江東区議会建設委員会で越中島トラックターミナル陳情審議

林田力

江東区議会は2015年6月15日、平成27年第2回定例会・建設委員会を開催した。越中島トラックターミナル建築紛争問題に関する住民陳情が審議された。江東区越中島の福山通運東京支店が巨大トラックターミナルに建て替えられ、周辺の住環境を破壊すると批判されている。住民は6月1日付で三本の陳情を江東区議会に提出し、以下の陳情が建設委員会に付託された。

27陳情第24号「福山通運の新トラックターミナルの屋上を駐車場に対する計画に対して指導を求める陳情」

27陳情第25号「琴平通り三商前交差点〜釣船橋間の福山通運側歩道の安全通行に関する陳情」

残る「福山通運トラックターミナル排気口の浄化装置設置に関する陳情」は区民環境委員会に付託され、6月16日に審議される。

建設委員会は、そえや良夫委員長(日本共産党江東区議団)、釼先美彦副委員長(江東区議会自由民主党)、三次ゆりか委員(江東・自由を守る会)、川北直人委員(江東区議会きずなを守る会)、正保幹雄委員(日本共産党江東区議団)、山本香代子委員(江東区議会自由民主党)、石川邦夫委員(江東区議会公明党)、鈴木清人委員(維新・民主・無所属クラブ)で構成される。

今回は改選後初の委員会である。傍聴者は27名である。傍聴者の大半は住民であるが、福山通運や施工業者の五洋建設関係者もいた。

建設委員会では住民陳情審議が最初の議題になった。二つの陳情は一括して審議された。質疑は一問一答式に書き改めている。

建築調整課長「区から事業者に強く申し入れているが、事業者側は『計画の変更はない』と答えている」

川北委員「区は事業者に対し、どのような働きかけをしてきたのか」

建築調整課長「紛争調整は東京都の所管である」

交通対策課長「深川警察署に歩車分離式信号機の設置を要望した」

川北委員「町会・自治会・PTAはどのように訴えているのか」

建築調整課長「町会などからの訴えはない」

交通対策課長「個人個人で区長宛てメールで意見が出ている」

川北委員「25号は街づくりに関する陳情である。この場所に限らず、通学路の安全は確保されなければならない。歩道の幅を4メートルにするように求めているが、その根拠を説明して欲しい」

道路課長「道路構造令に根拠がある」

川北委員「福山通運も改善案を出しているが、それをどのように評価しているのか」

道路課長「1メートルバックすることで、歩道の幅を2メートル取れる。但し、朝夕の自転車交通量は多く、別途考えていかなければならない」

三次委員「自宅から近いために良く通る。朝夕の交通が多い。小学生の通学路になっている。福山通運の角が直角で壁が高く、視覚になる。ドライバーの安全運転指導の強化もお願いしたい。自転車と子ども達の事故はあってはならない。子どものためにも極力4メートルに広げて欲しい。安全な通学路の確保になる。強く事業者に求めていただきたい」

建築調整課長「東京都立第三商業高等学校では、自転車通学の高校生に福山通運と反対側(東京電力側)の歩道を使うように指導している。交差点側には低木を植えて見晴らしを良くする」

三次委員「福山通運は夜も工事しており、光が部屋に入って、住民はストレスを感じている」

建築調整課長「夜間工事は聞いている。できる早めに終えるように指導している。冬の期間はコンクリート打ちをしていた」

三次委員「住民は福山通運内部の人間とコンタクトが取れず、それも住民の不満を大きくしている」

建築調整課長「福山通運の内部の人間が来るように強く要望する。間に紛争調整の会社(注:近隣対策会社USI)が入っているが、できるだけ住民と直接話すようにお願いしている」

三次委員「区が仲裁に入ることは不可能か

建築調整課長「相談に乗ることはできるが、あっせんなど正式な形では対応できない」

三次委員「都に要望はできないか」

建築調整課長「都のあっせんは終了している」

三次委員「交差点の直角部分を緩やかにできないか」

建築調整課長「事業者側は、このままでいきたいと述べている」

三次委員「屋上にガソリン満タンのトラックが駐車することになる。大地震などが起きた場合の危険を住民は指摘している」

建築調整課長「免震構造を採用しており、揺れが緩やかになる。トラックが転倒するとは認識していない。夜23時から朝6時までは原則使用しない。アイドリングストップをする」

三次委員「屋上に駐車場があると騒音も酷くなる。屋根がないため、騒音が大きくなる。屋根をつけることはできないか」

建築調整課長「屋根の設置は不可能である」

正保委員「福山通運の住民への対応が悪い。4年間沢山陳情が出た。相隣紛争は当委員会の所管である。区は指導を強めていくべきである。住民が撮影した写真を見たが、子ども達が沢山集まっていて通行できない。三商は反対側の歩道を使用するように指導したとするが、現場は違う。夜間工事も3月時点で夜中の12時1時まで続いていた。福山通運は区民のことを考えて対応している会社なのか」

