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林田力『東急不動産だまし売り裁判』新聞 テレビ・芸能

 

篤姫... 1

『篤姫』「姑の心嫁の心」... 1

「篤姫」過去とつながる現在... 2

ドラマ... 3

希望のある感動作「みゅうの足パパにあげる」... 3

【ドラマ】「ブラッディ・マンデイ」余韻が残る最終回... 4

戦前の欠陥を描く「落日燃ゆ」... 4

MR.BRAIN」第6話、空が奪われる悲しみ... 5

【テレビ評】華麗なるスパイ第5話、華麗なるコスプレ... 6

テレビ番組... 7

M-1グランプリ】好テンポのNON STYLEが優勝... 7

【紅白歌合戦】マンネリ打破の曲順が白組の勝因... 8

芸能... 9

ロックバンドCASCADEが再結成... 9

『ジャニーズ愛』の感想... 10

日本リアリズム写真集団江東支部写真展開催... 10

モーニング娘。... 11

加護亜依にモーニング娘。の原点を見た... 11

元モー娘。矢口真里がブログ開設... 12

元モー娘。辻希美がブログ開設... 13

 

 

篤姫

『篤姫』「姑の心嫁の心」

NHK大河ドラマ『篤姫』は第38回「姑の心嫁の心」を2008921日に放送した。タイトルの「姑の心嫁の心」は朝廷と幕府の融和のために将軍家茂(松田翔太)の上洛を薦める天璋院(宮崎あおい)と、家茂が一層苦しい立場に置かれることを懸念する和宮(堀北真希)とのすれ違いを表している。

『篤姫』は幕末を扱った数多くある作品の一つであるが、明治維新の原動力となったか下級武士ではなく、江戸城大奥の頂点にいた人物から描いている点が特徴的である。大奥という特殊な世界が主人公の居場所であるため、幕末の事件についての描写は浅くなりがちである。しかし、それ故に簡潔な説明になり、かえって歴史の流れを理解しやすい。

今回の放送では京都では長州の勢力が強まったことを説明し、それを島津久光(山口祐一郎)が苦々しく感じながら国元に帰っている。後に薩摩藩は会津藩と組み、長州藩追放クーデター「八月一八日の政変」を主導することになるが、薩長の対立の背景が短いながらも、よく理解できる描写になっている。

幕末の動乱に直面している下級武士の視点ではなく、一歩引いたところから描写する。それによって複雑な幕末の動きも分かりやすくなる。このような点も『篤姫』の人気の一因であると考える。

 

「篤姫」過去とつながる現在

NHK大河ドラマ「篤姫」が20081214日の放送の最終話「一本の道」で完結した。幕末に薩摩藩から江戸幕府13代将軍・徳川家定に嫁いだ天璋院篤姫(宮アあおい)を主人公とした物語である。幕末物は視聴率が伸びないというジンクスを見事に裏切る高視聴率を記録した。

「篤姫」の優れている点は脚本の緻密さである。大河ドラマは1年間、全50話という非常に長いドラマである。民放のドラマの4倍であり、物語の前半と後半では舞台や状況が大きく異なってしまうことも多い。

特に大河ドラマは歴史上の業績のある人物の一生を描くことが多い。少年時代と老年時代では本人も周囲も社会も大きく変わっている。歴史的な偉業を成し遂げた人は人生の変転も大きい。このため、一つのドラマとしての統一性・一貫性に欠けてしまう危険がある。

篤姫の人生も激動の人生であった。薩摩藩主・島津家の分家である今和泉家・島津忠剛の娘として生まれながら、薩摩藩主・島津斉彬の養女となり、徳川家定の御台所となる。明治維新では江戸城無血開城のために大奥を立ち退くことになる。特に薩摩の少女時代と将軍家への輿入れ後では環境が大きく異なる。

しかし、本作品は異なる環境で新しい話を進めるのではなく、過去のエピソードが新しい環境においても活かされている。最終話のサブタイトル「一本の道」は於一(篤姫)が斉彬の養女となる際に女中・菊本(佐々木すみ江)が語った「女の道は一本道」から来ている。

戊辰戦争に際しては幾島(松坂慶子)が再登場して天璋院のために行動した。さらに西郷隆盛(小澤征悦)に江戸総攻撃を思い止まらせたのは、天璋院が勝海舟(北大路欣也)に託した斉彬の手紙であった。また、最終話では天璋院は薩摩から来た母親・お幸(樋口可南子)と兄・忠敬(岡田義徳)と再会する。京都に戻った静寛院(堀北真希)や、大奥を離れた滝山(稲森いずみ)、重野(中嶋朋子)らとも再会する。

人との別れとは、小松帯刀(瑛太)の台詞にある「また会う楽しみのために一時離れ離れになること」であることを物語が実証した形になっている。過去が現在つながっており、波乱の人生を上手にまとめた作品として高く評価したい。

