『誰も知らない』

林田力

『誰も知らない』(Nobody Knows)は無戸籍児の問題を描いた映画である。2004年公開の日本映画で是枝裕和監督作品である。実際に起きた巣鴨子供置き去り事件をモチーフにしている。豊かとされる日本に存在する貧困と格差の悲惨な現実を明らかにした恐ろしい作品である。

この作品の恐ろしい点は、いかにもという悪人が出てこないことである。子どもを学校に行かせず、最後は捨てる母親はとんでもないが、悪い人には描かれていない。東急不動産だまし売り裁判を出発点とした私にとって東急リバブル東急不動産のような社会悪を潰すことが問題意識の中心である。貧困問題においても貧困者を搾取するゼロゼロ物件や脱法ハウスのような貧困ビジネスの告発が主であった。そのような悪が見えにくい問題に深刻さを感じた。

本作品は映像作品としても興味深い。映像作品の限界は臭いを伝えられないことである。暴力的な作品が人殺しに爽快感を与えかねないという批判があるが、それも血の臭いを伝えられず、現実に存在する不快感を与えられないためである。

本作品では水道を止められ、洗濯できず、風呂にも入れないという悲惨な状況に陥る。臭いを伝えられない映像作品で、どこまで深刻さを伝えられるか腕の見せどころである。映画では肌についた汚れなどによって、それが伝わるようにしている。


林田力


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