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林田力 価格規制 2000.4.19

Vickers, J., Regulation, Competition, and the Structure of Prices, in Helem, D. & Jenkinson, T., Competition in Regulated Industries (Oxford: OUP, 1998)
John VickersはOxford大学政治経済学教授、All Souls College特別研究員で、Harvard、Princeton、Londonビジネススクールの客員でもある。加えて民営公益事業規制についてのHansard委員会メンバー、Oftel顧問である。著書にPrivatization(G. Yarrowとの共著 1988)、Regulatory Reform(M. Armstrong, S. Cowanとの共著 1994)。

1 Introduction
規制産業における競争政策は3つの視点を持つ。構造、自由化、行為規制である。構造政策には分割決定を含む。自由化政策とは参入障壁の除去である。行為規制は支配的企業に価格設定やその他の行為を強制することである。最も重要なのは独占力ある企業による価格設定をいかに規制するかの問題である。
本論の目的は規制産業における多角的企業によって設定される価格構造に関する政策的問題のための理論的背景を提供することである。規制産業に対する多くの競争政策はこの問題に含まれるし、価格とは関係ない企業行動についての経済原理もまたしばしば価格についての企業行動と類似するからである。

2 Ramsey Pricing Benchmark
価格構造の問題が難問なのはそれが矛盾する複数の目標を抱えているからである。大部分の規制産業において言えることだが、限界費用価格が全てのコストを含んでいなければ、規模の経済が働く。効率的な資源の配分には価格が限界費用に等しくなっていなければならないが、上記の場合だと事業者は赤字となる。収支を均衡させなければならないならば、この制約の下での最適価格が問題となる。これがRamsey価格で、逆弾力性ルールで説明される。
自由化されると、価格構造政策は効率的企業の参入を妨げ、非効率企業の参入や肥大化を誘引することによって効率的な競争を歪めかねない。更に価格政策に社会的・政治的目標(e.g.生活必需品の全国統一料金)も加味されると緊張はより高まる。cream skimmingの可能性があるからである。これに対してはuniversal service基金等が対策として考えられる。価格構造におけるこのような緊張はネットワークアクセス料金において先鋭化する。

3 Pricing Discretion and the Problem of Information
正確な価格政策を行うためには費用や需要についての多くの情報が必要である。これが価格政策を困難にするもう一つの原因である。規制企業は一般に規制当局よりも多くの情報をもっている。しかも産業の状況は刻々と変化していく。それ故、企業に一定の価格を課すよりも企業に裁量を与える方が状況に適合するように思える。
企業に裁量権を与えるメリットは分散的な情報の利用を可能にする点である。これによって需給・コストを反映した柔軟な対応が期待できるが、企業が自由を濫用して競争制限的に用いる危険もある。そのため価格設定の自由は多かれ少なかれ明白な規制によって制限されるのが普通である。例えば上限を定めるprice cap制や価格差別の禁止等がある。内部補助や略奪的価格を禁ずるためには上限だけでなく下限の価格規制も採られる。
価格差別には例えばコストの異なる地域別に料金を変えることがある。固定費を賄う必要がある場合、最適価格は一般に価格差別を伴う。又、両者が競合関係にない限り、大口顧客への割引は小口の顧客の利益を害さずになされうる。価格差別の禁止は価格を下げるならば全分野で下げなければならなくなるため、略奪的価格のコストを増大させる。しかしそれは同時に競合企業に対する競争促進的な対抗措置を妨げかねない。

4 The Pricing of Inputs Sold to Competitors
ここでは卸売価格と小売価格の分析を行い、垂直的に統合された企業のもつ不可欠施設essential facilityに競業企業がアクセスするための条件について議論する。essential facilityへのaccess chargeはessential facilityの所有主体がその利用事業の主体と分離されているときでも十分複雑だが、両社が垂直的に統合されているときは問題が大きい。
垂直統合された支配的な企業は相当な条件が提示されてもアクセスを拒否して競業企業を排除しようとする。他方、ネットワークへのアクセス料金を過度に安く規制してしまうならば非効率な参入、cream skimmingの危険がある。これについてはefficient component pricing rule, ECPRとRamsey / global cap (Laffont-Tirole)によるアプローチがある。
低いアクセス料金は非効率な企業による過度の参入をもたらし、高いアクセス料金は効率的な競合企業の参入障壁となる。ECPRはコストに基づいて算出され、需要弾力性等の情報が要求されないという利点を持つ。しかしECPRは独占利潤を保護し分配の非効率をもたらすと非難される。
Laffont-Tiroleモデルは固定費を考慮する点で単純なECPRよりも普遍的であるが、Ramsey価格には大量の情報が必要であり非現実的と批判される。これに対してはアクセス料金と小売料金の適切なglobal price capを行えば、分権的な形でRamsey価格を実現できると反論する。そして非対称規制が起こしうる競争の歪みを回避できるとする。
ECPRとRamseyアプローチはかなり異なるが、両者の統合が試みられている。ある意味ではRamseyアクセス料金は特定の条件の加わったECPR価格と言える。

5 Price Control Under Partial Deregulation
規制緩和の流れは規制産業に対する価格規制も減少させる。その中であえて規制を残すのならばそれは競争と効率を歪曲しないように構築されなければならない。部分的規制撤廃の下ではECPRもprice capも修正を余儀なくされ、更に複雑化しよう。部分的規制撤廃の中で生じる価格構造の問題は重要視されつつあるが、まだ不十分である。

コメント

本論は規制産業における競争政策の中で価格に対する規制政策を採り上げる。規制には他にも品質規制や表示(開示)規制、参入規制等が考えられる。とりわけ表示規制は非競争制限的な規制であり、情報の非対称性を克服し、消費者本位の市場原理を機能させる手段として注目されている。しかし本論は自然独占性を有するとされる公益産業を対象とする。そこでは競争する複数の事業者という市場原理の前提自体が成立していないことが多い。規制緩和が進められているが、独占性や寡占性が維持され競争が必ずしも適切に機能しない分野も残っているため、公益産業では規制下の競争という環境に置かれている(根岸哲・経済法(放送大学教育振興会2000)239)。従って規制regulationによって独占利潤を制御し、fair and reasonableな価格を形成する必要があり(縄田栄次郎・公益産業論序説(千倉書房1986)208)、その理論的背景の考察は有益である。