 

ドラマ

希望のある感動作「みゅうの足パパにあげる」

本作品は『24時間テレビ 「愛は地球を救う」』(日本テレビ)内で2008830日に放送されたチャリティー・ドラマである。山口隼人の同名の著書を原作にし、松本潤が主演する。CIDP(慢性炎症性脱髄性多発神経炎)に診断された父親の闘病記である。体が動かなくなる病気に侵され、絶望するが、妻と娘に支えられ、家族に助けられることも必要と気付いていく。

前半はコメディタッチで展開し、随所で笑わせてくれる。後半は重い展開となるが、この種のドラマでありがちな、ひたすら、お涙頂戴ではなく、考えさせられ、元気になれる内容である。

例えば隼人は最初の病院でギラン・バレー症候群と診断される。しかし、隼人の病状は医者の当初の説明と異なる経過をたどる。それでも医者は見直そうともせず、疑うことさえ許さない雰囲気を出していた。

しかし妻・綾(香里奈)が押し切り、セカンド・オピニオンを受けさせる。これは勇気ある決断であり、中々できることではない。最初の医者の説明を盲信していたら、と考えると恐ろしい。リハビリもせずに、ずっと病院のベッドで寝たきりになっていただろう。

ここにはセカンド・オピニオンの重要性という社会的な視点が含まれている。最初の医者が無能で、二番目の医師・黒瀬和夫(松重豊)が名医であったという単純な問題ではない。黒瀬医師が正確に診断できたのは、神経や筋肉を採取して厳密な検査を行ったためである。

ドラマでは麻酔もかけずに採取するシーンが描かれており、明らかに痛そうであった。患者にとってセカンド・オピニオンといえば複数の医者を天秤にかけるようなイメージを抱くかもしれないが、実は患者にとっても大変であり、覚悟がいることである。最初の医者と同じ検査しかしなければ、黒瀬医師も同じ誤診を下した可能性がある。

また、焦燥感からリハビリに励む隼人に、黒瀬医師は「できない自分を認めること」が大切と諭す。「24時間テレビ」ではマラソンのように、ひたすら頑張ることを美徳とする傾向もある。それが一つの美徳であり、感動を呼ぶ側面を有していることは否定しない。

しかし、特殊日本的な「頑張りズム」は本当に苦しむ人達には苦痛であり、有害であることもある。本作品で一貫して描かれていたのは、病気そのものの苦しみよりも自己嫌悪や負担をかける家族に対する罪悪感であった。カウンセリングの世界では常識化している事柄になるが、自分を認めることが出発点になる。

24時間テレビのドラマは最後には亡くなってしまう話が少なくないが、今回は幸福を感じられる結末であった。教会式の結婚式では「健やかなるときも、病めるときも」相手の真心を尽くすことを誓うが、その通りの夫婦を松本潤と香里奈が熱演していた。実話の家族も元気そうで、観ている側が元気をもらえるドラマであった。

 

【ドラマ】「ブラッディ・マンデイ」余韻が残る最終回

テレビドラマ「ブラッディ・マンデイ」が20081220日放送の第11話「今夜0時東京壊滅テロ宣言へ!!生死を懸けた終幕へ」で最終回を迎えた。週刊少年マガジンで連載中の龍門諒原作・恵広史画の漫画を原作とし、1011日からTBS系列で放送されていた作品である。

本作品は高校生ながら天才的なハッカーである高木藤丸(三浦春馬)が、そのハッキング能力を駆使してテロリスト教団に立ち向かう物語である。ハッキングやウイルス、中性子爆弾、テロ、裏切りと盛りだくさんの内容になっている。最終回では教団の首謀者Kが実は藤丸の同級生の安斎真子(徳永えり)であり、「宝石箱を開ける」という最終計画を遂行しようとする。それを阻止するために藤丸らは奔走する。

藤丸とKの対決では、藤丸はKを「人殺し」と批判する。これに対し、Kは「1人を殺すことで1000万人の命を救える」と難問を突きつける。この対決は霧島悟郎(吉沢悠)の登場により都合よく解決することになる。藤丸は最後まで青臭いままで、自分の手は汚さない。御都合主義的と批判されるかもしれないが、主人公が高校生であることを踏まえれば却ってリアリティがある。

テロリスト教団にはKの他にも、天才的数学者にして参謀のJ(成宮寛貴)や金で雇われた折原マヤ(吉瀬美智子)のような曲者揃いである。この二人はK以上に悪役然としていた。それ故に、この二人との決着がつかない結末は勧善懲悪物としてはフラストレーションが溜まる。特にJについては、彼の思惑通りに展開しており、藤丸はJに利用され出し抜かれている。大団円の最終回というよりも、第一幕閉幕という印象を受ける。

