野党共闘に有害な怨念

林田力

参議院選挙(または衆参同日選挙)に向けて野党共闘、市民派統一候補の動きが盛り上がっている。この動きに対する懸念の一つは、旧社会党左派の怨念丸出しの言説が散見されることである。これは五五年体制崩壊後に有権者となった世代には無関係な話であり、限定的な話ではある。

怨念とは五五年体制の社会党左派の感覚で、社民党の社会民主主義的要素や民主党を激しく批判することである。本論は旧社会党左派だった人々を批判するものではない。批判の対象は旧社会党左派の怨念を丸出しにする一部市民運動家である。

逆に旧社会党左派で現在も政治にコミットされている方々からは表立って民主党の悪口を聞くことはない。民主党と上手につきあっている。私は新社会党系の方からさえ参院選比例区で民主党候補の応援を求められたことがある。旧社会党左派の怨念丸出しは政治にコミットしておらず、良く言えば自由で、しがらみがない、悪く言えば無責任な市民故に可能なことである。

問題は怨念に積極的意義があるかということである。旧社会党に対しては古くからマルクス主義イデオロギー政党を脱却して、ヨーロッパ型の社会民主主義政党や福祉国家思想の政党になることが求められた。ソ連のような社会は国民の望むところではない。ソ連のような官僚国家はスターリン一人を批判すれば克服できるものでもない。実際のところ、フルシチョフによるスターリン批判後もソ連型社会主義体制は存在した。社会党が社民党になり、民主党に流れたことは、この立場から必然である。

旧社会党左派からすると認めがたいところはあるだろう。五五年体制下では党内論争に勝ち続けてきた。社会民主主義政党を主張する勢力を退けてきた。反対者は社会党を出て行った。常に論破し続けてきたと思ったら、誰もいなくなった。それ故に社会民主主義や民主党に怨念を抱きたくなるかもしれないが、ソ連の崩壊という現実は無視できない。

逆に仮に真の社会主義はソ連とは異なるとし、あくまで社会民主主義的なものを拒絶し、真の社会主義を目指すならば、五五年体制崩壊後は全力で日本共産党を支えるべきであっただろう。ローザ・ルクセンブルクを引き合いに出して社会民主主義を批判することは共産主義者の論理である。日本共産党を支持できないことが不思議である。

社会党から社民党、民主党になった政治家はマルクス主義政党脱却という長年の要望に応えたものであって、彼らには彼らの理由がある。彼らの選択を誤りと批判したとしても、異なる側からの需要に対応した事実は否定できない。彼らを批判しても振られた恋人への未練になる。

さらに怨念に今日的な意味があるかという問題がある。ロスジェネ世代以降にとって有権者として社会党を経験していない。社会党の左右イデオロギー対立はソ連の崩壊で決着済みのことになる。それを継承することが自分達の直面する今日的課題の解決になるか疑問である。「当時の人々に思いをはせ、共感を持って語れ」と言うかもしれない。しかし、その種の論理自体が過去のイデオロギー対立が今日的な課題解決に何ら役に立たないと自認しているようなものである。

怨念丸出しの言説がなされると、野党共闘や市民派統一候補擁立の動機が疑われる。広範な野党の結集ではなく、旧社会党の復活のような狭い動機で動いているのではないか。それでは野党共闘や市民派統一候補擁立の本来の目的は達成できない。

既に参院選分析では「民主党と共産党に頑張ってもらう。それ以外の政党はせいぜい現状維持」が方向性として出回っている。民主党と共産党以外の支持者には面白くないが、正論は往々にして面白くないものである。この中で怨念丸出しの言説は有害にしか機能しない。その中で社民党が東京選挙区で増山麗奈さんを公認したことは明るい話題になる筈であるが、古いマルクス主義イデオロギーの感覚で拒絶するとなると、どこにも居場所はなくなってしまう。


林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』PV
林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』Facebook
林田力『二子玉川ライズ反対運動』Twitter

与謝野晶子の反戦思想
韓国の市民運動の現状と課題
佼成病院で経管栄養が速められる
『東京外環道と東急不買運動』
『女性画家たちの戦争』
『私たちはなぜTPPに反対するのか』
入院中の患者の虐待と佼成病院裁判
ブランズ死亡事故の五洋建設の辺野古問題
日本国憲法のゆくえ〜加憲の可能性を考える
TPPを考える〜政府説明会を受けて
『ルポ チェルノブイリ28年目の子どもたち』
ブラックデモクラシー
『未来派左翼(上)』
葬式ごっこの山本太郎議員を厳重注意
山本太郎議員の葬式ごっこ
書評『集団的自衛権の行使に反対する』
『スターリン秘史 巨悪の成立と展開 3』雇われ左翼批判
福島みずほ下町応援団結成の集い
中野区で民主党の国政・都政・区政合同報告会
東急不動産だまし売り裁判と自己責任論
若年層右傾化の背景と限界
書評『放射線被爆の理科・社会』
佼成病院裁判と院内感染
トリウム熔融塩炉
足立区入谷のオウム真理教(アレフ)進出問題
東急電鉄らの駐車場上保育園は安心か
若者の貧困
宮崎強姦事件被告人弁護士に弁護士懲戒請求
東京都の弁当の路上販売規制
希望のまち東京をつくる会一周年記念大会議
イラクとシリアのイスラム国
サザンオールスターズ謝罪と左翼
横田空域(横田ラプコン)
ブランズ六番町は住環境破壊
マルクス・アホダラ教とダブルスタンダード
2014年衆院選・野党の選挙協力
立正佼成会附属佼成病院・高濃度酢酸誤投与で女性死亡
仙谷由人元官房長官が政界引退
ステーキのくいしんぼ・立正佼成会付属佼成病院・過労自殺
フロンティアFJネクスト迷惑電話
市民団体の意思と多様性
ヘイトスピーチ問題
高齢者医療治療拒否・中止裁判
小選挙区論
TPP、国家戦略特区
懇ろセクハラ野次は九州と言い訳
新自由主義勢力と新自由主義思想
ノーベル物理学賞受賞の中村修二氏に複雑な声
ネオナチ・ツーショット写真の問題
ブラック企業は豊かな表現
変貌する自衛隊
『世界が食べられなくなる日』
マンション敷地二重使用と東急コミュニティー解約記
福島原発事故自殺訴訟
『標的の村』
放射脳カルトの加害性
ブラック企業は人種差別に非ず
日本海賊TV国連の自由権勧告





林田力 東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った 東急不動産係長脅迫電話逮捕事件 二子玉川ライズ反対運動 東急リバブル広告 東急ストアTwitter炎上 東急ホテルズ食材偽装 東急ハンズ過労死 ブラック企業・ブラック士業 脱法ハーブにNO 東京都のゼロゼロ物件 住まいの貧困 東急不買運動 東急リバブル東急不動産不買運動 アマゾン ブログ ツカサネット新聞 リアルライブ 本が好き v林田力 家計簿 ワンピース 韓国 江東区 東陽町 世田谷区 写真 スレイマン 1ch 2ch 3ch Hayashida Riki hayariki tokyufubai amazon wiki wikipedia facebook