公益事業
原則として政府は市場に介入すべきではない。それは市場を歪めるからである。自己の財産権を自由に行使できるようにすることが、各人に自己の効用が最も高くなるような形での取引を可能し、本人に最大の利益をもたらす(佐藤公俊「連邦制と『統合された市場』」法学政治学論究43(1999)285)。
しかし全ての財が市場によって有効に供給されるとは限らない。合理的経済人は自らの利益のみを追求する存在だから、たとえ広く社会に便益を及ぼす財でも貨幣的収益の形で報酬を得ることができなければ誰もその財を提供しようとはしないだろう(川浦孝恵・現代世界と経済(八千代出版1995)44)。例えば公共財public goodsは財の分割不可能性indivisibilityと消費の非排除性non-exclusivenessのために負担者と受益者が一致せずfree riderが生じてしまう。この結果、各人の個別的合理性に任せると公共財は供給されず社会的に非効率となる(囚人のジレンマ。佐藤公俊「国家論の一考察」法学政治学論究40(1999)350)。そのため公共財の供給は政府の任務になる。他方、公共財的性質を有する知的財産は政府が創作者に支配権を保障することで排他性を持たせている(田村善之「デジタル化時代の知的財産法制度」ジュリ1057(1994)55)。
公益事業(e.g.鉄道、電力、ガス、電気通信)も社会資本social overhead capitalとしての側面があり、政府は自らこれらの事業を経営したり、私財をなげうってこれらの事業に投資した者に独占権を保障したりして財の安定的な供給を図っていた。しかし政府による経営は非効率であるし、後者も独占の弊害を免れない。そのため自由化、民営化が進められている。
しかし市場原理に委ねれば万事解決というわけではない。これら費用逓減産業は固定費用が大きく通常のやり方では採算が合わないからである(伊藤元重・入門経済学(日本評論社1988)245)。商法291条もこのような公益企業の特性を踏まえて建設利息という制度を設けている(喜多了祐=吉田直・商法の要説五訂版(中央経済社1999)218、宮島司・会社法概説補正版(弘文堂1996)328)。
固定費用がかかるならば多量に供給した方が費用が低くなるため、これらの産業は少数の企業に占められる傾向がある。これは規模の経済economics of scaleとして評価される。しかし規模の利益は単に効率の観点からの利益に過ぎず、分配の公正に無配慮であることや、規模の利益は潜在的利益に過ぎないことを忘れてはならない(丸尾直美・入門経済政策改訂版(中央経済社1993)451)。独占や寡占による非効率が「規模の神話」を上回ることも少なくない(馬場正雄・反独占の経済学(筑摩書房1974)15)。
しかも技術革新によってこれらの産業の自然独占性も薄らいでいる。小規模でも効率的な生産が可能な技術が開発されれば、大規模施設による単位当たり費用の低下に頼る必要はなくなる(中条潮・規制破壊(東洋経済新報社1995)73)。設備の重複投資は社会経済的な無駄ではあるが、独占から自由な市場経済を守るための必要経費と考えることもできる。他方、現今の問題として技術革新を前提とするのは楽観的との批判がある。

規制
子ども、病人、障害者、老人、失業者といった市場経済の下ではほとんど生き長らえることのできない人々には社会的安全網safety netを提供しなければならない(Strange, S.=櫻井公人・国家の退場(岩波1998)131)。ここには歴史的社会的に差別されているminorityに対する配慮も含まれよう。国家は最早市民社会にとって軍事攻撃に対する盾としての意義は相対的に低下しているが、経済的不安に対する盾としての重要性は増大している。
政府による規制は上記の目的に沿う場合に正当化できる。そこから社会的経済的弱者に生活必需財が供給されるようにすることは政府の責務であり、公益事業の安定的な経営こそが一般消費者の利益につながるとする議論がある。消費者保護の名において公益産業からの競争の除去、ある程度の独占利潤の保障が語られる。
しかしこのような論理は、会社がよくなれば地元の県や市町村も繁栄するとして公害をも正当化する、会社人間(社蓄)の救いがたい思い上がり(久保田達郎「三菱重工における不況合理化と長船労組」企業と労働(有斐閣1979)186)と同じである。実際、従来の競争制限規制が本質的には既存の企業の利益を守ることに役立っていた。既存の企業自身が競争制限規制を進んで受け入れる傾向にあることもこの規制が企業にとって都合のよいものであることを示している(堀内昭義・金融論(東京大学出版会1990)76)。

Ramsey料金
政府は利潤最大化ではなく、社会的利益の最大化を目的として公共料金の価格設定を行う。消費者余剰と生産者余剰の合計を最大化するように被規制独占企業の料金を選択すれば経済効率性は最も増大する。制約条件なしでそれを行うならば最適な料金体系は限界費用に等しくなる。
しかし公益企業の平均費用は限界費用よりも大きいため、限界費用をベースとして料金構成すれば、総収益は総費用を賄えずに赤字経営となる。限界費用marginal costとは一定生産量における追加1単位の生産費用であり、平均費用average costはその時点での全生産量の単位あたり生産費である(石井晴夫・現代の公益事業(NTT出版1996)10(和田尚久))。
限界費用価格形成論は限界費用に基づいて供給される一層大なる財によって受ける社会的余剰はその損失額を十分に上回るので、政府の補助金等によって公益企業の赤字を埋め合わせるべきとする(国弘員人「公益事業費用論」公益事業学会・公益企業経営(森山書店1954)126)。しかし安易な補助金の垂れ流しは癒着やmoral hazardを引き起こし、経営努力を放棄させる危険がある。又、財政赤字を考えれば実現性は薄い。
公益事業の採算をあわせるためには限界費用からある程度値上げmarkupする必要がある。しかし料金の値上げは需要量を減少させる。消費を増やすことで総余剰を増加させる費用逓減産業では悪循環をもたらしかねない。そのため収支均衡制約の下で総余剰を最大化する料金が計算されなければならない。これがRamsey料金で、逆弾力性ルールInverse Elasticity Rule, IERで表される。これによるとmarkup率は各商品の需要の価格弾力性に反比例したものとなる(Brown, S.J. & Sibley, D.S.=三友仁志訳・公益企業の料金理論(日本評論社1993)47)。

積み上げ方式
公共料金の算定方法としてまず総括原価主義(費用積み上げ方式cost-plus system)がある。これによって独占(寡占)企業の利潤・料金水準の合理性をチェックしようとした。
R=E+(I+P) R=Rate Revenue総収益(収入)=Total Cost総括原価、E=Operating Expense営業費、I=Interest他人資本利子、P=Profit自己資本利潤(現代公益事業講座編集委員会・公益事業料金設定論(電力新報社1975)123(細野日出男))
公営公益企業の場合、自己資本は国や地方公共団体の出資であるため、自己資本利潤は不要としてR=E+Iとする見解が支配的であった。しかしこれだけでは社会生活の向上に伴って必然的に求められるサービスの質の向上や量の拡大に対応できなくなるばかりか既施設能力の維持さえ困難となる(藤田正一・わが国の公益企業の範囲と料金設定(多賀出版1994)303)。そのため利用者公衆の利益を守り、公営公益企業の健全な発展に不可欠な設備拡張資金の一部のための内部留保金F(Reserve Fund)を料金に算定してR=E+(I+F)とする方式もある(北久一「公営電気事業の総括原価と事業報酬」公益事業研究22-1(1970)86)。このFは公益企業の経済的独立を図るための利潤、即ち事業報酬とも主張される(小山日出児「公営電気事業の特殊性と料金算定要領の問題点について」公益事業研究17-1(1965)77)。
費用積み上げ方式の短所は料金原価の大部分を占める営業費削減のための合理化努力のインセンティブに欠け、資金調達面で非効率となることである。

