書評『消費社会論』

林田力

間々田孝夫『消費社会論』(有斐閣、2000年)は大学のテキストとして書かれた書籍であるが、消費者にとっても面白い。消費社会は豊かさという反面、無駄遣い、浪費というマイナス面がある。

このマイナス面は企業が広告宣伝などによって欲望を生み出し、消費者に無駄な買い物をさせているとの主張がある。これは納得である。その最悪のパターンはFJネクストなどのマンション投資の勧誘電話だろう(林田力『FJネクスト迷惑電話』Amazon Kindle)。

但し、この企業が欲望を生み出すとの主張は仮説であって実証的な裏付けが乏しいものである。それは、その通りだろう。強制力を発動して買わせるものではない以上、万人が従うものではない。それでも企業が無駄な消費を煽るとの主張は経験則から納得できる。物理的な因果関係のようなものではないが、企業が煽ることによる消費者被害があるという前提で消費者問題に取り組むべきである。

難しい点は消費者主権という思想の位置付けである。消費者主権は素晴らしいことである。実現すべき内容である。一方で消費者主権を強調すると、企業に煽られて無駄な買い物をする消費者被害は認めにくくなってしまう。何故ならば消費者が主権者であり、主体的に意思決定して購入判断するならば、悪徳業者に騙されるという話でなくなってしまうためである。消費者主権は悪徳業者の責任回避の論理として使われる危険性を有している。

消費者主権の理想は大切にしたいが、消費者問題のリアリズムから目を背けてはならない。



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