最終回の演技や演出についても語っておきたい。演技では本作品が連続ドラマ初主演となる三浦春馬が光っていた。妹の遙(川島海荷)から「今年のクリスマスは三人(注:父親・兄・自分の家族全員)一緒だね」と話しかけられ、回答に窮する切ない心情を上手く表現していた。後に遙も真実を明確に知ることになるだろうが、そこは視聴者の想像に委ねている。

演出ではJが消えてメロンソーダだけが残るシーンにケレン味を感じた。Jは法律上死亡したことになっている人間である。そのため、「僕はどこにでもいてどこにもいない。存在しないはずの人間だからね」と語っている。このJの発言を、Jを消すことで上手く映像化した。残されたメロンソーダが、確かにJが存在したことを示している。

総じて最終回は余韻を残す終わり方になった。現在、原作漫画は佳境を迎えているところであり、結末は見えていない。この段階でのドラマ化であるため、全てが明快に説明されないのは、ある意味仕方ない。スケールが大きすぎて消化しきれなかった点については続編やスピンオフを期待したい。

 

戦前の欠陥を描く「落日燃ゆ」

テレビ朝日は開局50周年記念ドラマスペシャルと銘打って「落日燃ゆ」を2009315日に放送した。「落日燃ゆ」はA級戦犯として絞首刑に処せられた唯一の文官・廣田弘毅(広田弘毅)元首相の生涯を描いた城山三郎の同名小説をドラマ化した。

廣田弘毅は外相や首相として戦争の拡大に対して消極的な姿勢を貫いた。しかし軍部の横暴を止めることはできなかった。首相時代に軍部大臣現役武官制を復活させ、近衛内閣の外務大臣の時に日中戦争が開始されたことなどから、日本の敗戦後は連合国軍からA級戦犯として訴追され、対立していた軍人達と共に処刑されてしまう。

テレビ朝日はドラマ化の意図を「“日本が戦争に突き進んでいってしまった状況”をもう一度平成に生きる視聴者に伝えたい」とする。その目的は本作品で達成できたと評価する。本記事では3点指摘したい。

第一に戦前の政治体制の欠陥を上手に表現している。軍部は統帥権の独立を叫び、政府の指示に従わなかった。また、軍部大臣武官制があるために軍部が大臣を引き上げれば内閣は総辞職に追い込まれた。首相といえども制度的に軍部を抑えることはできない政治状況が理解できる筋書きになっていた。

第二に、そのような明治憲法の欠陥を突いて政治に介入する軍人の異常さを際立たせている。ドラマで登場する軍人(特に陸軍軍人)は、怒鳴り散らすだけで他人の話を聞かない典型的な帝国軍人ばかりである。ドラマでは廣田が獄中で軍隊を廃止した日本国憲法を評価するシーンがある。平和憲法の狙いは二度と戦争が起きないようにすることにあるが、戦力不保持には帝国軍人という非論理的な集団を社会的に否定するという意義も見出せる。軍人という存在自体にウンザリしていたというのが日本国憲法制定当時の良識ある日本人の率直な思いであったと考える。

第三に日本の戦争責任を考える上で避けては通れない大元帥・昭和天皇の戦争責任についてもヒントを与えてくれる。昭和天皇は廣田が首相に就任した時だけ、他の首相就任時とは異なり、「名門を崩すことのないように」と注意した。廣田は石工の息子で、名門の出ではなかった。ここには昭和天皇の廣田への否定的な感情がうかがえる。昭和天皇を擁護する立場からは天皇自身は戦争の拡大に批判的であったと説明されることが多いが、軍部を抑えて戦争回避に取り組む廣田を助けるものではなかったことは確かである。

本作品は夫婦の絆を中心とした人間ドラマとして美しく描きながらも、お涙頂戴で終わらせず、戦前の政治体制の問題点に迫った力作である。

 

MR.BRAIN」第6話、空が奪われる悲しみ

TBS系列で放送中のテレビドラマ「MR.BRAIN」は2009627日に第6話「変人脳科学者VS悲劇の多重人格トリック!! 脳トレは嘘発見器!?」を放送した。「MR.BRAIN」は警察庁科学警察研究所に所属する九十九龍介(木村拓哉)が脳科学を駆使して難事件を解決するミステリーである。

6話は15年前の誘拐事件に端を発する悲しい話である。第5話の後半から始まった事件が完結する。今回のテーマは多重人格であるが、仲間由紀恵の多重人格の演技には脱帽した。凶暴な別人格「俊介」は「ごくせん」でヤンクミを演じた賜物だが、表情だけで3つの人格を演じ分けたのは見事である。「ジキル博士とハイド氏」のように両極端な二重人格ならば想像しやすい。しかし3つの人格を演じ分けることは至難の業である。

