に根回しした上での儀礼的会見でもない。最短で25日に決まるという楽観論から、とりあえずの締め切りという感覚であったように感じる。そこは25日を言葉通りのデッドラインと受け止め、それを過ぎたら、青い鳥探しから選挙戦に切り替える立場とはギャップがあった。

そのギャップは結局のところ、何が何でも幅広い支持を得られる別の候補者を擁立したいという思いの強弱に帰着する。候補者に知名度を求める有名人主義は宇都宮氏が当初から反論している。政策勝負で幅広い支持を得ることも細川護煕候補を上回ることで結果を出した。

東京都知事選挙と幅広い支持

2014年東京都知事選挙は幅広い支持を得るという課題を改めて突きつけた。一般に宇都宮健児支持層は「孤立を怖れず前進を」のゴーイングマイウェイ路線で、細川護煕支持層は妥協を恐れず、広汎な連携を志向したと整理される傾向にある。確かに宇都宮支持層の中に孤立路線がないとは言わない。その限りでは宇都宮支持層も幅広い支持を得るという問題意識を受け止めるべきである。

幅広い支持を得るための左派のオーソドックスな戦略は、自分達よりも少し右寄りの人々と連携することであった。これを右隣への支持拡大戦略と名付ける。これは細川支持の論理にもなった。この戦略は一見すると合理的に見えるが、経験的に見て成功確率は低い。この戦略の問題点は、政策の重心もシフトしてしまう反作用があることである。細川陣営の脱原発至上主義は、その最も悪い形である。

右隣への支持拡大戦略を採る人々からすると、宇都宮支持層は独善的な孤立主義に映り、批判したくなる。しかし、宇都宮選挙では右隣への支持拡大戦略では考えられないような支持を得ることができた。宇都宮氏か田母神俊雄氏かで迷ったという人々である。右隣ではなく、何段も飛び越えた人々に訴求した。これは画期的なことである。この成果が今回限りでは勿体ない。

これは2012年宇都宮選挙の革新共闘や細川支持者が求めた人民戦線路線では支持を得にくい。たとえば市民派の結集軸として護憲の声が強いが、戦後日本社会で割を食っている人々にとっては護憲運動も既得権益擁護の運動との見方が成り立つ。そのような人々には護憲ではなく、「働きやすく、くらしやすい希望のまち」を前面に出したから訴求した。

公約の第一番に「働きやすく、くらしやすい希望のまち東京をつくります」を掲げ、ブラック企業規制や反貧困など本気の取り組みを示したから支持された。その人々の生活を守るという断固とした姿勢が、日本を守ると主張する田母神候補に魅力を感じた人々にも支持された。

幅広い支持という問題意識に立つならば、このような人々の支持を継続的に得ていくことが最重要の課題になる。


     
【既刊】『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』『東急不動産だまし売り裁判購入編』『東急不動産だまし売り裁判2リバブル編』『東急不動産だまし売り裁判3』『東急不動産だまし売り裁判4渋谷東急プラザの協議』『東急不動産だまし売り裁判5東京都政』『東急不動産だまし売り裁判6東急百貨店だまし売り』『東急不動産だまし売り裁判7』『東急不動産だまし売り裁判8』『東急不動産だまし売り裁判9』
『東急不動産だまし売り裁判10証人尋問』『東急不動産だまし売り裁判11勝訴判決』『東急不動産だまし売り裁判12東急リバブル広告』『東急不動産だまし売り裁判13選挙』『東急不動産だまし売り裁判14控訴審』『東急不動産だまし売り裁判15堺市長選挙』『東急不動産だまし売り裁判16脱法ハーブ宣伝屋』『東急不動産だまし売り裁判17』『東急不動産だまし売り裁判18住まいの貧困』『東急不動産だまし売り裁判19ダンダリン』
『東急不動産だまし売り裁判訴状』『東急不動産だまし売り裁判陳述書』『東急不動産だまし売り裁判陳述書2』『東急不動産だまし売り裁判陳述書3』
『東急大井町線高架下立ち退き』『東急不動産係長脅迫電話逮捕事件』『東急コミュニティー解約記』『東急ストアTwitter炎上』『東急ホテルズ食材偽装』
『裏事件レポート』『ブラック企業・ブラック士業』『絶望者の王国』『歌手』『脱法ハーブにNO』『東京都のゼロゼロ物件』『放射脳カルトと貧困ビジネス』『貧困ビジネスと東京都』
『二子玉川ライズ反対運動1』『二子玉川ライズ反対運動2』『二子玉川ライズ反対運動3』『二子玉川ライズ反対運動4』『二子玉川ライズ反対運動5』『二子玉川ライズ住民訴訟 二子玉川ライズ反対運動6』『二子玉川ライズ反対運動7』『二子玉川ライズ反対運動8』『二子玉川ライズ反対運動9ブランズ二子玉川の複合被害』『二子玉川ライズ反対運動10』『二子玉川ライズ反対運動11外環道』『二子玉川ライズ反対運動12上告』

Yahoo! Japan
林田力 東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った 東急不動産係長脅迫電話逮捕事件 二子玉川ライズ反対運動 東急リバブル広告 東急ストアTwitter炎上 東急ホテルズ食材偽装 東急ハンズ過労死 ブラック企業・ブラック士業 脱法ハーブにNO 東京都のゼロゼロ物件 東急不買運動 東急リバブル東急不動産不買運動 アマゾン ブログ ツカサネット新聞 リアルライブ 本が好き v林田力 家計簿 ワンピース 韓国 江東区長選挙 東陽町 世田谷区 Hayashida Riki hayariki tokyufubai amazon wiki wikipedia facebook