東京都知事選挙と東急砧ゴルフ場利権

林田力

2016年7月31日投票の東京都知事は猪瀬直樹、舛添要一と二代続けて「政治とカネ」不祥事による都知事辞職を受けたものであり、都庁利権の打破がキーワードになっている。この都庁利権は戦後の東京都政に継続した問題である。

東京都は戦後に成立した自治体であるが、その初代から3代までの東京都知事は安井誠一郎氏である。在任期間は1947年から1959年である。この安井都政の時から政官業の癒着が酷く、特に悪質な癒着が「安井都政の七不思議」と称された。その七不思議の一つが都有地を東急電鉄(東京急行電鉄)に貸し出し、砧ゴルフ場として経営させた問題である(塚田博康『東京都の肖像 歴代知事は何を残したか』都政新報社、2002年、85頁以下)。

東急砧ゴルフ場事件を説明するためには戦前に遡る必要がある。内務省は1940年に世田谷区の砧公園の辺り約13万坪を東京都市計画緑地に指定し、強制的に買収して緑地にした。ところが、安井知事は、この緑地の6割の7万7000坪弱を東急に貸し出した。東京ドーム5.4個分の土地である。砧ゴルフ場新設工事(9ホール、3,912万円)は東急建設が施工している(東急建設株式会社『東急建設の二十五年 資料編』1985年)。

東急電鉄と東京都の契約条件は以下とされる。「東急が七〇〇〇万円で、そこにゴルフ場をつくり、それを東京都に寄付する、そのかわりその経営管理を向う一〇年間東急に委託する」(有働正治『革新都政史論』新日本出版社、1989年、24頁)

この東急砧ゴルフ場利権は2016年都知事選挙でも保守都政を批判する側から引用される。「大企業との癒着も大問題になり、東急に砧の13万坪の都有地のうち、7万7千坪を貸し出し、東急がつくったゴルフ場の経営管理を東急に委託させ、ぼろもうけさせた」(日本共産党世田谷地区委員会「鳥越さんとともに都政を都民の手に取り戻そう」2016年7月)

緑地を東急の金儲けに利用させることは世田谷区玉川の二子玉川東地区再開発(二子玉川ライズ)と共通する(林田力『二子玉川ライズ反対運動1』Amazon Kindle)。二子玉川ライズも都市計画公園にする土地を都市計画変更して超高層ビルを建設し、駅から離れた場所を公園にした。

『革新都政史論』では、砧ゴルフ場以外の東京都と東急電鉄の癒着も紹介する。

「世田谷の駒沢にある都有地八〇〇〇坪(約二万六四〇〇平方メートル)についても、タダ同然、これもいたれりつくせりの条件で東急に総合グラウンドをつくらせた」

「渋谷駅前広場から立退いた露天商を収容するという名目で、実際は東急の子会社の「東光ストア」に地下売場をつくらせた。その大部分は東横デパートの売場としてつかわれている」

「東横デパートや東急文化会館のために都電の発着所をわざわざかえる」

二番目の渋谷地下街は露天商側にとっては東急電鉄の不誠実、裏切りを示す事件であった。東京都の仲介で「東京都が露天商側に与えた地下街の権利を東急に譲渡する、そのうち150坪を露天商側に無償譲渡する」との条件であったが、地下街完成直前に東急は合意条項を全面破棄し、露店商側には東急の150坪の用地を賃貸すると通告した。東急は街づくりのパートナーにできないことを示すエピソードである。

三番目は東急電鉄の渋谷ターミナルが社会的なニーズよりも東京都利権のゴリ押しによって作られたものであることを示す。その後の渋谷は若者の文化発信基地として栄えたが、それはセゾンの渋谷パルコ進出に負うところが大きい(林田力「東急を出し抜いたセゾン堤清二の文化戦略」PJニュース2010年10月3日)。これまでの渋谷が東急の実力以上の要素に負っていたのであり、東急のありきたりな再開発では渋谷の地盤沈下も当然だろう。

正直なところ、私には冷戦崩壊から四半世紀が経過した今更、革新都政でもないだろうという思いがある。革新都政が目指す方向が若年層や現役世代の問題意識に応えられているかも疑問がある。しかし、東急砧ゴルフ場問題などを批判していたところがどこかを考えると革新都政を単純に否定できなくなる。

若年層や現役世代の問題意識に応えられるかというところには絶望的な感覚になるが、革新の枠内において漸進主義で考えていくしかないだろうか(漸進主義ならば保守政治の下でも目指せるものであり、それ故に左翼教条主義こそ何よりも嫌悪するものになるが)。

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