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『バクマン。』第14巻、計算型の新人漫画家とガチンコ対決


大場つぐみと小畑健が『週刊少年ジャンプ』に連載中の漫画『バクマン。』第14巻が、2010年8月4日に発売された。『バクマン。』は亜城木夢叶のペンネームで活動する真城最高(サイコー)と高木秋人(シュージン)の漫画家生活を描く作品である。一握りの者しか得られない栄光を手にするため、険しい「マンガ道」を歩む決意をした二人。高い画力を持つ最高と、文才に長ける秋人がコンビを組む。ようやく軌道に乗った亜城木夢叶であったが、この巻では驚異的な新人・七峰透との対決が勃発する。

『バクマン。』の魅力は漫画出版業界の内幕を明らかにするリアリティにある。亜城木夢叶は実在の雑誌『週刊少年ジャンプ』に連載しているという設定であり、登場する編集者も実際の編集者をモデルとした人物ばかりである。『週刊少年ジャンプ』の読者アンケートの仕組みも明らかにされ、亜城木夢叶はアンケート上位を目指して奮闘する。

亜城木夢叶は毎週のアンケートの順位を気にしており、上位を獲得するために様々な試行錯誤を繰り返す。その勤勉さ・熱心さは漫画家の伝統的なイメージとは対照的である。手塚治虫や藤子不二雄のような巨匠でも、作品中に登場する漫画家の自画像は締め切りに追われるマイペースな存在であった。

ここに『バクマン。』のユニークさがある。ライバルの人気漫画家・新妻エイジを考えなくても描ける天才型とすることで、亜城木夢叶の計算型を際立たせた。一方で漫画が亜城木夢叶のように計算し尽して描かれていると知ることは、読者の漫画への愛着を萎えさせる面がある。この巻では亜城木夢叶以上に計算高い漫画家・七峰透を悪役として登場させることで、亜城木夢叶の漫画へのパッションを描いた。

亜城木夢叶はライバル漫画家達と激しい競争関係にあるが、切磋琢磨する仲間であるとの一線は守っていた。恋愛感情のもつれからドロドロ展開になりかねない秋名愛子(岩瀬愛子)との対決も、きれいにまとめられた。大まじめな秋名の言動が笑いを生むというユーモラスな効果もあった。それに比べると、七峰透との対決はガチンコ色が強い。緊迫感は従来以上であるが、物語を暗くしてしまう。

その暗さを補うスパイスが平丸一也のギャグパートである。平丸のような「働きたくない」型の漫画家もいることが、計算ばかりの漫画家像への食傷感の癒しになる。さらに懐かしのキャラクターの再登場によって、亜城木と七峰の対決の本編と平丸のギャグパートに接点が生じる予感で終わる。二つの話が結びつく次巻にも注目である。(林田力)



『バクマン。』第15巻、編集否定漫画家の自滅でジャンプの自己肯定

大場つぐみと小畑健が『週刊少年ジャンプ』に連載中の漫画『バクマン。』第15巻が、2010年10月4日に発売された。漫画制作の現場をリアルに描くことで話題の作品であるが、この巻も編集担当者を否定する漫画家との対決や漫画作品の模倣犯出現など際どいテーマを扱った。

この巻は前巻に引き続き七峰透との対決で幕を開ける。『週刊少年ジャンプ』上の連載でも七峰透との再戦に決着がつけられたばかりである。コミックスを読むと最近の連載内容に新たな気付きが生まれる。

七峰は漫画家と編集担当者の二人三脚という現在の漫画雑誌のあり方を真っ向から否定するシステムで挑む。『バクマン。』の中では七峰は悪役だが、担当が漫画を良くするよりも、漫画家をスポイルさせているとの主張は少なからぬ共感を得られるものである。

映画化も決まった『別冊少年マガジン』で連載中の人気作『進撃の巨人』の作者・諌山創は週刊少年ジャンプ編集部に原稿を持ち込んだところ、「『漫画』じゃなくて『ジャンプ』を持って来い」と否定されたという。また、『週刊少年サンデー』に『金色のガッシュ!!』を連載していた雷句誠はカラー原稿紛失を理由に出版社を提訴したが、その背景には「編集者が漫画家を見下している」という怒りがあった。

『バクマン。』でも主役の亜城木夢叶は担当の趣味によって意に添わない漫画を描かされた苦しみを味わっている。その意味で七峰の思想は単なる悪役のもの以上の価値がある。しかし、他誌以上に漫画家と編集の関係が強固な『週刊少年ジャンプ』において、自己否定になるような展開は考えにくい。七峰との対決が自滅という悪役としても恥ずかしい終わり方となったことにジャンプの思想が現れている。

