江東区議会の空き家活用陳情審議とシルバーデモクラシー

林田力

希望のまち東京in東部(林田力代表)は2014年9月10日、「若者の自立支援政策を目的とした区内の空き家の実態調査とそれに基づく施策策定を求める陳情」を高等区議会に提出した(26陳情第23号)。この陳情は建設委員会に付託された。

この陳情は2014年10月9日の建設委員会で最初に審議された。陳情は空き家の実態調査と空き家活用策の策定を求めているが、江東区は両方とも考えていないと説明した。問題は、その理由である。調査をしない理由として総務省の住宅・土地統計調査を挙げるが、これは理由にならない。

総務省の調査は統計値のみであり、住宅課長自身が認めるように地域別などの詳細な情報は得られない。これは陳情本文で以下のように指摘したとおりである。「国の調査では、空き家(部屋)がどの程度活用できるかという観点での調査ではないため、具体的な施策を検討するには十分ではありません」

次に若者の自立支援政策を目的とした空き家活用策の策定であるが、これは「高齢者の方の居住支援を第一に実施したい」との理由で否定する。露骨なシルバーデモクラシーの論理である。高齢者の住居支援を実施することは若者支援を否定する理由にならない。

住宅課長「区の対応、考え方でございます。

まず、第1点目の特定の地域を指定して、空き家、空き部屋の全数調査ということでございます。

空き部屋、空き家の把握につきましては、総務省が5年おきに全国の住宅・土地統計調査を行っておりまして、区内の空き家は、平成20年度時点で8.3%でございまして、特別区あるいは全国より低い状況となってございます。平成25年に調査を行ってございますが、結果が今年度中に公表予定と発表がございますので、現時点ではこの数値を参考にしたいと考えてございます。このため、現在のところ、改めて区として実態調査を行う考えはございません。

続きまして2点目、調査項目に以下の項目を加えることについては、現時点で区としての調査予定はございませんので、具体的な検討事項としては、現段階では考えてございません。

3点目でございますが、調査結果に基づいて住宅施策を検討することということでございます。

まず、第1点目の家賃補助について、今回は単身若年層の方への家賃補助ということでございますが、本区の地域特性といたしまして、若い世代の流入が続いて、人口増加が続いている状況もございますので、現在導入する考えはございません。

続きまして、単身の若年層に住宅のあっせんということでございますが、現在本区ではいわゆる住宅セーフティネット法に基づきまして、住宅の確保に配慮を要するような方々に対して、江東区居住支援協議会を設けまして、特に現在は高齢者世帯への民間賃貸住宅のあっせんを実施してございます。こちらにつきましては、2年前から区のほうで相談窓口を設けまして、不動産業団体と連携を密にして、入居促進に努めているところでございます。

現在のところ、この事業をしっかり重視させたいという考えでございますので、単身若年層に限った住宅のあっせんは、現段階では拡大する考えはございません。

第2点目が、シェアハウスあるいは非営利団体等を含めた空き部屋の活用でございますが、今申し上げたように、喫緊の課題としましては、高齢者の住宅あっせんにおいて、市場に流通している住宅を利用して、貸し主あるいは居住支援の仕組み等を組み合わせまして、住宅の確保を図っていきたいと考えてございます」

そえや良夫委員(日本共産党)「まず、空き家の状況ですが、ことし中に平成25年の調査結果がまとまるということです。例えば、出張所別や地域別にわかるのかということが1つです。

それから、若者の自立支援の観点からとありますけれども、私たちが若いころですと、小さい企業でも独身寮を持っていることにより、住まいを確保されていました。しかし、非正規雇用がふえ、あるいは東京在住の親がふえるとともに、こどもの自立、独立という点での部屋の確保が、相当難しくなっていると思います。賃金は低く、また、家賃は下がるわけではありません。そういう観点での住宅施策の見直しというか、当然高齢者に対していろいろ頑張ってやっていただいていますけれども、そこも強化しながら若者に対しても、今の状況を見ると検討する必要があるのではないかと思いますが、2点について、考え方を示していただければと思います」

住宅課長「まず、1点目の国の調査の地域別、町別等の結果発表はあるかということでございます。

こちらについては全数調査ではございませんので、今のところ地域別の詳細なものは出るという情報はございません。

2点目の若者の自立支援のあり方でございますが、確かに若者の生活支援、自立支援ということは、雇用、所得、そして住まいの確保という、セットとなった総合的な取り組み、社会的な問題だと考えてございますけれども、現時点では江東区居住支援協議会を立ち上げており、高齢者の方の居住支援を第一に実施したいと考えてございます」

2014年12月1日の建設委員会では住宅課長から以下の説明がなされただけで、質問はなかった。「本陳情の趣旨に基づく若者の自立支援策を目的としました実態調査、施策検討の考えは、現在、ございません。

しかしながら、一方、国のほうで、御案内のようにいわゆる空き家対策特別措置法が先月成立し公布されてございます。今後、公布から3カ月あるいは6カ月以内に国のほうから基本指針やガイドラインを定められる予定になっておりますので、本区としても、国の動向を注視していきたいと考えてございます」