公正報酬原則
大半の国では公正報酬原則fair return principle(Rate Base方式)が採用されていた(FCC CC Docket No.87-313: Policy and Rules Concerning Rates for Dominant Carriers. 林敏彦・公益事業と規制緩和(東洋経済新報社1990)78(井出秀樹))。
R=E+(V-D)r V=Fair Value事業財産の価値、D=Depreciation減価償却額、r=Rate of Fair Return公正報酬率%、(V-D)=Rate Base料金基底、(V-D)r=Fair Return公正報酬(Clemens, E.W.=竹中龍雄訳・公益企業経営論上(ダイヤモンド社1953)87)
公正報酬原則は費用積み上げ方式よりも経営のインセンティブを促進する。料金が決まると事業経営をうまくやらないと経営が芳しくないものになり、同種公益事業との経営成績が比較される(古川哲次郎=秋山義継・公益事業論(成山堂書店1986)71)。
しかし報酬の基礎となるRate Baseの水ぶくれ防止が困難である。即ちr値が実際の資本コストを微妙に上回る場合があり、その時は事業者に必要以上の資本保有動機を与えてしまうという非効率を招く(Averch=Johnson効果。東海幹夫他・公益事業の評価と展望(日本評論社1999)57(井口典夫))。

価格上限Price Cap規制
これは経営の効率化と革新を促進し、サービス間で行われる内部補助をなくさせ、Rate Baseの水増しをなくし、料金の急激な値上げを防止できる。デメリットとして事業者が過大な利益をあげる危険、サービスの質を低下させる虞がある。Price Cap規制導入の是非は「効率化圧力の強さ」と「サービス品質の維持可能性」とのトレードオフ問題に帰着する。仮に市場への独占力が強ければ規制による効率化圧力の締め付けに対してはサービス品質の劣化で対抗されてしまう。
英国のPrice Cap規制は小売物価上昇率-X%という基本公式を使用する。X%の値は規制者によって決定され、これが事業者のコスト削減目標値となる。他方、将来的にインフラ投資が要請される業種では小売物価上昇率+K%として投資調整項を設ける(水道事業。野村宗訓・イギリス公益事業の構造改革(税務経理協会1998)147)。

Yardstick Competition
経営指標の比較、公表により地域独占的な事業者の競争意識を刺激し、効率経営を促進させる方式である。日本の規制緩和も内外価格差が強力な推進力となっている。

Sliding Scale
価格設定に経営インセンティブを連結する規制である。標準価格standard priceと標準配当standard dividendを設定する。実際の価格が標準価格を下回れば配当を標準配当よりも増やし、逆の場合は逆にする(Sleeman, J.F., British Public Utilities (London 1953) 238.)。これによって経営の改善から生じる利得を株主と消費者に配分させる。しかし価格は物価の上下によって変動するため、経営努力に関わらず配当が増減するという欠陥がある(北久一・公益企業論全訂新版(東洋経済新報社1974)157)。

価格差別Price Discrimination
同一財に対する市場が需要の価格弾力性の異なる複数の市場に分割でき、かつ異なる市場の消費者間での売買ができないならば、弾力性の高い市場では低価格、弾力性の高い市場では高価格で販売することにより企業の利潤を増加させることができる(西村和雄・ミクロ経済学入門(岩波1995)238)。例えば学割や深夜電力がある。しかし財を全国均一に行き渡らせるという政策目標と衝突する場合もある。

二部料金制Two-part Tariff
これはまず固定額を請求し、その後需要に応じて限界費用分だけ徴収する方法である。もし消費者余剰が固定支払額を超過していれば消費者は固定額を支払っても、この財を需要するだろう。そしてこの固定支払額が生産のための固定費用をカバーする。公益企業サービスの原価は需要と消費量の双方に関連するため、その2要素の上に構成された二部料金制はそのいずれか一つの上に構成された定額料金制や従量料金制よりも公正であり、原価構成に一層正確に即応する(北久一「公益事業料金構成論」公益事業学会・公益企業経営(森山書店1954)206)。これは電気や水道の基本料金として実現されている。公共料金以外にもスポーツクラブやISPのように固定費用が大きいところでは二部料金制が採用される。
二部料金制にも短所がある(関島久雄・現代日本の公益企業(日本経済評論社1987)13(山谷修作))。まず固定料金の割合が大きいため、低所得者や少量消費者には負担が極めて重い。又、固定料金はピーク・ロード時の使用料に応じて公正に消費者に負担させるべきだが、ピーク・ロード時の需要者層の使用料測定が不可能なため、消費者は均等に負担させられる。そして二部料金制は需要を促進させる効果があるが、その需要促進が必要不可欠な消費量の増加と一致しなければ不必要な追加プラントを生み出し、それが経営を圧迫する。

Essential Facility
Essential Facility理論とは「誰かにとって必須のものを持っているものはその誰かに対して、その必須のものを使わせてやらねばならず、さもないと独禁法違反となる」という理論である(白石忠志「Essential Facility理論」ジュリ1172(2000)70)。例えば電気通信ではNTT地域会社が地域通信網を独占的に保有しており、企業が通信事業に参入するためにはそこから地域通信網を借りなければならない。そのため地域通信網を他の通信事業者にアクセスさせることが義務付けられている(電気通信事業法38)。
Essential Facilityというと巨大な施設を想起するが、それに限られない。例えばOSもアプリケーションソフトの開発会社にはEssential Facilityとなり得る。尚、このEssential Facility理論はあらゆる場合にアクセスさせる義務を命じるものではなく、当該Essential Facilityが知的創作や投資の結果生じたものである時はその努力に報いることは取引を拒絶する正当化理由になる。知的財産は独占権を保障することで知的創作に報いる制度だから、原則的にEssential Facility理論の対象外だが、当該知的財産がたまたま標準仕様となったような場合は適用される可能性が高くなる(白石忠志・独禁法講義(有斐閣1997)55)。
Essential Facilityにアクセスさせる義務が認められるとして、その条件が問題となる。日米間で交渉されたNTTの接続料問題が正しくこれである。Essential Facilityの利用は新規参入の前提だから、アクセス料金はできるだけ低い方が競争は促進される。Essential Facility保有企業の側からはEssential Facilityのコスト以下のアクセス料金では経営が成り立たず容認し難いだろう。実際、Essential Facilityには莫大な資本が投下されていることが少なくない。しかし収益がなければ還元もありえないのがビジネスの現実であり、新規参入企業にEssential Facility保有者が100%の権利主張を行ったら産業自体が潰れてしまいかねない。産業を活性化させるのは独占企業ではなく、新規参入するような新興企業である。従って政策的判断から接続料を設定するならば独占企業よりも参入企業の採算性によって決するべきである。