今回の真相解明には前回の発表会で九十九が発表した「青と赤」の先入観に基づく実験が関係する。このドラマは事件毎のオムニバス形式を採りつつも、実は背後には連続性が感じられる。それが視聴者を継続的に引き続ける要因である。秋吉かなこ(仲間由紀恵)の服や収容された部屋は絵画的なほど真っ白になっており、このドラマでは色が重要な意味を有するように思われる。

真実を追求する九十九や刑事の丹原朋実(香川照之)にはやり切れなさが残る。それでも九十九の「どんなに辛い真実よりも隠されるよりはマシ」という台詞は感動的である。私は大手不動産会社から不利益事実(隣地建て替え)が隠された新築マンションをだまし売りされた経験がある。不利益事実の存在と同じくらい、不動産会社が不利益事実を説明されずに販売したことが許せなかった。この経験があるために九十九の台詞には大いに共感する。

15年ぶりに見た空に感動し、それを奪った人達が許せなかった」という犯行動機にも納得できる。隣地建て替えにより記者のマンションは日中でも深夜の如く真っ暗となってしまった。その時の絶望感や無念さを知っているため、犯人の気持ちも多少は理解できる気がする。被害者が加害者になってしまう悲しさを実感した。

 

【テレビ評】華麗なるスパイ第5話、華麗なるコスプレ

日本テレビ系列で放送中のテレビドラマ「華麗なるスパイ」は2009815日に第5話「極上イタリアンへようこそ!美食料理長の殺人レシピ」を放送した。「華麗なるスパイ」は詐欺師・鎧井京介(長瀬智也)が日本政府の秘密諜報部の工作員となってテロを阻止するスパイコメディーである。今回のミッションは料理にカプセル爆弾を入れることによる暗殺の阻止である。

ナンセンスな設定で笑いどころは多い。戯画化したヒトラーのようなテロリスト・ミスター匠(柄本明)や張り込み中にバナナを食べる来栖健一(世界のナベアツ)など漫画チック名キャラクターが多い。今回の放送では京介が上に入ったロッカーが上に飛ぶシーンやトマトで寿司を作るシーンが笑いを誘う。また、料理に仕込む暗殺用カプセルが食べれば気付くくらいの大きさであることや、ミシュラン的なレストラン格付けガイドの覆面調査員が調査員風のバレバレの格好で覆面になっていないことなど突っ込みどころも満載である。

一方でストーリーは視聴者の期待をかきたて、良い意味で裏切るように丁寧に作られている。真犯人は誰なのか、怪しさを仄めかしはするものの、最後の最後までミスリードさせる。食事の意義(大好きな家族や大好きな仲間と食べるからおいしい)やレストランのあり方(格付けの星を目指すのではなく、家族や友人が楽しく食べられる店を目指す)についてのメッセージも込めている。京介と内閣総理大臣(渡哲也)の会話などシリアスな見せ場もあり、長瀬智也のギャグとシリアスの落差を楽しめる。

京介は天才詐欺師の設定であるが、ドタバタコメディであるために天才ぶりは感じられない。その代わりに変装が華麗である。今回はレストランが舞台であり、人気漫画『美味しんぼ』の海原雄山風のコスプレである。ウエイトレスに扮した諜報部員・ドロシー(深田恭子)の人形のような端正さにも惚れ惚れする。

「華麗なるスパイ」は1話完結型の展開だが、登場人物の過去を小出しにしており、連続ドラマとして盛り上がってきている。京介と総理大臣、ミスター匠の間にどのような関係があるのか、今後の展開を期待したい。

 

テレビ番組

M-1グランプリ】好テンポのNON STYLEが優勝

M-1グランプリ2008」決勝戦が20081221日、テレビ朝日で開催され、NON STYLEが優勝を飾った。M-1グランプリは結成10年以内の漫才コンビ日本一を決める大会である。最終決戦にはオードリー、NON STYLE、ナイツが駒を進めた。

今年の大会では下馬評で有力視されていたキングコングが最終決戦に進めないという波乱もあった。やや上がり気味であった昨年と比べ、今年のキングコングは安定感があり、レベルアップが感じられた。それ故に最終決戦に進めないという結果は意外であった。

審査員からは「技術はあるが、ハートを置き忘れている」と指摘されたが、キングコングは既に若手が持つパッションで突っ走る段階を卒業していると見ることもできる。若手向けのグランプリには相応しくないとしても、芸が円熟したと肯定的に評価できる。

また、「笑いをとるまでの前振りが長過ぎた」と指摘された。これはキングコングが漫才ライブ「KING KONG LIVE」を精力的にこなし、舞台慣れしてしまった結果かもしれない。時間が短いテレビではネタをコンパクトにまとめる必要がある。これはテレビ向けでないということを意味するに過ぎず、漫才師としての実力を損なうものではない。

