仕立てる賃貸@二子玉川立ち退き問題

林田力

東京急行電鉄(東急電鉄)とNENGOの共同事業「仕立てる賃貸@二子玉川プロジェクト」で立ち退き問題が発生している。「仕立てる賃貸@二子玉川プロジェクト」は東京都世田谷区玉川4丁目の賃貸マンションを「再生」する計画であるが、そのために既存の住民に立ち退きを迫っている。

「仕立てる賃貸@二子玉川プロジェクト」は欺瞞的である。そのコンセプトは「入居者参加型でリフォームを行う」ことで、「住まいに愛着を持ってもらい、長く良い入居者に入ってもらう」ことである(「築47年の物件を入居者参加型で再生、二子玉川で「仕立てる賃貸」始動」リフォーム産業新聞1165号5面、2015/04/21)。

そのために既存の住民を追い出し、既存の住民の住まいへの愛着を破壊することは欺瞞である。東急電鉄の目指していることは、住民を入れ替えて金を回す強欲資本主義(ハイエナ資本主義)である。その追い出し要求は東京都から宅建業法違反で業務停止処分を受けた貧困ビジネスのゼロゼロ物件業者と同レベルである。

東急電鉄の欺瞞は東急電鉄が世田谷区玉川で進めた二子玉川東地区再開発(二子玉川ライズ)を踏まえると一層深まる。「仕立てる賃貸@二子玉川プロジェクト」の記事は以下のように述べるが、風光明媚な情景破壊の元凶は二子玉川ライズの超高層ビル群である。

「同物件が建てられた約50年前。二子玉川には田園風景が広がっていた。富士山を眺められる風光明美な場所であり、多摩川沿いにはたくさんの料亭が立ち並んでいた。今ではその情景を想像もできないが、プロジェクトを行う吉岡マンションは、変革する街の様子を見守ってきた数少ない建物となる」

「仕立てる賃貸@二子玉川プロジェクト」の記事でNENGOの和泉直人不動産統括マネージャーは「家賃も上がるし、愛着を持つのでクレームもない。入居者の質も安定する」と述べている。既存の住民を排除して自社に都合の良い住民に置き換える意思が明白である。これは二子玉川ライズでも共通する。二子玉川ライズでも駅前は個人商店の店舗がなくなり、「二子玉川ライズ・ショッピングセンター」などになってしまった。

東急電鉄では東急大井町線高架下でも立ち退き問題が発生した(林田力『東急大井町線高架下立ち退き』Amazon Kindle)。東急電鉄は高架の耐震改修を名目に立ち退きを要求したが、工事後の帰還を認めず、長年住み続けてきた住民を切り捨てた。

東急不動産消費者契約法違反訴訟では東急不動産の新築分譲マンション建設地が地上げされたものである事実が判明した。東急不動産のために働いたブローカー・井田真介は証人尋問で地上げを認めた(林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』「地上げ屋の証言」)。

東急不動産が取得した渋谷駅桜丘口地区市街地再開発の対象地域の雑居ビルでは暴力的な地上げが行われた。暴力団員らは2007年12月から翌年3月にかけ、放火を仄めかして脅迫した上、出入り口をふさぎ、共用部分の電気を切断するなど物理的な妨害を繰り返した。賃借人は東急不動産に抗議した(山岡俊介「本紙既報の東京・渋谷再開発地区違法地上げ(最終とりまとめは東証1部大手不動産会社?)で、暴力団組員など逮捕に」アクセスジャーナル2008/07/18)。

仕立てる賃貸@二子玉川告発動画

「仕立てる賃貸@二子玉川プロジェクト」を告発する動画が2015年4月、YouTubeに投稿された。「仕立てる賃貸@二子玉川」は東京急行電鉄(東急電鉄)とNENGOの共同事業である。東京都世田谷区玉川4丁目の賃貸マンションを「再生」する計画であるが、そのために既存の住民に立ち退きを迫っている。

告発動画は「吉岡東急」のアカウント名でYouTubeに投稿された。ニコニコ動画にも掲載されている。動画「東急電鉄 NENGO「仕立てる賃貸@二子玉川」」は、欺瞞に満ちた仕立てる賃貸@二子玉川の実態を告発する。正当な事由なしの突然の立ち退き要求がなされたという。住民の連絡なしに強引な工事が進められ、騒音被害を受けている。