組織分離
Essential Facilityを保有する企業がEssential Facilityを利用した別の事業分野に展開しており(垂直的統合)、Essential Facilityを利用する参入企業と競合する場合は複雑になる。例えばMicrosoftはOSの分野で独占的分野を築きつつ、アプリケーションソフトで他のソフト会社と競合する。この場合、Essential Facilityへのアクセス料金が競争排除の手段として用いられる危険がある。又、垂直統合企業は独占が保障されている事業から競合状態にある事業に内部補助を行うことで優位な地位を築こうとしかねない(佐々木弘・公益事業の多角化戦略(白桃書房1988)108(藤原万喜夫))。
公平なアクセス、独占的地位の濫用なき市場を保障するためにEssential Facilityの部門と他の部門を組織的分離corporate unbundlingすべきである。Helem, D. & Jenkinson, T., Introducing Competition into Regulated Industries, in Competition in Regulated Industries, p.6にはSome have seen this separation as a necessary condition for the development of condition.とある。
組織的分離は相互間の取引費用がかさみ却って経済的ロスが生じうると指摘される(藤原淳一郎「19世紀米国電気事業規制の展開」三色旗625(2000)16)。尤も垂直統合によって得られるメリットは第一次的に当該企業に帰属し、消費者に還元される保障はない。従って組織的分離によってそのような利益が失われても消費者が必ずしも損失を被るわけではなく、仮に被るとしてもその程度のものは公正な市場を維持するためのコストとして許容すべきだろう。
国営企業は民営化に伴う措置として組織分離が行われる。英国の発電市場の自由化liberalization of the market(1998)では脱国有化denationalization・市場開放だけでなく、中央電力局を複数の企業に分割した(藤原淳一郎「新局面迎える電気市場自由化の最新動向」エネルギーフォーラム(1996.2)69)。
私企業は独禁法違反として分割される。アメリカでは反トラスト法違反としてMicrosoftの分割が主張され、司法手続が進められている。日本の独占禁止法8条の4は何ら違法行為に関わらない結果的な市場構造における独占状態そのものに対して営業の一部の譲渡その他当該商品又は役務について競争を回復させるために必要な措置を命じることを認める(佐藤一雄他・テキスト独占禁止法三版(青林書院1998)184(川井克倭))。競争的市場構造は自由企業体制の制度的前提だから、たとえ内部成長によったとしてもこの前提が崩された場合は、競争条件整備のため競争回復措置をとるのが独禁法の使命である(正田彬=実方謙二・独占禁止法を学ぶ3版(有斐閣1995)201(菊池元一))。
私企業を高権的に分離させることは財産権保障上問題だが(藤原淳一郎「経済的自由権」公法研究59(1997)276)、反独占政策は資本主義の聖域ともいうべき私有財産権の制限まで及びうるものである(御園生等「反独占政策と企業」企業と労働(有斐閣1979)37)。

Cream Skimming

cream skimmingとは以下のような問題である。参入企業は需要が多く、収益性の高い分野を中心に競争を挑んでくる。例えば電話における東京−大阪間である。これに対してNTTはあらゆるサービスを全国あまねく公平に提供するよう法律で義務付けられており、競争の同一条件が確保されなくなる(遠山嘉博・現代公企業総論(東洋経済新報社1987)325)。
米国航空事業では規制緩和を推進する時に「Universal Service確保基金」を創設し、地方赤字路線の廃止回避のために政府補助の手法がとられた(植草益・公的規制の経済学(筑摩書房1991)213)。英国通信事業では全ての事業者が何らかの経済的基準に応じて基金を拠出するUniversal Service基金創設が計画されている(Office of Telecommunications, Effective Competition (Office of Telecommunications 1995) chap.4.)。

Access Charge

アクセス料金規制は公共料金規制と共通する問題である。
ECPRによると新規事業者が負担すべき接続料は、接続の限界費用だけではなく、既存事業者が獲得できたはずの最終財の利潤の限界分(機会費用)をも加えて構成される(Baumol, J.B. & Sidak, J.G., The Pricing of Inputs Sold to Competitors, 11 The Yale J. on Regulation, 171 (1994); Laffont, J. & Tirole, J., Access Pricing and Competition, 38 European Economic Rev., 9, 1673 (1994).)。
global price capは既に英国の公益事業規制で採用されている小売price capを一般化したものである(桑原秀史「英国電力産業の競争と市場成果」経済学論究47-4(1994)119)。所与のウエイトの下でアクセス料金と小売価格のウエイト付けされた合計値がキャップを下回るようなglobal price capに服して利潤を最大にするアクセス料金を選択する方式である(桑原秀史「公益事業の託送及び接続料金の決定と競争政策」経済学論究53-3(2000)398)。

林田力 電気の取引に関する紛争処理ガイドライン 2000.7.7

電力市場の自由化は世界的な趨勢である(矢島正之「電力市場自由化の実態と課題」電気評論84-7(1999)7、同「電力市場自由化の動向と課題」日本経済研究センター会報808(1998)30、同「電力市場自由化の内外動向について」公営企業30-6(1998)2、同「内外における電力市場自由化の現状と課題」エネルギー31-1(1998)65、同「競争導入か安定供給か」世界と日本862(1997)46、山田英司=吉水清文「電力市場自由化3州・地域の送電系統開放状況」海外電力41-8(1999)9、佐々木光広「欧米での電力市場自由化の概要」ペトロテック22-4(1999)271、桑原良直「EU電力市場自由化における諸問題」海外電力41-3(1999)7、渡辺睦浩「欧州電力市場自由化を控えた北欧諸国における状況」海外電力41-2(1999)76、松浦茂「フランス電力自由化法の成立」ジュリ1177(2000)182)。

この規制緩和の流れは揺れ戻しが起こり得るかもしれないとしても今や止まらない状況にあるが、過度的問題点や規制緩和のデメリットにも目を向ける努力を怠ってはならない(藤原淳一郎「規制リストラクチャリング時代の公益事業法」法学研究70-11(1997)40)。とりわけ電力会社の反競争的な行動が懸念される。紛争は当事者間で解決が図られることもあろうが、法が自由競争を保障する以上、その侵害に対する救済も法的に保障されなければならない。

それ故法的な紛争解決制度が必要とされるわけだが、他方で電気事業法は法目的を達成するために通産大臣に種々の規制権限を与えている。この通産大臣による規制権限の発動が紛争を解決させることもありうる。従ってこれを当事者の紛争処理にも利用できるように、当事者が通産大臣に規制権限の行使を求めるプロセスを明確化し、中立・公平・透明な手続にすべきである。

その一環として資源エネルギー庁「電気の取引に関する紛争処理ガイドライン」(1999.12.3)は定められた。本ガイドラインは「紛争処理の対象となる具体的事例」「紛争処理全体のプロセス」「通商産業省内部における手続の手順」「電気事業法上の措置の具体例」の4部からなる。「ガスの取引に関する紛争処理ガイドライン」も同じく「紛争処理の対象と考えられる具体的事例」「紛争処理全体のプロセス」「通商産業省内部における手続の手順」「ガス事業法上の措置の具体例」から構成される。

紛争処理の対象となる具体的事例
ここでは紛争処理の対象となる具体的事例が列挙されている。例えば新規参入者と電力会社との間で給電指令の中立性等ネットワークの運用を巡っての紛争や、規制対象需要家と電力会社の間で規制料金が自由料金との整合性を著しく欠いており不公平であるといった紛争がある。

ガイドラインはかなり詳細かつ網羅的に事例を挙げており、作成者はおよそ起こりうる全ての紛争事例を挙げたつもりなのかもしれない。しかし電力会社との間で行う電気の取引に関するあらゆる案件について苦情のある者は通産省に対して申し出ることができるのであり(電事法111)、これらはあくまで例示である。この例示から紛争処理の対象を制限的に解することがあってはならない。

これに対して苦情の多くは、本来行政に持ち込まれるべき内容でないものではないかと思われるため、行政が対応すべきものと、当事者間で対応すべきものの区分が明確になるよう示すことが、ガイドラインを有効に機能させるために必要との見解がある。