キングコングのM1にかける情熱は強く前宣伝されていたために、記者は「ヤラセ」的な要素がないか、厳しい視線でキングコングを見ていた。しかし、M-1グランプリでは彼らの安定した実力を示した。それでも最終決戦には残らなかった。そこには大会の厳しさと審査の健全性が感じられる。

記者が一番笑ったコンビは敗者復活から勝ち上がったオードリーである。決勝戦で披露したネタは若林正恭の住宅の悩みであった。記者は不利益事実(隣地建て替えなど)を説明されずに東急不動産(販売代理:東急リバブル)から新築マンションを購入し、裁判トラブルになった経験がある。

故に住宅問題は人一倍関心がある。そのため、若林の話を真剣に聞くが、春日俊彰が的外れなボケや突っ込みで混ぜっ返すために話が中々進まない。真剣に聞いているだけに変なことを言われると思わず笑ってしまう。最後は「物件選びは妥協するな」と至極もっともな結論を持ってきている。社会派的な感覚もあるコンビである。

一方でオードリーの面白さは「このような漫才があるのか」という驚きに起因する面が大きい。正統派というよりは異端である。その意味でテンポの良かったNON STYLEの優勝は穏当な結論と考える。優勝したコンビも敗退したコンビも各自の実力を発揮できた大会であった。今後の活躍に期待したい。

 

【紅白歌合戦】マンネリ打破の曲順が白組の勝因

大晦日恒例の「第59NHK紅白歌合戦」が20081231日、東京・渋谷のNHKホールで開催された。テーマ「歌の力 人の絆」に相応しく歌を前面に出した番組となった。別室での生演奏の仕組みを紹介するなど歌番組としての工夫が見られた。

今回の特徴は歌唱の順序である。従来は、その年に勢いのあった初登場歌手がトップバッター、大物歌手が大トリを務めた。ところが、今回は浜崎あゆみがトップバッター、氷川きよしが大トリを飾った。これによってマンネリを打破し、歌の力で番組を盛り上げることに成功した。

特に大トリの氷川きよしが「きよしのズンドコ節」を熱唱することで、一体感を持って明るく締めくくったことは白組優勝の原動力になった。紅組もアイドル的人気を有するテクノユニットPerfumeや再結成したSPEED、「手紙 〜拝啓 十五の君へ〜」を感動的に歌ったアンジェラ・アキのように盛り上がりの要素はあった。しかし、順番的には中ほどに集中しており、審査時のインパクトは弱かった。

これに対し、白組は船のパフォーマンスで迫力を見せた北島三郎、別会場ならではの迫力あるパフォーマンスを見せたMr. Childrenのように後半の好演が光った。また、森進一の「おふくろさん」も歌唱禁止解禁後の披露ということで注目された。そして大トリの氷川きよしの熱唱で紅組に止めを刺した格好であった。

今年の紅白歌合戦に感じられたことはNHKのみならず、テレビ界を締めくくる番組との自負である。テレビの世界には他局の話はしないというお約束があるが、紅白歌合戦では他局も含めた2008年のテレビの集大成の様相を示した。

それはフジテレビ系のバラエティ番組「クイズ!ヘキサゴンII」から誕生したユニット「羞恥心with Pabo」が出場しただけではない。緒形拳を追悼するコーナーでは民放ドラマ「風のガーデン」が遺作であり、その主題歌が平原綾香が歌う「ノクターン」あることを紹介した。ジブリ映画のテーマ曲のコーナーもジブリと日本テレビの蜜月を踏まえればNHK的ではない。

この傾向については視聴率獲得のためのなりふり構わぬ手法と批判的に指摘されることもある。しかし、紅白歌合戦がNHKという一放送局だけではなく、日本のテレビ界の年末を代表する番組であるとの自負心から来る余裕と肯定的に評価したい。

他局の流行にも目を配った今回の紅白であるが、社会を振り返るという点では弱かった。ブラジル移民100周年と新宿・コマ劇場閉鎖くらいである。2008年はリーマン・ショックや派遣切りなど先行きの不安を強めた年であった。しかし、そのような要素は番組には見られなかった。前後半の間に挟まれたニュース番組でボランティアが非正規労働者に炊き出し支援をしていると報じていた。番組内のお祭り騒ぎと非常に対照的であった。

唯一の救いはゲスト審査員の姜尚中・東京大学大学院教授の「歌で仕事にあぶれている人達が勇気付けられるといい」という感想であった。紅白歌合戦には暗い話題は相応しくない。しかし、非正規労働者の苦しみを別世界の話として切り離してしまうならば、紅白歌合戦は今を楽しめる状況にある人達だけの番組となってしまう。それは格差社会を肯定することになる。エンターテイナーは楽しませることが仕事である。不況だからといって深刻そうにするのは正しくないが、社会性を置き忘れてはならないと考える。

