林田力 amazonレビュー



脱原発「あなたの選択」プロジェクト2013


首都圏反原発連合(反原連Metropolitan Coalition Against Nukes)が脱原発「あなたの選択」プロジェクト2013のフライヤーを発行した。このフライヤーからは脱原発運動の一つの価値観を見ることができる。

「あなたの選択」フライヤーは10政党の原発政策を比較したものである。「私たち一人ひとりが各党の姿勢をよく見極めて、原発のない日本を選択しましょう」と呼びかける。具体的には各党の政策を「全原発を廃炉」「再稼動させない」「新増設させない」「原発輸出させない」「核燃料サイクルの中止」の6項目について◎、○、△、×の4段階で評価する。その上で政党を○、△、×で総合評価し、脱原発から原発存続・推進まで色分けする。

2013年7月5日現在、第2版がリリースされているが、既に第1版も流布している。この第1版については批判があった。第1版では全項目が◎となる政党が共産党1つのみで、特定の政党が一番という見方ができるものである。脱原発政党の中でも差がつけられている。

これに対して第2版では第1版で○と評価されていた項目が◎となり、全項目が◎となる政党が3つになった。但し、第1版で全項目が◎とされた政党は「各論も首尾一貫しており◎」となっているのに対し、新たに全項目が◎となった政党(緑の党)では「その他各論も◎」となっており、その違いが気になるところである。

また、フライヤーでは上段にいくほど脱原発政党、下段にいくほど原発存続・推進政党と配置するが、第2版で新たに全項目が◎となった政党でも2段目に配置され、全項目を◎としていない政党よりも下に配置する。

この点について反原連関係者に確認した。まず大目的は脱原発政党か原発存続・推進政党かを見極めることを求めたものとする。第1段も第2段に配置した政党も同じ背景色で、総合評価を○にしており、区別する意図はないとした。

管見は第1版には違和感がある。特定の政党を1番とすることは、シングルイシューの市民団体が掲げるシングルイシューについて幅広い支持を得るという戦略には逆行している。脱原発派でも「このようなビラは配りたくない」という人が出ることは理解できる。

シングルイシューの市民団体から見れば多くの政党に足りないところが見えてくることは当然であるが、幅広い支持を得るために駄目なところを指摘するのではなく、いいところを伸ばすという方針で臨むことも戦略である。この点、2012年末の「あなたの選択」フライヤーでも共産党の◎が一番多いが、各党のユニークな政策を紹介しており、各党の脱原発的傾向を伸ばそうという努力が感じられた。

第1版のようなフライヤーが出たことに対する最大の懸念は、市民運動が政党の下部機関に成り下がったのではないかという点である。現実に政党系の人物に乗っ取られ、その事実上の下部機関に成り下がってしまった市民運動も多い。それは市民運動の分裂と停滞を招く。但し、この点の懸念は私が確認した限りは、なさそうである。

すぐに第2版(訂正版)が出された点からも、それほど細かな点まで考えていなかったというところが実態であろう。それならば細かな点で紛議を招くようなことを書くべきではないとなる。だから第2版が出されたことになり、それで一応の解決になる。

しかし、第2版でも特定政党にだけ「首尾一貫しており」という評価をしており、依然として特定政党を最良とする価値観は存在する。これは裏返せば、それ以外の脱原発政党には首尾一貫していないところがあるという評価になる。

「あなたの選択」フライヤーは、あくまで反原連の評価である。フライヤーに「これは首都圏反原発連合の評価です。みなさんもご自身の目で各党の政策を確かめて下さい」と明記されているとおりである。それ故に、ここからは価値観の問題になるが、巨大科学技術への不信というような根っこの思想を評価せずに表面的に採点していることが違和感の原因である。

各論は◎、○、△、×の4段階評価であるが、これは優・良・可・不可ではない。◎は「ただちに脱原発」につながる政策であり、○は「中期的に脱原発」につながる政策としている。しかし、「ただちに脱原発」が「中期的に脱原発」よりも上等とは限らない。仮に一時的に「ただちに脱原発」が達成できても、脱原発の社会的基盤が存在しなければ原発は復活する。「ただちに脱原発」が正当化されるならば、それは原発に緊急の危険があるためである。それならば危険に対処する何らかの措置を行えば再稼動となる。現実に日本社会では原発ゼロを達成した時期もあったが、すぐに大飯原発が再稼動された。

反対に中期的な脱原発政策によって脱原発の社会的基盤が実現すれば、それによって生まれた脱原発は強固なものになる。故に中期的な脱原発政策こそ重要との見方も成り立つ。これは反原連の思考様式を知る上で興味深い。もともと管見は脱原発運動家が電力自由化に不熱心な傾向があることに疑問を抱いていた。脱原発の社会的基盤を作るためには原発で儲からない社会にする必要があり、そのために電力自由化が必要である。しかし、「ただちに脱原発」を求める立場ならば、電力自由化による脱原発という中期的戦略に興味がなくても当然である。