しかし陳情に限りなく近いものや必要以上に主観が混じったもの等が苦情として寄せられる可能性は皆無ではないとしても、そのような苦情にも行政は適切に対応しなければならない。主観の程度等に応じて対応・非対応の区分をすると、非対応の苦情申し立てが一切受け付けられないということになるため、むしろ窓口を広く構えて、弾力的に運用した方が、ガイドラインを有効に機能させることになる(「ガスの取引に関する紛争処理ガイドライン(案)」に対するパブリックコメント及びその考え方)。但し「ガスの取引に関する紛争処理ガイドライン」には「ガス事業法上の規制対象とならない、ガス等の取引全般に関する事項における例」があげられている。

紛争処理全体のプロセス
ここでは紛争処理のプロセスがフローチャートで描かれている。主として苦情の申出から変更命令発動までの過程を対象としている。しかし実際の紛争処理プロセスはこれに限定されない。行政訴訟、独禁法上の手続、民事上の損害賠償訴訟、仲裁による紛争処理も考えられる。第7回電気事業審議会基本政策部会・料金制度部会合同小委員会でも「行政におけるこのプロセスの他にも行政事件訴訟による司法の場での処理もあるのだから、これもガイドラインに織り込むべき」と指摘された(「議事要旨」1999.10.20)。

尤もガイドラインの作成主体は資源エネルギー庁であり、行政内部の手続以外の紛争処理ガイドラインを作成する権限も能力もない。それ故、ガイドラインの射程を行政手続に絞ることには合理性がある。紛争当事者にとっては紛争処理手続き全体を鳥瞰できるガイドラインがあった方が便利であり、資源エネ庁のガイドラインが自らの職務範囲内しか対象としないのは縦割行政の弊害と批判するかもしれない。しかし権限も専門的知識もないにもかかわらずガイドラインが作成され、そういうものとして流通される状態の方が恐ろしい。従ってガイドラインが行政上の手続に限定されるが、紛争処理プロセスを理解するためにはそれ以外の手続も視野に入れる必要がある。

電事法と独禁法
電気の取引に関する紛争は電事法の規制対象とも独禁法の規制対象ともなる。電事法と独禁法は目的・観点・要件・サンクション等の点で相違があり、両方は特別法と一般法の関係ではないし、新法が後法を改廃するという法諺もあたらない。従って電事法違反の行為であっても、同時に独禁法にも違反する場合もあり、その場合には両方の法律が重複適用される。

このように一つの行為に複数の制度が適用されることは珍しくない。重加算税と刑罰の併科を二重処罰(憲39)に該当せず合憲とした例がある(最判S33.4.30民集12-6-938)。又、課徴金と刑事罰ではその趣旨・目的が異なり、一個のカルテル行為に対して併科されたとしても二重処罰(憲39)に該当しない(東高判H5.5.21高刑集46-2-108ラップカルテル事件、東高判H9.6.6判時1621-98シール入札談合事件、最判H10.10.13判タ991-107シール入札談合事件)。更に民法上の不当利得返還請求も独禁法の課徴金・刑事罰と両立し得る(植村吉輝「課徴金の法的性格と刑事罰、不当利得返還請求との関係」ジュリ1178(2000)99)。

通産省と公取委
電事法は通産省、独禁法は公取委により執行される。このように一つの行為に複数の行政庁の権限が及ぶ場合、他の行政庁に通知する手続とか、一方の手続を中止するとか、同意・協議等を定めて両者の調整が図られることは少なくない。

改正電気事業法にはこの種の調整手続は皆無である。日本は行政官庁に法律を所管させるというドイツ法固有の制度を継受しており(堀内健志・ドイツ「法律」概念の研究序説(多賀出版1984)28、林田力「新しい知的財産の著作物性」第2回著作権・著作隣接権論文集(著作権情報センター1999)102)、通産省所管の法律に公取委の権限との調整規定をおくのは難しいのかもしれない。

しかしそれでは実務上不都合があるので行政レベルで両者の調整を図る動きもあった。実体的な行政解釈上は「適正な電力取引についての指針」の共同作成により一応整合性が図られた。これにより通産省の行政指導に従ったところ、公取委から独禁法違反とされたということは避けられると思われる。手続についても両者が連携して整合的に行うべきと提言されたが(第6回適正取引WG「議事概要」1999.10.8)、手続上は共同ガイドラインあたるものは作成されず、通産大臣と公取委は対象となる行為に対しそれぞれ別個に各法を適用することになる。

勿論、通産省による変更命令により、電事法違反のみならず独禁法違反も解消されたため、公取委として措置を執る必要がなくなったということもありうる。逆に独禁法違反の審決が下され、排除措置が実行された場合に、電気事業法上の命令を出す必要がなくなるという事態もあり得る。従って通産省と公取委が情報交換しあって一方の措置で他方の目的も満足するならば一方に任せるというのも一つの方策である。そして電事法と独禁法の両法が問題となる場合は電事法が先に手当てをするのが原則とする見解もある(第5回適正取引WG「議事概要」1999.9.6)。

しかし公取委は違反行為が既になくなっている場合でも、特に必要があると認めるときは事業者に対し当該行為が既になくなっている旨の周知措置その他当該行為が排除されたことを確保するために必要な措置を命じることができる(独禁7(2))。尤もこれに対しては電事法の約款の公表・周知義務によれば十分との反論も成り立つかもしれない。

又、独禁法違反の審決が確定しなければ独禁法違反行為による被害者は無過失損害賠償を請求できない(独禁26)。加えて企業の反社会的行動に対する強力な抑止力は市民・消費者の批判であるが、電事法違反として処分されるよりも独禁法違反とされる方が企業イメージを低下させよう。尤も電力会社側はだからこそまず電事法で対応すべきと主張するかもしれない。

従って電事法だけで対応することは競争秩序の観点からも、また被害者の救済の観点からも問題である。特に通産省が変更命令を出さなかった場合には、公取委が独自に法を適用しなければ独禁法違反状態は解消されず、通産省が命令を出さないから公取委も措置をとるのは遠慮するというような悪しき協調はあってはならない。

住み分け?
「適正な電力取引についての指針」では問題となる行為は独禁法か電気事業法かのいずれかに違反するおそれがあると仕分けされていて、両法に同時に違反する、というようには記述されていない。そのため通産省と公取委が電力取引を各自の領域に分割したとみる見解もある。このように解せば通産省と公取委の権限は重複せず、手続上の調整は不要になる。

例えば託送について不当に高い料金が提示された場合は、電気事業法上の変更命令が出されるとあるが、独禁法上の評価は示されていない。このため託送については電事法のみが問題となるとの解釈も成り立ちうる。このような書き方に対しては審議過程でも批判された。これに対するエネ庁の担当者の回答は事業法上の規定に従って届出された料金や認可を受けた料金も独禁法上の規定の要件に当たる場合には同法を適用するのは当然であるから、あえて書く必要はないと判断した、というものであった。従来独禁法への配慮をしてこなかった電力会社にとって独禁法が適用されるのは当然と言えるか疑問があるが、電事法上の規制がある行為に対しても独禁法が重複適用される、ということは確認された。