2015年3月4日の建設委員会でも江東区は調査及び施策検討の考えはないとの答弁に終始した。

住宅課長「本陳情でございますが、現在、本陳情の趣旨に基づく若者の自立支援策を対象とした調査、あるいは施策検討の考えはございません。

なお、一方で、空家等対策の推進に関する特別措置法が昨年成立しまして、先月に一部が施行され、あわせて残りの部分が5月に施行予定となりますので、こういった国の動向を注視していきたいと考えてございます」

そえや良夫委員「平成25年度の空き家の状況調査について、今年度中にその状況がわかるという答弁が1回あったかと思いますけれども、それはまとまっていますか。どんな状況でしょうか」

住宅課長「国の調査の結果が先月出まして、江東区の空き家率ですが、平成20年度が8.3%だったのですけれども、平成25年度につきましては7.8%と0.5ポイント減少してございます。ただ、住宅総数、人口、住宅戸数等ふえておりますので、空き家の数につきましては約2万戸ということで、前回より1,700戸程度ふえてございます。なお、全国では13.5%と0.4%ポイント増加。東京都全体では、11.1%と前回と同様の数値となってございます」

その後、江東区議会議員の任期が2015年4月30日で満了となったため、この陳情は審議未了になった(江東区議会事務局長「請願・陳情の審議未了について」2015年5月7日、27江区議第144号)。


林田力

江東区地名

青海(あおみ)有明(ありあけ)石島(いしじま)海辺(うみべ)永代(えいたい)枝川(えだがわ)越中島(えっちゅうじま)扇橋(おうぎばし)大島(おおじま)亀戸(かめいど)北砂(きたすな)木場(きば)清澄(きよすみ)佐賀(さが)猿江(さるえ)塩浜(しおはま)潮見(しおみ)東雲(しののめ)白河(しらかわ)新大橋(しんおおはし)新木場(しんきば)新砂(しんすな)住吉(すみよし)千石(せんごく)千田(せんだ)高橋(たかばし)辰巳(たつみ)東陽(とうよう)常盤(ときわ)富岡(とみおか)豊洲(とよす)東砂(ひがしすな)平野(ひらの)深川(ふかがわ)福住(ふくずみ)冬木(ふゆき)古石場(ふるいしば)牡丹(ぼたん)南砂(みなみすな)三好(みよし)毛利(もうり)森下(もりした)門前仲町(もんぜんなかちょう)夢の島(ゆめのしま)若洲(わかす)

【既刊】『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』『東急不動産だまし売り裁判購入編』『東急不動産だまし売り裁判2リバブル編』『東急不動産だまし売り裁判3』『東急不動産だまし売り裁判4渋谷東急プラザの協議』『東急不動産だまし売り裁判5東京都政』『東急不動産だまし売り裁判6東急百貨店だまし売り』『東急不動産だまし売り裁判7』『東急不動産だまし売り裁判8』『東急不動産だまし売り裁判9』
『東急不動産だまし売り裁判10証人尋問』『東急不動産だまし売り裁判11勝訴判決』『東急不動産だまし売り裁判12東急リバブル広告』『東急不動産だまし売り裁判13選挙』『東急不動産だまし売り裁判14控訴審』『東急不動産だまし売り裁判15堺市長選挙』『東急不動産だまし売り裁判16脱法ハーブ宣伝屋』『東急不動産だまし売り裁判17』『東急不動産だまし売り裁判18住まいの貧困』『東急不動産だまし売り裁判19ダンダリン』
『東急不動産だまし売り裁判訴状』『東急不動産だまし売り裁判陳述書』『東急不動産だまし売り裁判陳述書2』『東急不動産だまし売り裁判陳述書3』
『東急大井町線高架下立ち退き』『東急不動産係長脅迫電話逮捕事件』『東急コミュニティー解約記』『東急ストアTwitter炎上』『東急ホテルズ食材偽装』
『裏事件レポート』『ブラック企業・ブラック士業』『絶望者の王国』『歌手』『脱法ハーブにNO』『東京都のゼロゼロ物件』『放射脳カルトと貧困ビジネス』『貧困ビジネスと東京都』
『二子玉川ライズ反対運動1』『二子玉川ライズ反対運動2』『二子玉川ライズ反対運動3』『二子玉川ライズ反対運動4』『二子玉川ライズ反対運動5』『二子玉川ライズ住民訴訟 二子玉川ライズ反対運動6』『二子玉川ライズ反対運動7』『二子玉川ライズ反対運動8』『二子玉川ライズ反対運動9ブランズ二子玉川の複合被害』『二子玉川ライズ反対運動10』『二子玉川ライズ反対運動11外環道』『二子玉川ライズ反対運動12上告』







HOME










図書館 保育園 事故 歯科 最新設備 粗大ごみ 文化センター 保健所 スポーツ会館 ポータルサイト ユーザー 時間 レストラン 公益財団法人 地域情報 キャスター 防災 天気 健康 公社 コミュニティサイクル 狂言 永代通 文化 自転車 賃貸 皮膚科 休日診療 住民票
#江東区 #江東 #東陽町 #亀戸 #東雲 #豊洲 #有明 #門前仲町 #清澄白河