 

芸能

ロックバンドCASCADEが再結成

ロックバンドのCASCADE2009214日に再結成を発表した。バンド復活ブームと言われているが、また一組加わったことになる。

CASCADE1995年に音楽オーディション番組「えびす温泉」(テレビ朝日系列)で5週連続勝ち抜いたことをきっかけにメジャーデビューし、20028月に解散した。公式ウェブサイトでは復活の動機を「やり残したことがいっぱいある」とする。ちなみに2008年に再結成したユニットDo As Infinityの動機も「まだやり残したことがある」であった。

復活したCASCADEの参加メンバーはTAMA(ヴォーカル)、MASASHI(ギター)、HIROSHI(ドラム)の3人である。オリジナルメンバーのMAKKO(ベース)は不参加だが、その点については「何度も話し合った末のことだ。自分が歩む道を自分で決める権利は誰にでもある」と述べている。

復活後の活動として415日に新曲2曲を含む5曲入りのミニアルバムをリリースし、66日には恵比寿リキッドルームでライブ「えええぢゃないか」を行う予定である。

最近は男性がバレンタインデーにチョコレート(逆チョコ)を贈るようにもなっているが、バレンタインデーの復活発表はファンには最高のバレンタインプレゼントとなった。SNSサイト「ミクシィ」(mixi)では214日のキーワードランキングでは「CASCADE」が堂々の1位になるほどの盛り上がりを見せた。2位の一般的な行事「Valentine」を差し置いてバンド名が1位となった。

CASCADEは「えびす温泉」での登場時は前衛的なロックバンドとして、大きな衝撃を与えた。例えば曲「kill me stop」は「kill me stop」という歌詞が延々と繰り返されるだけである。実験的な曲をストックしているというだけでなく、そのような曲をオーディション番組で披露したという点が驚きである。

その時の衝撃と比べると、メジャーデビュー後は商業的に大成功を収めたというよりも一部から熱狂的に支持されるニッチなバンドとしての印象が強かった。CDセールスが全体的に低迷する現在においては、熱狂的なファンを持つニッチなバンドの方が強みを有する。その意味でCASCADEの復活は時宜を得ている。「何をやり残していたかはこれからの活動で示します」と語る彼らの今後に期待したい。

 

『ジャニーズ愛』の感想

本書はジャニーズのアイドル達に救われ、幸せになった30人の心温まる体験談を集めた書籍である。本書は同じ出版社(データハウス)の『浜崎あゆみの秘密』のような芸能人を特集したものではない。ジャニーズのアイドルを応援するファンやファンの周囲の人々が物語の中心である。

本書で取り上げたファンが応援するアイドルは過去に活躍した初代ジャニーズや光GENJIから、現在活躍中のSMAPや嵐など幅広い。そのためにファンの世代も幅広いものになっている。祖母・母・娘の3代に渡るジャニーズファンの物語もある(87ページ)。

本書で取り上げたファンにとってジャニーズのアイドルは「カッコいいから好き」という以上の存在である。アイドルや彼らの歌がファンの人生に大きな影響を与えている。冒頭から娘を交通事故で亡くした母親の話が登場しており、想像した以上に重たい話が多かった。

私が最も印象に残った話は「ガテンの心意気」である(67ページ以下)。経済的事情から鉄筋工をしている若い女性が同年代の女性達から「蔑みの目。哀れみの目。優越の目。」を向けられたが、同じアイドルグループのファンと知ると見えない壁が消えていった。

現代日本は格差社会と呼ばれるが、日本の勝ち組は程度が知れている。ホテルのバーで毎晩のように散財した世襲政治家は空気も漢字も読めないKYであった。高級マンションに住み、高級レストランで食事し、高級な外車を乗り回したとしても、価格が高価になっただけで普通の市民生活の延長線上に過ぎない。そこには独自の文化と呼べるものはない。

結局のところ、格差とは経済格差(所得格差、資産格差、消費格差)のみであり、金銭さえあれば勝ち組になれるかのようである。そのような経済格差からの差別感情よりも、同じアイドルのファンであることによる連帯感の方が強固であることを「ガテンの心意気」は示している。ジャニーズから格差社会を打ち破る鍵が感じられた。

「あとがき」で著者は「この本はいろいろな人が明かしてくれた傷の集合」と述べている(186ページ)。本書の話は感動的なものばかりであるが、当人にとっては他人に話すことに勇気が必要なものも多い。取材を拒否した人の「わずかでも誤解されて面白半分に公表されるのって迷惑です」との言葉(184ページ)にも納得できる。その中で、これだけの話を集めた著者の仕事に感服する。

 