公取委が電気事業に独禁法を適用した前例はなく、技術性・専門性の高い電気事業は公取委の手にあまり通産省が適任との見解もある。電気通信事業においても、裁判所や公取委が規制官庁と別個に単独で判断することを問題視する見解がある(岸井大太郎「公益事業における料金規制の緩和・改革と独占禁止法」公益事業研究51-1(1999)57)。しかし問題が技術的・専門的ならばそれに見合う能力・施設を公取委に与えるのが筋である。

又、独禁法は違法行為の排除という消極面にとどまり、電力市場を積極的に競争的に移行させるために通産省の柔軟な規制に期待する向きもある。しかしこれまで独占助長的な経済政策を採用してきた通産省にそのような意思と能力があるだろうか。通産省は「自らの意思でどのような企業を育てるか、或いは保護するかということも含めて意思決定する」産業政策の主体であり、規制機関としての中立性は疑問である(第5回電気事業審議会基本政策部会専門委員会1998.11.13(南部委員))。

公取委も独禁法が占領下の産物であることもあり、免れて恥じなき産業界の風潮に押されて確信をもってその違反を取り締まる態度に欠けていた(御園生等「反独占政策と企業」企業と労働(有斐閣1979)33)。しかし近年はその活動を活発化させており期待できる(e.g.「学研など6社立ち入り 幼児図書でカルテル容疑」読売新聞夕刊2000.6.10)。

更に独禁法は違法行為排除を主眼とするが、電気取引は継続的なため、その紛争は排除だけではなく、適正な取引条件を設定しなければ解決しないことも多い。この点、変更命令は料金その他の供給条件のうち変更すべき事項、その方針等を明らかにして、その方向に従って変更届出を行うよう命令できる(資源エネルギー庁公益事業部・電力構造改革(通商産業調査会出版部2000)180)。

しかしこの種の問題は公取委にとって全く未知のものではない。例えば知的財産権のライセンス拒絶に対するエンフォースメントとしてのライセンス命令の内容をどのように設計するか、の問題が論じられている(白石忠志「知的財産権のライセンス拒絶と独禁法」知財研・21世紀における知的財産の展望(雄松堂2000)245)。これは「取引拒絶」という分類を与えられていない事件にも潜在する(白石忠志「マイクロソフトに対する日本独禁法での勧告審決・警告の理論的示唆」ジュリ1150(1999)103)。公取委にとって得意分野ではないとしても避けて通れない課題である。

連絡
フローチャートでは苦情を「電事法上の規制対象となる事項」「電事法上の規制対象とならない事項であって、適正取引についての指針等を踏まえ独禁法上の関連があると考えられる事項」に振り分けている。そして前者は通産省で対応し、後者は公取委に連絡するとしている。「通商産業省内部における手続の手順」(電力構造改革531)では「独占禁止法上の関連があるものについては、その旨を回答し、必要に応じて公正取引委員会に連絡する」となっているが、ガイドライン準則(電力構造改革535)では「電気事業法上の規制対象とならないものであって」「独占禁止法上の関連があると判断する場合には、申告者の意向を受けて、公正取引委員会に連絡する」となっている。

しかし電事法上の規制対象となる事項であっても独禁法違反にもなりうるのだから、電事法上の規制対象となる事項であろうとなかろうと、通産省が対応しようとしまいと独禁法上の関連があると考えられる事項は公取委に連絡すべきである。

同じことを複数の行政庁に重ねて説明したり尋ねたりしなければならないという縦割り行政の弊害を打破したいならば、通産省に来た苦情で独禁法に関係ある問題は全て公取委に連絡すべきであり、自分が対応する問題だからとして公取委に連絡しないのは縄張り意識そのものである。

通産省内部における手続の手順
ガイドラインは通産省が紛争処理の過程で知りえた情報について原則非公開を定める。

「ガスの取引に関する紛争処理ガイドライン(案)」に対するパブリックコメントには「ガス事業者との紛争に際しては、需要家の情報(特に会社経営に係わる機密情報)の取扱いには十分な配慮が必要。また、無責任な苦情等が増加しないよう、苦情の申し立てには、氏名、期日、内容、申し立て理由等が理解できるような書式等を備えた書面を提出する等の仕組みづくりが必要。」という見解が寄せられた。

これに対する担当者の考え方は「ガス事業者との紛争に際して、需要家等の情報の取り扱いに十分な配慮をすることが重要なのはいうまでもなく、行政としては、かかる趣旨について、十分に配慮していく予定。苦情の申し立てに係る書式を設定することは、却って、その様式以外による申し立てを排除するという誤解を招くことになりかねないため、むしろ書式を定めず、弾力的に運用する方が適切と考える。」 というものである。

他方、第6回適正取引WGでは「変更命令が発動された場合には誰に対してどのような命令が発動されたのか公表すべき」「命令に至らないような相談事例についても、必要なプライバシーの保護は行った上で公表すべき」と主張された(「議事概要」1999.10.8)。

そのため紛争処理ガイドライン準則(電力構造改革536)は電事法上の措置を発動した場合にはその内容を顕名で公表し、発動しなかった場合には関係者を匿名にした上で公表する。両者を併せて定期的に事例集として公開すると定める。

証明責任の転換
「行政が紛争を処理するに当たっては,紛争の原因となった事実・判断に関する正当性、即ち給電指令の内容及び電力会社の自社電源と新規参入者の電源との対等な取扱いの有無についての挙証責任について、電力会社がネットワークの情報を一元的に管理していることを踏まえ、電力会社が負うこととすることが公正かつ有効な競争の観点からは適当である」(「適正な電力取引についての指針」電力構造改革522)。

「託送約款等に関する挙証責任が電力会社側にあることから、電力会社から適切な情報提供がなかった場合には、新規参入者からの申出に従って、託送約款の変更命令や託送命令発動の必要性を判断する(「紛争処理ガイドライン準則」電力構造改革536)」。

シュミレーション・ソフト
第7回電気事業審議会基本政策部会・料金制度部会合同小委員会では「給電指令を巡る紛争について米国で行われているシュミレーション・ソフトの活用など技術的な面からの検討の方法を考えるべきではないか」と指摘された(「議事要旨」1999.10.20)。しかし介護保険の判定ソフトの不正確性を考えるとコンピュータを過信すべきではない。これは機械より人間の方が信頼できるというアナログ人間的な時代遅れの感傷からではなく、プログラミングするのも人間だからである。故にコンピュータの計算結果を絶対視すべきではないが、行政が判断するにあたって利用するならばプロセスの透明・公平性を高めるために省令やガイドライン等の中で位置づけるべきであり、プログラムのソースコードも公開することが望ましい。

不服申立
電事法上の処分について不服ある者は不服申立を行うことができる。ガイドラインには「通商産業省に対して」とあるが(電力構造改革531)、厳密には通産大臣に対してである。

不服申立資格は電事法に特別の規定がないため、行政処分一般の場合と同じである。通説・判例によれば取消訴訟の原告適格と同じく、処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある者をいう(最判S53.3.14民集32-2-211主婦連ジュース事件、田中真次=加藤泰守・行政不服審査法解説改訂版(日本評論社1977)50、南博方=小高剛・全訂注釈行政不服審査法(第一法規出版1988)67)。これに対して行政不服審査法1(1)が「国民の権利利益の救済」に加えて「行政の適正な運営を確保すること」を目的とするため、不服申立資格を原告適格より広く解する見解もある(宮崎良夫「判批」S53年度重要判例解説47)。