「仕立てる賃貸@二子玉川プロジェクト」は住民無視である。工事は2期に分けている。1期目は10戸を対象とする。既存の住民が居住している状態で工事を始めているということである。住民は工事の騒音や振動に悩まされている。派手な宣伝の陰で、住民がどのように扱われているのか直視する必要がある。住民は全人格的な被害を受けている。

東急不動産のマンション建設工事では死亡事故も起きている(林田力『ブランズ小竹向原と越中島トラックターミナル』「ブランズ小竹向原でクレーン死亡事故」)。マンション建設工事は未熟で未完成な技術である。

「仕立てる賃貸@二子玉川プロジェクト」のコンセプト「入居者参加型でリフォームを行う」も既存住民に損害を与えている。事業者側が物件名を記載して入居者募集の宣伝をしており、物件の写真を撮影する見込み客によって、住民の平穏が害されている。告発動画では「見知らぬ人々に写真を撮られる晒し者に」と批判する。「仕立てる賃貸@二子玉川プロジェクト」の「第一回入居者説明会」は2015年3月に二子玉川ライズ・東急セミナーBE 811教室で開催された。

告発動画は直前になっての立ち退きを要求する不誠実を批判する。十分な立ち退き猶予期間を与えようとせず、直前に通告する卑怯なやり方は東急大井町線高架下立ち退きと共通する(林田力『東急大井町線高架下立ち退き』Amazon Kindle)。交渉態度の不誠実さは東急不動産消費者契約法違反訴訟と共通する(林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』ロゴス社)。東急リバブル東急不動産営業は嘲笑的な態度であった(林田力『東急不動産だまし売り裁判4渋谷東急プラザの協議』「消費者攻撃」)。

立ち退き問題は深刻である。提示された立ち退き補償金は低額で、とても同条件の住環境を確保できない。やり方は古典的ともいえる関係者、家族を巻き込んだ脅迫まがいの方法である。東急トラブルでは常に消費者や住民が泣かされる。告発動画は「仕立てる賃貸とは一体誰をHAPPYにしてくれるのか」と嘆く。

空き家の増加が社会問題になっており、リノベーションが注目されている。東急不動産のブランズ市川レフィールやブランズシティ久が原のような住環境を破壊する新築分譲マンション建設ではなく、空き家の活用が求められる。しかし、「仕立てる賃貸@二子玉川プロジェクト」のように既存住民(賃借人)を追い出すならば、住まいの貧困を生み出すものであり、本末転倒である。



仕立てる賃貸@二子玉川告発動画続編

「仕立てる賃貸@二子玉川プロジェクト」を告発する動画が2015年4月以降、次々と公開されている。告発者には東急電鉄などから削除圧力がかかったとするが、動画制作者の「吉岡東急」氏は「東急電鉄の汚いやりかたを毎日動画で全国に配信していきます」と意気込む(「東急電鉄 NENGO「仕立てる賃貸@二子玉川」」)。

「東急電鉄 NENGO「仕立てる賃貸@二子玉川」ティザー篇」は、断片的な画像や音声を使用した映像である。商品を直接取り上げずに断片的な情報のみを公開し、消費者の興味を引くことを意図したティザー広告である。ここからは告発動画が映像関係の知識・スキルを背景に制作されたものであることをうかがわせる。

東急は消費者や住民を泣き寝入りするしかない無力な人々と舐めてかかる傾向がある。しかし、消費者や住民は別の側面では職業人であり、ある分野のプロフェッショナルであることもある。東急のように無礼な対応をすれば手痛い反発を受けることは必定である。

動画「東急電鉄 NENGO「仕立てる賃貸@二子玉川」ドラクエ編」は住民から逃げ回る事業者をRPG『ドラゴンクエスト』の世界で風刺した作品である。東急不動産だまし売り裁判でも東急不動産営業は居留守などで逃げ回った(林田力『東急不動産だまし売り裁判3』Amazon Kindle)。

動画「東急電鉄 NENGO「仕立てる賃貸@二子玉川」 ドラクエ編2」もRPG『ドラゴンクエスト』の世界で風刺した作品である。この動画では事業者に住民がだまされたという点を前面に出している。