日本リアリズム写真集団江東支部写真展開催

日本リアリズム写真集団 写真展 江東区

いつか来た道への不安を表現

日本リアリズム写真集団(JRP)江東支部・第13回写真展「だぼはぜ」が2008624日から30日まで江東区文化センター(東京都江東区東陽)にて開催される。会員が過去1年間に撮影した代表的な作品を展示する。

JRP1963年に結成された団体で、写真の創造活動を通じて表現の自由を守り、日本の平和と民主主義に寄与することを目指す。アマチュア、プロ、初心者、ベテランの区別なく、写真を学び、撮り、発表する活動を展開している。

団体の性格に相応しく、展示された写真も社会性の強いものが多かった。たとえば「メタボな幸せ」と題された写真では肥満体であるが、健康的で幸せそうな生活を送っている人々を写している。

印象に残ったものは渡邊渡氏の「にっぽん『防衛?』今昔」と題された一連の写真である。品川台場跡の写真から始まり、日中戦争の兵士の写真、横須賀基地に停泊する米海軍の軍艦の写真などが並ぶ。

幕末の台場は列強の軍艦から江戸を守るために築かれたものであったが、明治以後は反対に日本がアジアを侵略した。敗戦後、平和憲法によって戦争放棄を誓った筈だが、防衛費支出の面では日本は世界有数の軍事大国となり、日米同盟は緊密さを増している。そのような状況に対する不安が撮影の動機と展示説明に書かれている。

同じ江東区文化センターでは624日から29日まで第16回江東区美術協会展も開催されている。ここでは日本画や洋画、切り絵など様々な美術作品が展示されている。

 

DSCF0216.JPG 江東区文化センター入口の看板

林田力(2008624日撮影)

 

モーニング娘。

加護亜依にモーニング娘。の原点を見た

加護亜依 モーニング娘。 モー娘。あいぼん

女優としての活躍を応援したい

オーマイニュース(OMN)が独占配信する元モーニング娘。(モー娘。)の加護亜依について考察したい。

モー娘。時代の加護は「あいぼん」のニックネームのとおり、可愛いらしい顔と声、愛らしいルックス、面白く明るい誰からも好かれる性格が印象的であった。一方で当意即妙な受け答えや幅白いモノマネのレパートリーなど芸達者な面も持ち合わせていた。

その点を踏まえれば、再出発にあたって女優を目指すことは、ごく自然な結論に感じられる。お子様キャラの「あいぼん」も良かったが、現在の落ち着いた清楚な雰囲気も魅力的である。是非とも女優として大成して欲しい。

加護の復帰については、OMNの果たす役割にも注目したい。OMNでは芸能界復帰に先駆け収録したインタビューを放送しただけでなく、復帰作となる香港映画「スーパーシェフ(仮題、原題:功夫厨神)」の撮影現場の映像も継続的に配信している。一過性で終わらせない取り組みを評価したい。

加護の復帰後の活動にはモー娘。の成長と重なる部分がある。モー娘。はテレビ東京系列のバラエティ番組『ASAYAN』で開催された「シャ乱Q女性ロックヴォーカリストオーディション」の最終選考で落選した安倍なつみ・中澤裕子・飯田圭織・福田明日香・石黒彩の5人により結成されたユニットである。CD手売り5万枚という厳しい条件を乗り越えてのデビューであったが、デビュー後も事務所や番組に翻弄され続けた。

好意的とはいえない環境の中でもモー娘。は国民的アイドルグループと呼ばれるまでに成長した。そこには加護ら4期メンバーに負うところが大きい。音楽面では3期メンバーの後藤真希加入後に発表された「LOVEマシーン」が一つの頂点となった。

これによってモー娘。が一躍全国区になったとはいえ、その後に4期メンバーとして、いきなり4人も新加入させることは大きな賭けだった筈である。知らない顔が4人も入れば誰が誰だか分からない状態になってしまう。折角、安倍なつみと後藤真希のツートップという核ができたモー娘。の人気を下げかねない危険があった。しかし、加護、石川梨華、吉澤ひとみ、辻希美の4期メンバーは個性と才能を発揮し、モー娘。を社会現象にまで押し上げていった。

厳しい環境の中で成長していったモー娘。の軌跡は、所属事務所の解雇後の芸能界に復帰した加護の今後ともオーバーラップする。そしてモー娘。に『ASAYAN』があったように、加護もOMNという新時代のメディアが映像を配信する。実に不思議な符合である。ある意味、加護亜依には今のモー娘。以上にモー娘。らしさがあるとも言える。