七峰退場後は、アシスタントとして再登場した中井のエピソードになる。かつて主人公と共に切磋琢磨した仲間キャラを、そこまで救いがたい存在に変貌させる作者の思い切りの良さに脱帽である。ここでは怠惰な漫画家の役回りの平丸が熱さを見せる。

中盤は名作『あしたのジョー』のオマージュになっており、漫画好きにはたまらない。主人公は原稿を何度も編集部に持ち込んでは拒絶されるというプロセスを経ていないために、順風満帆なイメージがある。しかし、その裏には常人にはない努力があることを『あしたのジョー』の名台詞を使って描いている。

後半は漫画を模倣した犯罪者の出現による動揺を描く。『バクマン。』の作者コンビは、人気マンガ『DEATH NOTE』も手掛けたが、人を殺すノートを主題とした『DEATH NOTE』に対しても教育や道徳的な見地から批判が寄せられた。それを踏まえて読むと一層味わい深くなる。(林田力)


東急不動産(金指潔社長)ソリューション営業本部係長・高田知弘容疑者(逮捕当時36歳)が顧客女性に嫌がらせ電話を繰り返したとして2010年8月18日に逮捕された。高田容疑者は2009年12月から2010年6月に取引相手であったホテル運営会社社長の携帯電話に番号非通知設定で、嫌がらせ電話を繰り返した。嫌がらせ電話は、ほとんどが無言電話であったが、「壊れろ、壊れろ」という呻き声で女性を畏怖させたこともあったとされる。

林田力『東急不動産だまし売り裁判』

東急不動産消費者契約法違反訴訟を描くノンフィクション

 林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』(ロゴス社)は東急不動産(販売代理・東急リバブル)から不利益事実を隠して問題物件をだまし売りされた消費者(=原告・林田力)が消費者契約法に基づき売買契約を取り消し、裁判(東急不動産消費者契約法違反訴訟、東京地裁平成18年8月30日判決、平成17年(ワ)3018号)で売買代金を取り戻した闘いの記録。

 裁判における当事者と裁判官の緊迫するやり取りを丹念に再現。個人が不誠実な大企業を相手に闘うドラマがある!

 裁判と並行して明らかになった耐震強度偽装事件の余波や欠陥施工、管理会社・東急コミュニティーの杜撰な管理にも言及し、深刻度を増すマンション問題の現実を明らかにする。東急不動産のために働いた地上げ屋(近隣対策屋、東急不動産工作員)が暗躍し、住環境を破壊する高層マンション建築紛争と共通するマンション建設の闇に触れる。

林田力『東急不動産だまし売り裁判購入編』

 林田力『東急不動産だまし売り裁判購入編』は東急不動産(販売代理・東急リバブル)のマンションだまし売りの実態を物語るノンフィクションである。

 この裁判の経過は林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』(ロゴス社、2009年)で明らかにした。『東急不動産だまし売り裁判』はタイトルの通り、裁判をテーマとした書籍であり、提訴後の出来事を対象とする。問題物件の購入に至った経緯や問題発覚後の東急リバブル・東急不動産の不誠実な対応(これが両社への悪印象を決定的にした)には触れていない。その点を知りたいとの声が読者から少なくなかった。

 そこで『東急不動産だまし売り裁判購入編』では購入からマンションだまし売り発覚までの経緯を明らかにした。被害実態を理解できるように東急不動産マンションの写真も掲載した。また、東急不動産だまし売り被害経験を踏まえた住宅購入ポイントをまとめた。

林田力『二子玉川ライズ反対運動1』

林田力『二子玉川ライズ反対運動』(The Opposition Movement Against FUTAKOTAMAGAWA Rise)は二子玉川東地区再開発(二子玉川ライズ)に対する住民運動を記録したノンフィクションのシリーズである。東京都世田谷区の二子玉川(ニコタマ)では街壊しが進行中である。「二子玉川ライズ タワー&レジデンス」や「二子玉川ライズ オフィス」など東急電鉄・東急不動産ら東急グループの営利目的の再開発によって、二子玉川の貴重な自然と近隣住民の住環境が破壊されている。
自然と住環境を守るために住民運動側は住民集会や裁判、議会への陳情など様々な活動に取り組んでいる。『二子玉川ライズ反対運動1』では「にこたまの環境を守る会」「二子玉川東地区まちづくり協議会」ら住民団体の活動の一端を紹介する。
また、同じく二子玉川で起きている住民運動である多摩川暫定堤防や三菱地所玉川一丁目マンションへの反対運動についても触れた。『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』の著者である林田力が東京都に提出した二子玉川東第二地区市街地再開発事業計画(案)への意見書及び口頭意見陳述原稿も収録した。

