書評『株とチャートでお金持ちになる!』

林田力

菅下清廣『株とチャートでお金持ちになる!』(実務教育出版、2016年)は国際金融コンサルタントによる株式投資の書籍である。タイトルはえげつないが、中身は真っ当である。投資に対する基本姿勢から、具体的なチャートの読み方まで書かれている。

本書は株式投資が最もポピュラーで誰にでもできる投資であると指摘する。何しろ手っ取り早く投資を成功させる方法は「自分の好きな会社を選ぶ」ことと指摘する(36頁)。好きな会社に投資して利益を得る。これは楽しい作業である。

逆に言えば嫌いな会社には投資すべきではないとなる。消費者や労働者にブラックな企業は回り回って株主にもブラックである。株主に配当するために消費者・労働者無視の利益至上主義の企業の存在が指摘されるが、それは心得違いとなる。

投資で問題になることは損失時の対応である。本書は塩漬けを「これはもうバツです」と否定する(165頁)。そのために一割下がったら売却するなどの損切りポイントを予め設定し、機械的に損切りすることを推奨する(170頁)。これは多くの株式投資の書籍の指摘と重なる。

これを踏まえると流動性が低く売りたい時に売りにくい不動産投資は投資の選択肢に入らないと結論できる。本書では最後に「株以外の投資でおすすめの投資はありますか」の質問があるが、不動産投資は言及もされていない(211頁以下)。

本書は坂田五法などチャートの読み方を紹介する。チャートの読み方は奥深い。最近は人工知能や機械学習が注目され、将棋や囲碁で人間のプロを負かせたことがニュースになっている。コンピューターでチャートを分析させれば株価を予測できるのではないかと感じた。