ガイドライン「紛争処理全体のプロセス」のフローチャートによると苦情が通産省によって「電気事業法上の措置を講ずることが適当と認めない場合」には不服申立ができるようにも読める。しかし手続保障が加重されている電事法上の不服申立が一般の不服申立よりも間口を広げたとは考えにくい。

尤も行政決定への参加という行政手続的機能をも含めて権利として不服申立できる者以外にも不服申立資格を認めることは検討されてよい問題である(岡村周一「不服申立の利益」行政判例百選U3版(1993)345)。訴訟になりにくい紛争こそ行政が紛争処理を行う意義がある。警察が市民から情報や相談を受けても何ら捜査しないことが問題になったが(「栃木リンチ殺人県警謝罪、両親は拒否」読売新聞夕刊2000.5.27、「福島県警須賀川署傷害事件4年放置」朝日新聞夕刊2000.5.27、「不正受給、捜査せず 北海道警静内署 森林組合補助金60万」読売新聞2000.6.25)、同じ事は通産省にも起こりうる。尚、公取委は市民からの「申告」について事件として取り上げなかった場合には不服申立を認める制度を導入する方針を固めた(「不服申し立て制度化」朝日新聞2000.5.31)。

電事法上の措置の具体例

供給約款認可申請命令、選択約款変更命令、卸供給供給条件変更命令、接続供給約款変更命令、最終保障約款変更命令、供給約款認可申請命令、業務の方法の改善命令がある。

「変更命令基準」には変更命令の発動基準に該当するか判断するにあたって、「紛争処理ガイドライン」に基づいた過程において得られた情報を勘案するとある。行政にとっては「紛争処理ガイドライン」に基づく紛争処理プロセスは情報収集手段と位置づけられるのかもしれない。

行政訴訟

行政庁の公権力の行使に不服がある者は行政事件訴訟法に基づき行政訴訟によって争うことができる。しかし行政権の行使を司法が覆すということに裁判所が慎重であるためか、行政訴訟での原告勝訴は少ないのが現実である(吉岡初子「国民がより利用しやすい司法の実現・国民の期待に応える民事司法」ジュリ1181(2000)95)。このような行政権の行使をチェックすることに消極的な裁判所の姿勢が、日本の行政に過大な裁量を許し、ひいては行政指導に過度に依存する産業・企業・国民を作り出してきたといっても過言ではない(高木剛「『国民がより利用しやすい司法の実現』及び『国民の期待に応える民事司法の在り方』に関する意見」ジュリ1181(2000)101)。

国家賠償

国の公権力の行使にあたる公務員がその職務を行うについて故意又は過失によって違法に他人に損害を加えたときは、国はこれを賠償する責に任ずる(国賠法1)。行政処分の不作為について作為義務違反となる場合もある。

法務大臣が省令改正前からの規則を改廃しないで放置したことに過失ありとされた例がある(東京地判H5.2.25判タ845-170)。他方、宅地建物取引法上の業務停止・免許取消は知事の合理的裁量に委ねられ、その不行使が著しく不合理でない限り国賠法1条(1)の適用上違法の評価を受けないとされた(最判H1.11.24判時1337-48)。

行政指導は相手方の任意の協力により履行されるものであり、その不作為が個々の国民に対する関係で職務上の義務違反となることは通常考え難いが、行政庁が所掌する行政目的を達成するため一定の行政指導を行わないことが違法と評価される場合も考えられないでもない(大阪地判H10.12.22判タ1028-195ニシキ事件)。行政指導の不作為と損害との間に因果関係がないとした例(新潟地判H4.3.31判タ782-260)、行政指導の義務はないとした例(大阪地判H6.7.11判タ856-81)、権限付与の趣旨・目的に照らし権限不行使が著しく不合理とまではいえないとした例(東高判H6.9.13判タ862-159)、慣習・条理等に照らして著しく不合理とはいえないとした例(大阪地判H5.10.6判タ837-58)がある。

民事的救済
私人間の紛争は究極的には民事訴訟によって解決されるのが原則である。従来、規制産業では行政や業界団体による不明朗な解決が行われていたようだが、権利意識の向上やglobalizationによって企業は訴訟の提起をいとわなくなっており、民事訴訟は紛争処理に大きな役割を果たすだろう。

電気取引の紛争は適正な取引条件を設定しなければ真の意味で解決にならないことが少なくないが、それは司法の本来的任務外かもしれない。本来立法・行政過程で解決されるべき問題が司法に持ち込まれており、裁判所に過剰負担気味の期待が向けられているとする見解もある(加藤新太郎他「民事司法の機能の現状と課題」判タ1028(2000)5(田中成明))。しかし個人や企業が通産省や業界団体の指導だからといって盲従していた時代は去りつつあり、裁判所が解決しなければ泣き寝入りが増えるだけである。スモン薬害事件も行政は消極的で事実の解明・責任追及がなされたのは民事訴訟においてであった(森島昭夫他「スモン訴訟の和解と被害者救済」ジュリ706(1979)17、可部恒雄「判例形成の過程を内側から眺めて」西南学院大法学論集30-2・3(1998)13)。

電事法は電気取引の契約内容に約款による画一性を求めている。他方、民事訴訟は既判力の相対性により不整合が生じ得る。この点では通産大臣の変更命令による紛争処理の方が優れている。しかし電気取引の紛争のような共通・同種の危険が汎在する現代型訴訟では、各個の訴訟の対象について当事者が持つ利害が当事者ではない多数人の現実の利害と一致し、そのため個別訴訟の判決が事実上、共通の利害を持つ多数人の法的地位の判定に影響を与え、あるいは行為規範となることが多い(中野貞一郎・現代民事訴訟法入門新版(法律文化社1998)5(中野))。従って既判力が相対効しかないからといってそれが即混乱に結びつくわけではない。

迅速性の点で行政による紛争処理を期待する向きもあるが、通産大臣の処分にしろ公取委の審決にしろ最終的には司法審査の対象になり、取消訴訟の期間も含めれば必ずしも民事訴訟の方が時間がかかるとはいえない。

たとえ行政上の紛争処理手続が整備されたとしても救済制度は複線的な方が効果的である。公法上の権限を有する者すら民事訴訟手続を求めることがある。農業共済組合の農作物共済掛金徴収は農業災害補償法87-2所定の手続(地方税の滞納処分)によるべきで民事手続による強制執行もその履行を裁判所に請求することも許されないとした例がある(最判S41.2.23民集20-2-320)。一方で市街地再開発事業の施行者は施行地区内の建物の占有者に対し、都市再開発法により都道府県知事に行政代執行を請求できるだけでなく、自らの所有権に基づいて明渡請求できるとした例がある(東高判H11.7.22判時1706-38ルーク事件)。