林田力『二子玉川ライズ反対運動2』

林田力『二子玉川ライズ反対運動』(Opposition Movement Against FUTAKOTAMAGAWA Rise)は二子玉川東地区再開発(二子玉川ライズ)の住環境破壊の実態や反対住民運動を記録したノンフィクションのシリーズである。
『二子玉川ライズ反対運動2』は最初に二子玉川ライズがダメな理由を明らかにする。続いて裁判や集会など二子玉川ライズ反対運動の活動を述べる。二子玉川ライズ住民訴訟では実質和解という画期的な解決となった。パブリックコメントや新しいせたがやをめざす会など世田谷区政の動き、二子玉川ライズと同じく世田谷区の抱える開発問題である下北沢問題にも言及した。『二子玉川ライズ反対運動2』(Kindle)は『二子玉川ライズ反対運動2』(マイブックル)を全面的に再構成したものである。

林田力『二子玉川ライズ反対運動3』

林田力『二子玉川ライズ反対運動3』は二子玉川ライズ行政訴訟や二子玉川ライズ情報公開問題を明らかにする。続いて二子玉川ライズ問題に対する様々な観点からのオピニオンを掲載する。二子玉川ライズと東京スカイツリーや中野駅周辺再開発、海のピラミッド(熊本県)などの開発事業と共通する弊害を論じている。
その次は二子玉川ライズのビル風問題である。住民と世田谷区の緊迫感ある協議内容を収録している。さらに世田谷区議会を揺るがしたスキャンダル「二子玉川デジタル・コンテンツ問題」も記載する。『二子玉川ライズ反対運動3』(Kindle)は『二子玉川ライズ反対運動3』(マイブックル)を全面的に再構成したものである。

林田力『二子玉川ライズ反対運動5』

林田力『二子玉川ライズ反対運動5』(Opposition Movement Against FUTAKOTAMAGAWA Rise 5)は東京都世田谷区の二子玉川東地区市街地再開発(二子玉川ライズ)の問題を取り上げたノンフィクションの5作目である。『二子玉川ライズ反対運動5』では二子玉川ライズの弊害を再構成する。二子玉川ライズ2期事業控訴審や二子玉川ライズ2期事業に対する不服審査請求、住民と世田谷区の風害対策協議などを取り上げる。資料として二子玉川ライズ行政訴訟の裁判文書も収録した。

林田力『二子玉川ライズ住民訴訟 二子玉川ライズ反対運動6』

林田力『二子玉川ライズ住民訴訟 二子玉川ライズ反対運動6』(Residents' Lawsuit Against FUTAKOTAMAGAWA Rise; Opposition Movement Against FUTAKOTAMAGAWA Rise 6)は二子玉川ライズ住民訴訟にフォーカスした書籍である。二子玉川ライズ住民訴訟は東京都世田谷区の住民らが二子玉川東地区再開発(二子玉川ライズ)への公金支出差し止めを求めて世田谷区長を提訴した裁判である。

林田力『東急大井町線高架下立ち退き』

林田力『東急大井町線高架下立ち退き』(Driving out Inhabitants under the Elevated Railway of Tokyu Oimachi Line)は東急電鉄による東急大井町線高架下住民追い出し問題を取り上げたノンフィクションである。東急電鉄は東急大井町線高架下(ガード下)住民に一方的な立ち退きを要求している。Tokyu Corp. is driving out inhabitants and tenants under the elevated railway of Tokyu Oimachi Line.

林田力『二子玉川ライズ反対運動7』

林田力『二子玉川ライズ反対運動7』は2013年の二子玉川の環境を守る会総会や世田谷区予算で二子玉川ライズ補助金を支出することの問題点などを報告する。二子玉川ライズでのAV撮影という毛色の変わった住環境破壊の実態も取り上げた。各地のマンション建設反対運動についても紹介する。

林田力『東急コミュニティー解約記』

 林田力『東急コミュニティー解約記』(パブ―)はマンションの管理会社を変更し、管理委託費を大幅に削減した事例の記録である。東急不動産が分譲したマンション・アルス東陽町(東京都江東区)では管理会社を独立系の会社に変更した結果、管理委託費を年間約120万円も削減でき、変更から1年後には一般会計の余剰金を修繕積立金会計に繰り入れるまでになった。

 林田力はアルス301号室の区分所有者であった。物件引渡し後に不利益事実不告知が判明したため、売買契約を取り消し、裁判で売買代金を取り戻した(林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』ロゴス社)。売買代金を取り戻すまでは居住しており、管理組合理事長も務め、管理会社変更までの経緯にも関係していた。

 アルスでは売主・東急不動産の指定により、分譲当初から東急不動産の子会社の東急コミュニティー(東京都世田谷区)に管理を委託していた。管理委託費等は東急コミュニティーの言い値で決められている状況であった。しかし東急コミュニティーの杜撰な管理が次々と明らかになり、管理会社変更の機運が高まった。