私は、たまたま『ASAYAN』で「シャ乱Qオーディション」を観ており、モー娘。が好きになった。ブラウン管の向こう側の存在に惹かれたのはモー娘。が初めてであった。

一方、私がOMNの市民記者になった動機は、最初の掲載記事にあるとおり、東急不動産(販売代理:東急リバブル)とのマンション紛争を明らかにすることにあったが、そのOMNで独占配信をしているのも不思議な縁である。たとえ了見の狭い世間が加護を受け入れなかったとしても、私は応援していきたい。

 

元モー娘。矢口真里がブログ開設

元モーニング娘。の矢口真里が20081114日、アメーバブログに公式ブログ「初心者です。」を開設した。12時に最初の記事「初めまして」を投稿し、20時の「フゥー」まで5件の記事を投稿するほどの力の入れようである。

矢口は19985月に第2期メンバーとしてモー娘。に加入した。モー娘。初の派生ユニット「タンポポ」に第2期メンバーで唯一抜擢されるなど、第2期メンバーの中でも目立つ存在であった。また、矢口がリーダーを務めた派生ユニット「ミニモニ。」はファン層を小学生以下に拡大させる契機となった。国民的アイドルグループに成長したモーニング娘。の黄金時代を体現している存在である。

矢口のブログ開設に先立つ200885日にモー娘。初代リーダーの中澤裕子が公式ブログ「なかざわーるど」を開設している。実は中澤と矢口はモー娘。メンバーの中でも関係が深い。中澤が矢口を可愛がっていることは有名だが、それだけではない。

矢口は20024月にニッポン放送のラジオ番組「allnightnippon SUPER!」のパーソナリティーを中澤から引き継いだ。「モーニング娘。矢口真里のallnightnippon SUPER!」では男子中学生リスナーの占拠率100%を記録するという快挙を成し遂げた。

20034月には同じニッポン放送の「中澤裕子のallnightnippon Sunday SUPER!」の後番組として「あなたがいるから、矢口真里」が始まった。また、中澤は2004年にTBS系列の昼のドラマ「ほーむめーかー」を主演したが、矢口も2006年にTBS系列の昼のドラマ「銭湯の娘!?」を主演している。

その中澤に続いてのブログ開設ということで運命めいたものを感じる。「初心者です。」は多くのコメントやペタ(SNSの足跡に相当)が寄せられ、大盛況である。ブログによってファンとの距離が縮まることを期待したい。

 

元モー娘。辻希美がブログ開設

元モーニング娘。(モー娘。)の辻希美が2009130日、アメーバブログ(アメブロ)に公式ブログ「のんピース」を開設した。初記事は2055分に投稿された「辻ちゃんです☆」で、ブログ開設の動機を「娘の希空(ノア)が昨年11月に1歳のお誕生日を迎え、少しずつ自分に余裕ができ初めた」ためとする。

アメブロでは同じく元モー娘。の矢口真里が「初心者です。」、保田圭が「保田系」を開設している。また、夫の杉浦太陽も「太陽のメッサ○○食べ太陽」を開設している。「ハロー!プロジェクト」から離れているが、石黒彩も「あやっぺのぶたの貯金箱」を開設している。特に矢口と杉浦はアメブロの芸能人・有名人ブログのランキング上位常連である。矢口が先鞭をつけた後に辻が登場するという流れは、ユニット「ミニモニ。」リーダーとしてメンバーを引っ張った矢口らしい。

辻は2000年に石川梨華、吉澤ひとみ、加護亜依と共にモー娘。第4期メンバーとして加入した。増員と卒業(脱退)を繰り返して成長したモー娘。であるが、第4期の増員は大きな賭けであった。既にモー娘。は『LOVEマシーン』『恋のダンスサイト』と立て続けにミリオンヒットを飛ばし、トップグループの仲間入りを果たしていた。

そこに新顔が4人も加わることになる。知らない顔が4人も入れば誰が誰だか分からない状態になってしまう。折角、安倍なつみと後藤真希のツートップという核ができたモー娘。の存在感を希薄化させかねない恐れがあった。しかし、石川、吉澤、辻、加護の4期メンバーは個性と才能を発揮し、モー娘。の黄金期を現出させることになる。

特に辻と加護は子どもチックな天真爛漫さが幅広い世代に親しまれ、低年齢のファン層の拡大に大きく貢献した。頭の回転が速く、ませているところもあった加護に比べ、辻は実年齢以上に幼いところがあった。自分の名前を「のの」「のん」と呼ぶところも、それを表している(ブログタイトルの「のんピース」もここから来ている)。

その辻のブログ開設には期待だけでなく、不安もあった。子ども然とした印象の強い辻が、たとえばブログで流麗な美文を披露したら、突然の妊娠発表並みにイメージが崩れるためである。しかし、それは杞憂であった。初投稿「辻ちゃんです☆」は「みなさん こんちには」と誤字から始まっている。辻ちゃんらしくて微笑ましいブログになっている。芸能活動を再開する辻を応援していきたい。