損害賠償
不法行為により権利を侵害された場合は事後的に損害賠償を請求できる(民709)。独禁法違反行為が不法行為の違法性の要件を当然に満たすかについてはこれを肯定するのが多数説である(若林亜理砂「取引拒絶および不当廉売と差止・損害賠償請求」H11年度重要判例解説244)。独禁法の立法目的が競争条件の維持であることから、その違反行為が直ちに私法上の不法行為に該当するとはいえないが、特定の事業者の自由な競争市場において製品を販売できる利益を侵害するものである場合は、特段の事情のない限り私法上も違法とした例がある(東京地判H9.4.9判タ959-115日本遊戯銃協組事件)。

独禁法違反行為に対する損賠請求は損害額の立証が困難であり、そのために棄却された例も多い(東高判S52.9.19判時863-26松下電器事件、最判H1.12.8民集43-11-1259鶴岡灯油事件)。しかし新民訴法248条は「損害が生じたことが認められる場合において、損害の性質上その額を立証することが極めて困難であるときは、裁判所は、口頭弁論の全趣旨及び証拠調べの結果に基づき、相当な損害額を認定することができる」とした。

差止
不法行為に対する差止が可能かには議論がある。過去の損害の発生につき行為者に故意のある場合には現在において損害が生じており、そのことが将来における損害発生の高度の蓋然性の基礎となるべき場合であることを要件として差止請求権を認めるべきとする見解がある(平井宣雄・債権各論U不法行為(弘文堂1992)108)。

現行独禁法の下で独禁法違反に対する差止請求の可否については見解が分かれており、肯定説・否定説(大阪地決H5.6.21判タ829-232エドウィン事件)の他に例外的にしか許容されないとする説、独禁法違反の行為の存在に加え、私法上差止を可能ならしめる要件の充足をも必要とする説がある。生コンクリート協同組合による員外者に対する妨害行為に対して、仮差止が認められた例があるが(京都地舞鶴支判S55.11.19判時1010-112白鳥生コン事件、神戸地姫路支判S61.3.10判時1218-119友善生コン事件)、独禁法違反との主張はなされなかった。

取引拒絶・不当廉売に対する営業権の侵害に基づく差止請求について、独禁法違反は認定しつつ、口頭弁論終結時に違反行為が存在せず、今後行う虞が認められないため差止の必要なしとした例がある(名古屋地判H11.2.10審決集45-475名古屋生コン事件)。この裁判例の論理ならば、違反行為が継続しており、又は再発の虞が強いと判断されれば差止請求が認容されることとなる。尤も裁判官には原告の主張を正面から否定するよりも原告の主張を一旦認めつつその要件を満たしていないとして棄却する方を好む傾向があるとも言われている。

不公正な取引方法については私訴による差止を認める法改正が行われた(「『私訴制度』2001年導入」読売新聞二〇〇〇.三.一七)。その反対解釈によれば不公正な取引方法以外の独禁法違反行為に対する差止は認められないということになる。しかしそのような割り切りは学説・判例の積み重ねを無意味にするものである。

生活妨害・環境破壊の分野では民事訴訟上の有効な解決手段として抽象的不作為を命じる抽象的差止が承認されつつある(名古屋地判S42.9.30下民集18-9・10-964、金沢地判H3.3.13判タ754-74小松基地事件、大阪高判H4.2.20判時1415-3国道43号事件)。国及び公団を被告とする民事訴訟において大気汚染による健康被害に対する損害賠償と差止が請求され認容された例がある(神戸地判H12.1.31国道43号事件)。独禁法違反行為に対しても抽象的差止が有効な場合が少なくないだろう。

不作為判決の執行として、間接強制によって執行債務者に違反行為をしないよう強制することができ、他方で執行債務者には執行債権者に損害が生じない方策の選択の自由が認められる。それでも執行債務者が侵害を繰り返すならば「将来ノ為メ適当ノ処分(民414(3))」として、特定の方策を指定して執行債務者に命じる決定を求めることができ、同時に授権決定を得て、代替執行することができる(新山一雄「行政法からみた抽象的差止めの意義」ジュリ1181(2000)59)。

私法上の効力

独禁法や電事法に違反する契約でも従来の支配的見解の枠組みに沿えば私法上は有効となろう。公序良俗違反による契約の効力の否定(民90)は芸娼妓契約等、社会的秩序違反に限定し、独禁法違反等取引ルール違反については当事者間の契約の効力を温存する傾向にあるからである。しかし近時は公序をこのように限定することに批判的な学説が有力になっている(山本敬三「公序良俗論の再構成」奥田昌道還暦 民事法理論の諸問題下(成文堂1995)1、小泉直樹「著作権契約はどこまで自由であるべきか」知財研・21世紀における知的財産の展望(雄松堂2000)210、大村敦志・消費者法(有斐閣1999)105)。不公正な取引方法に対する私訴が認められたことはそれに基づく契約を私法上無効とする論理を導きやすくする(金井高志「コンピュータソフト・インターネットビジネスにおける著作権問題」コピライト464(1999)6)。他方、行政処分に対しては取消訴訟の排他的管轄の問題がある。

独禁法制定当初の判例は独禁法の目的達成のためには私法上の効力も当然否定されなければならないものとしていた(東京地判S28.4.22下民集4-4-582白木屋事件)。しかし独禁法違反の有無の判断は複雑・技術的であり、取引の信頼保護のため履行請求に対して独禁法違反を抗弁として履行を拒絶することができるが、任意に履行した後はその効力を覆すことはできないとする抗弁的無効説に移った(東高判S28.12.1民集4-12-1791白木屋事件、東京地判S38.7.5下民集14-7-1322東京通商事件)。

その後、最判S52.6.20民集31-4-449岐阜信用組合事件は、独禁法は公取委に専門機関として弾力的措置を取らせることで法目的の達成を予定しているのであるから、同法違反の私法上の効力については公序良俗に反する場合は格別、直ちに無効とすることは法目的に合致するとは言い難いとした。これを受けて不当な取引制限は直ちに公序良俗に反して無効とした例がある(名古屋高金沢支決S53.7.11判時923-90)。反対に独禁法の規定は内容により効力的要素と行政取締法規的要素の強弱があり、独禁法違反の契約・協定であっても、規定の趣旨と違反行為の違法性の程度、取引安全等諸般の事情から具体的契約・協定毎にその効力を考えるべきとした例もある(高松高判S61.4.8判タ629-179奥道後温泉観光バス事件)。

独禁法違反の権利行使に対する抗弁

知的財産法学ではライセンス拒絶が独占禁止法違反となるような知的財産権について、知財法に基づいて侵害訴訟が起こされた場合の知財法の解釈如何、という問題が提起されている(田村善之・知的財産法(有斐閣1999)284)。独禁法はその違反行為に対して公取委が法定の手続によって排除措置、差止命令をなすことを予定している(独禁7, 8-2, 17-2, 20)。これは独禁法違反行為の排除を対世的画一的に実施するために構成された法的要請によるものである。

他方、民事訴訟は当事者間にのみ既判力を及ぼし得るにとどまり、又、特許権保護を容認するか否かは民事訴訟手続において裁判所が解決すべき事項なのだから、特許権侵害を原因とする訴えそのものが独禁法に違反する旨の主張は抗弁として許容されるべきである。この場合、紛争解決の範囲内で公取委と独立して事実及び法律上の判断が許容されるべきであろう(松本重敏・特許発明の保護範囲新版(有斐閣2000)322)。


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林田力『こうして勝った』
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