動画「東急電鉄 NENGO「仕立てる賃貸@二子玉川」騒音被害」は工事騒音被害を取り上げる。住民の再三の中止要請にもかかわらず、工事が続行されている。ドリルで粉砕している壁の隣の隣の部屋で騒音を測定している。工事騒音は65デシベルを超えた。日常生活で「静か」と感じる音量は45デシベル以下である。隣の隣の部屋で65デシベル超ならば、壁に面している住戸では尋常ではない騒音である。そこには老婦人が住んでいるが、「うるさーい、やめてー」と叫んだという。

工事作業員は住民の要望には応えられないと拒否し、「NENGOに連絡して」と言う。しかし、NENGO担当者に連絡してもつながらない。これは東急不動産だまし売り裁判とも共通する、たらい回しの手口である。住民は110番通報して対処したという。

動画「東急電鉄 NENGO「仕立てる賃貸@二子玉川」騒音被害2」は隣の部屋で工事騒音を計測した。騒音は70〜80デシベルとなった。動画では「NENGOは住民を使って人体実験をしているのだろうか」と批判する。住民は「午前中の作業はやめて」とお願いしたが、きっかり午前9時から工事を実施したという。

動画「東急電鉄 NENGO「仕立てる賃貸@二子玉川」削除編」は、仕立てる賃貸@二子玉川プロジェクトのウェブページが次々と削除されていることを明らかにする。既存住民が居住し続けており、立ち退きに同意していないにもかかわらず、建物のリノベーションを発表し、入居者を募集したことは問題ではないか。


仕立てる賃貸@二子玉川の矛盾

林田力

仕立てる賃貸@二子玉川プロジェクトは矛盾である。既存住民が居住している状態でリノベーション工事を進め、既存住民の生活を脅かし、退去を迫っている。仕立てる賃貸@二子玉川の矛盾は、事業者の一つ株式会社NENGO(神奈川県川崎市高津区)の的場敏行代表取締役社長のブログで一層明白になる。

「イオンの功罪」の題した記事では商店街のシャッター通り化を嘆き、ショッピングセンターやチェーン店の進出を疑問視する。「本当にその地域にはイオンが必要なのかを。マクドナルドやスターバックス、ミスタードーナッツなどのナショナルチェーン店も一緒にやってくることになる。今後はナショナルチェーン店がない地方がもてはやされる時代が必ずやってくる」(「イオンの功罪」的場メモ2015年5月11日)

これ自体は結構な見解である。しかし、その主張者が地域に長年暮らしている住民を無視して、仕立てる賃貸@二子玉川を進めることは欺瞞である。しかも、仕立てる賃貸@二子玉川は東急電鉄(東京急行電鉄)との共同事業である。東急電鉄は東急不動産と共に二子玉川再開発(二子玉川ライズ)によって、ショッピングセンターやチェーン店ばかりの味気ない町にした張本人である。

イオンを批判する前に東急電鉄と二子玉川ライズを批判すべきである。告発動画「東急電鉄 NENGO「仕立てる賃貸@二子玉川」 的場メモ」では的場ブログのイオンを東急に読み替えている。「本当にその地域には東急が必要なのか」とすれば理解できる。

実際のところ、イオンは画一的な中央集権から「ローカルそれぞれの実情に合ったかたちで動いた方が強い」という方向にシフトしつつある(池田信太朗「イオンの変心」月刊日経ビジネスオンラインメール2015年5月12日)。小型スーパー「まいばすけっと」は地域住民に重宝されている。やはり二子玉川ライズのような再開発こそが時代遅れである。

株式会社NENGOのウェブサイトには「美しい国、日本」との表現がある。そのシンボルマークは富士山をモチーフにしており、「NENGOが目指す日本一の企業と、美しい国日本を表現しています」と説明する(2015年5月11日確認)。これは政治的文脈に置くと安倍晋三『美しい国へ』を連想する。経営者一族に岡田克也民主党元代表がいるイオンは批判しても、東急を批判しないことが腑に落ちる。

商店街のシャッター街化を防ぎ、個性的な街づくりを進めることはイデオロギーを問わず、多くの人々が認める課題である。多くの人々が認める課題ということは、その解決策と称して紛い物が唱えられる危険もある。既存住民を排除する「仕立てる賃貸@二子玉川」は、その典型である。住民の心理を動かす大きなポイントに共感と納得がある。「仕立てる賃貸@二子玉川」には共感も納得もない。


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