「ただちに脱原発」よりも「中期的に脱原発」の方が重要という立場ならば、◎ではなく、○を付けられたとしても怒ることではなくなる。しかし、一般的な感覚では◎、○、△、×は優・良・可・不可であり、その点で批判が出てくるものである。

「あなたの選択」フライヤーは、良くも悪くも反原連の主観が表明された評価である。数ある脱原発運動の中の一つであり、脱原発派の最大公約数的なものではない。反対に脱原発派の中の根本的な思想の違いを発見できるものである。しかし、それで脱原発派同士で対立することは建設的ではない。第1版には問題があるものの、各政党の原発政策を見極めて投票して欲しいという反原連の意図は評価する。


東急不動産(金指潔社長)ソリューション営業本部係長・高田知弘容疑者(逮捕当時36歳)が顧客女性に嫌がらせ電話を繰り返したとして2010年8月18日に逮捕された。高田容疑者は2009年12月から2010年6月に取引相手であったホテル運営会社社長の携帯電話に番号非通知設定で、嫌がらせ電話を繰り返した。嫌がらせ電話は、ほとんどが無言電話であったが、「壊れろ、壊れろ」という呻き声で女性を畏怖させたこともあったとされる。

林田力『東急不動産だまし売り裁判』

東急不動産消費者契約法違反訴訟を描くノンフィクション

 林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』(ロゴス社)は東急不動産(販売代理・東急リバブル)から不利益事実を隠して問題物件をだまし売りされた消費者(=原告・林田力)が消費者契約法に基づき売買契約を取り消し、裁判(東急不動産消費者契約法違反訴訟、東京地裁平成18年8月30日判決、平成17年(ワ)3018号)で売買代金を取り戻した闘いの記録。

 裁判における当事者と裁判官の緊迫するやり取りを丹念に再現。個人が不誠実な大企業を相手に闘うドラマがある!

 裁判と並行して明らかになった耐震強度偽装事件の余波や欠陥施工、管理会社・東急コミュニティーの杜撰な管理にも言及し、深刻度を増すマンション問題の現実を明らかにする。東急不動産のために働いた地上げ屋(近隣対策屋、東急不動産工作員)が暗躍し、住環境を破壊する高層マンション建築紛争と共通するマンション建設の闇に触れる。

林田力『東急不動産だまし売り裁判購入編』

 林田力『東急不動産だまし売り裁判購入編』は東急不動産(販売代理・東急リバブル)のマンションだまし売りの実態を物語るノンフィクションである。

 この裁判の経過は林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』(ロゴス社、2009年)で明らかにした。『東急不動産だまし売り裁判』はタイトルの通り、裁判をテーマとした書籍であり、提訴後の出来事を対象とする。問題物件の購入に至った経緯や問題発覚後の東急リバブル・東急不動産の不誠実な対応(これが両社への悪印象を決定的にした)には触れていない。その点を知りたいとの声が読者から少なくなかった。

 そこで『東急不動産だまし売り裁判購入編』では購入からマンションだまし売り発覚までの経緯を明らかにした。被害実態を理解できるように東急不動産マンションの写真も掲載した。また、東急不動産だまし売り被害経験を踏まえた住宅購入ポイントをまとめた。

林田力『二子玉川ライズ反対運動1』

林田力『二子玉川ライズ反対運動』(The Opposition Movement Against FUTAKOTAMAGAWA Rise)は二子玉川東地区再開発(二子玉川ライズ)に対する住民運動を記録したノンフィクションのシリーズである。東京都世田谷区の二子玉川(ニコタマ)では街壊しが進行中である。「二子玉川ライズ タワー&レジデンス」や「二子玉川ライズ オフィス」など東急電鉄・東急不動産ら東急グループの営利目的の再開発によって、二子玉川の貴重な自然と近隣住民の住環境が破壊されている。
自然と住環境を守るために住民運動側は住民集会や裁判、議会への陳情など様々な活動に取り組んでいる。『二子玉川ライズ反対運動1』では「にこたまの環境を守る会」「二子玉川東地区まちづくり協議会」ら住民団体の活動の一端を紹介する。
また、同じく二子玉川で起きている住民運動である多摩川暫定堤防や三菱地所玉川一丁目マンションへの反対運動についても触れた。『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』の著者である林田力が東京都に提出した二子玉川東第二地区市街地再開発事業計画(案)への意見書及び口頭意見陳述原稿も収録した。