建築調整課長「計画の段階から色々相談がなされた。福山通運が直接住民と対応していない点は苦慮している」

正保委員「住民は今後の運用がどうなのか気にしている。本当のところが知りたい。再度申し入れすべきではないか。説明責任が求められる。住民の声に聞く耳持たないという話を聞いている」

建築調整課長「具体的な運用方法は決まっていないとのことである」

鈴木委員「運用方法を決めないで設計しない。正直に話したくないという気持ちがあるのではないか。ちゃんと話して欲しい。住民は心配している。課長の力量に期待する」

正保委員「福山通運の住民への姿勢には疑問がある。区の申し入れに対して福山通運はどのように対応しているのか。過去には騒音問題があった。土壌汚染も発覚した。住民に説明して理解を得ることを申し入れて欲しい。通学路の安全対策は特段の取り組みが求められる。区内で小学生がトラックにはねられて亡くなる交通事故が起きている。安全対策は行政としてきちっと行わなければならない」

交通対策課長「深川警察署に安全強化を要請した。今年度から通学路の点検に着手する。問題があれば関係者が一堂に会して対策する」

正保委員「琴平通りの交通量調査の結果を伺いたい」

道路課長「朝の自転車交通が多い。327台走っていた。朝夕は多いが、昼間は少ない」

正保委員「歩行者はどうか。具体的な結果を教えて欲しい」

道路課長「朝8時から9時の間に116人の歩行者がいる。このうちの何人が児童であるかまでは調査していない」

正保委員「区は住民に対し、交通量調査の結果を見て、現況幅員構成の変更などの検討を進めると回答している。区はどのような検討をしているのか」

道路課長「トラックターミナル完成後に再度交通量調査を実施して検討したい」(この答弁に傍聴席から「酷い」との呟きが漏れた)

正保委員「交差点の福山通運以外の角(三商、清水建設、凸版印刷)は見晴らしがいい。福山通運側は死角ができる。歩行者と自転車の衝突事故が起きかねない。死角は解消できるのか

道路課長「1メートルの拡幅で多少は良くなる。人が歩道から溢れてしまう問題は残る。事業者側に要望する」

正保委員「区は住民への回答で具体的に検討すると書いている。豊洲橋の自転車レーンの延長を検討すると。琴平通りで歩行者と自転車を分離する。4メートルの拡幅が重要になる。行政の責任として歩行者、自転車、自動車を分ける。道路全体として見直して交通安全対策をとるべき。将来的には釣船橋も改修する。区が道路を整備するという計画を持つべき。区の見解を問う」

道路課長「豊洲橋の自転車レーンはできている。交通管理者の意見が重要である。次の交通量調査結果を踏まえて、より良い走行空間を検討したい。車道に余裕があるところは、そこに自転車を逃がす。自転車ナビマークなども検討する」

正保委員「福山通運は問題ないと言うが、きちんと調査しなければならない。トラックの入出庫を分散して通学時間帯の交通量を減らすことを申し入れるべきである」

建築調整課長「トラックの運用方法は決まっていない」

正保委員「屋上は朝6時から夜11時まで動く。生活時間に合わせて短縮する。屋上に蓋をするなど遮音も対策して欲しい。越中島ハイツ側への消音フェンス設置や排ガス対策など申し入れして欲しい」

石川委員「江東区は福山通運に指示書を送付し、騒音規制を守るための具体的対策の回答を求めた。しかし、騒音は解消せず、再度指示書を出している。24時間体制で電気がつけっぱなしで、騒音にも苦しめられた。今回のターミナル建築には過去の問題への配慮はあるのか。騒音規制を厳守できるのか」

建築調整課長「今回の計画は騒音関係も含めての対策としての建て直しとのことである。ランプと呼ばれる、トラックが上がるスロープ部分も外壁で覆う計画になっている。

石川委員「騒音対策を含めた形で建て直しをしたと理解した。色々なものが積み重なっている。福山通運は住民に一定配慮したと思う。工事は7割8割進んでおり、今後の変更は難しい。住民には過去の段階から不安・不満がある。定期的に説明会が開催されているが、建築工事が終わるとなくなる。住民が意見をぶつける場所がなくなる。福山通運が顔を出すという要望は通っていない。福山通運としっかりやり取りする」

山本委員「話が広がっているが、今回の陳情の審議では、福山通運の改善案で十分か否かが問題になる。資料では改善案によってどうなるかイメージがないと分かりにくい。交差点の見晴らしが良くなるのか、まだまだ足りないのか。交通量も現在のものであるが、ターミナルができたらどうなるのか。陳情は当然継続になるが、次回は資料を揃えていただきたい」

そえや良夫委員長「イメージ図と交通量がどうなるのかを用意して下さい」


越中島
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