林田力『二子玉川ライズ反対運動2』

林田力『二子玉川ライズ反対運動』(Opposition Movement Against FUTAKOTAMAGAWA Rise)は二子玉川東地区再開発(二子玉川ライズ)の住環境破壊の実態や反対住民運動を記録したノンフィクションのシリーズである。
『二子玉川ライズ反対運動2』は最初に二子玉川ライズがダメな理由を明らかにする。続いて裁判や集会など二子玉川ライズ反対運動の活動を述べる。二子玉川ライズ住民訴訟では実質和解という画期的な解決となった。パブリックコメントや新しいせたがやをめざす会など世田谷区政の動き、二子玉川ライズと同じく世田谷区の抱える開発問題である下北沢問題にも言及した。『二子玉川ライズ反対運動2』(Kindle)は『二子玉川ライズ反対運動2』(マイブックル)を全面的に再構成したものである。

林田力『二子玉川ライズ反対運動3』

林田力『二子玉川ライズ反対運動3』は二子玉川ライズ行政訴訟や二子玉川ライズ情報公開問題を明らかにする。続いて二子玉川ライズ問題に対する様々な観点からのオピニオンを掲載する。二子玉川ライズと東京スカイツリーや中野駅周辺再開発、海のピラミッド(熊本県)などの開発事業と共通する弊害を論じている。
その次は二子玉川ライズのビル風問題である。住民と世田谷区の緊迫感ある協議内容を収録している。さらに世田谷区議会を揺るがしたスキャンダル「二子玉川デジタル・コンテンツ問題」も記載する。『二子玉川ライズ反対運動3』(Kindle)は『二子玉川ライズ反対運動3』(マイブックル)を全面的に再構成したものである。

林田力『二子玉川ライズ反対運動5』

林田力『二子玉川ライズ反対運動5』(Opposition Movement Against FUTAKOTAMAGAWA Rise 5)は東京都世田谷区の二子玉川東地区市街地再開発(二子玉川ライズ)の問題を取り上げたノンフィクションの5作目である。『二子玉川ライズ反対運動5』では二子玉川ライズの弊害を再構成する。二子玉川ライズ2期事業控訴審や二子玉川ライズ2期事業に対する不服審査請求、住民と世田谷区の風害対策協議などを取り上げる。資料として二子玉川ライズ行政訴訟の裁判文書も収録した。

林田力『二子玉川ライズ住民訴訟 二子玉川ライズ反対運動6』

林田力『二子玉川ライズ住民訴訟 二子玉川ライズ反対運動6』(Residents' Lawsuit Against FUTAKOTAMAGAWA Rise; Opposition Movement Against FUTAKOTAMAGAWA Rise 6)は二子玉川ライズ住民訴訟にフォーカスした書籍である。二子玉川ライズ住民訴訟は東京都世田谷区の住民らが二子玉川東地区再開発(二子玉川ライズ)への公金支出差し止めを求めて世田谷区長を提訴した裁判である。

林田力『東急大井町線高架下立ち退き』

林田力『東急大井町線高架下立ち退き』(Driving out Inhabitants under the Elevated Railway of Tokyu Oimachi Line)は東急電鉄による東急大井町線高架下住民追い出し問題を取り上げたノンフィクションである。東急電鉄は東急大井町線高架下(ガード下)住民に一方的な立ち退きを要求している。Tokyu Corp. is driving out inhabitants and tenants under the elevated railway of Tokyu Oimachi Line.

林田力『二子玉川ライズ反対運動7』

林田力『二子玉川ライズ反対運動7』は2013年の二子玉川の環境を守る会総会や世田谷区予算で二子玉川ライズ補助金を支出することの問題点などを報告する。二子玉川ライズでのAV撮影という毛色の変わった住環境破壊の実態も取り上げた。各地のマンション建設反対運動についても紹介する。

林田力『東急コミュニティー解約記』

 林田力『東急コミュニティー解約記』(パブ―)はマンションの管理会社を変更し、管理委託費を大幅に削減した事例の記録である。東急不動産が分譲したマンション・アルス東陽町(東京都江東区)では管理会社を独立系の会社に変更した結果、管理委託費を年間約120万円も削減でき、変更から1年後には一般会計の余剰金を修繕積立金会計に繰り入れるまでになった。

 林田力はアルス301号室の区分所有者であった。物件引渡し後に不利益事実不告知が判明したため、売買契約を取り消し、裁判で売買代金を取り戻した(林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』ロゴス社)。売買代金を取り戻すまでは居住しており、管理組合理事長も務め、管理会社変更までの経緯にも関係していた。

 アルスでは売主・東急不動産の指定により、分譲当初から東急不動産の子会社の東急コミュニティー(東京都世田谷区)に管理を委託していた。管理委託費等は東急コミュニティーの言い値で決められている状況であった。しかし東急コミュニティーの杜撰な管理が次々と明らかになり、管理会社変更の機運が高まった。